様々を忘れないうちに大例会にあった諸々を記録しておきたく。ということで、大例会感想戦をやる。やります。感想戦っていうか、ただの備忘録だけど。
一日目。
家でギリギリまで作業をしていたら想像の五億倍くらいギリギリになって笑った。走る必要はなかったけれど、荷造りの時間が 10 分ほどしか取れなかった。ところで、そもそも 10 分程度の荷造りで事足りるくらいのものしか持っていく予定がなかったので、結果的には何の問題もなかったという話がある。ノート PC や途中で買った 1.5L のペットボトル、数日分の着替え諸々に加えてベースの重量も合わさって、想像する限りではまあまあの地獄だけれど、バンド練のために三条鴨川間を往復することで慣れていたというのがあり、なぜか得をしたような気分だった。
バス移動の時間は、某後輩の隣の席だった。すぐ隣でオタク二人(社会人+後輩)が爆音で『らき☆すた』を視聴しており、これはこれで修学旅行感があって良いなと思った。移動中に話したことは、正直あんまり覚えていない。消えてなくなった駅のこととか、好きな街のこととか、好きだったアニメのこととか、あとはパンフに載っていた写真のこととか、そういうのを話していたような気がする。千里中央、久しぶりに行ってみたいかもな。たしか千里中央だったと思うんだけど、あの坂道がある街。パーキングエリア、車窓から見える「踊りだこ」という食べ物の意味がよく分からなくて首を傾げていたところ、実際に食べた人から「タコが丸ごと一匹入っていた」と教えてもらった。それを聞いて、自分も食べればよかったな、と少し思った。ところで、そのとき財布はバスの荷台の中にあったわけだけれど。
フェリー乗り場は、まあまあ海だった。海をみに行く余裕があればいいなーと思ったが、昼食へ時間を割くことに。メロンパンとあんぱんを買った。「シャナだ」と言われたことを覚えており、以前にも同じような会話をしたような気がするなと思った。
フェリーの移動時間中は、何をしてたっけ。音源の書き出し作業をしつつ、好きな小説の話をしたりした、たしか。
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本当に好きなのは第三巻だという話もしたような気がする。してないかもだけど、したということになった、いま。あとは甲板へ上がって早々に寝っ転がるなどした。以前からやってみたかったことの一つで、空がとても広々としてみえてよかった。太陽の光が眩しかった。そのうち自分以外の数人も寝っ転がり始めたので面白くなって写真を撮っていた。数人の内の一人が見上げながら、「(空は動いているのに)一葉さんは動いてない」と言っていた。当たり前だろ。
宿に着いてから部屋決め。権力でゴリ押すことにより某後輩二人と同じ部屋にしてもらった。207 号室。告げられた部屋番号とパンフに掲載されたマップとを照らしてみて「あれ?」と思い、自由行動が可能になった瞬間に鍵を使って部屋へと立ち入った。マップに記載されていた通り、207 号室と 206 号室は鍵がなくとも行き来の可能な構造になっていて、ところでたしか 206 号室は女子部屋だったような。「これは流石にまずいよな~」ということで、運営人間に部屋替えを提案するなどしていた。こういうところにばかり気がつく。ところで、別に自分が提言しなくとも 206 号室の鍵が開けば直に分かることだったけれど。
たしか、すぐに温泉へ行った。初日の夜だけは大人数でぞろぞろと銭湯へ押しかけた。その場でタオルがレンタルできるということを知り、「じゃあわざわざ持ってこなくてよかったじゃん」と思った。自分は割と短時間で湯舟に満足してしまう人間なので、温泉に浸かっていた時間は 2,3 分くらいだったと思う。身体を洗っていた時間のほうが圧倒的に長い。そのせいで某後輩に「本当に入ってました?」と疑われた。髪濡れてただろ、ちゃんと。下の自販機で売っていたコーヒー牛乳を飲みながら他の人たちが上がってくるのを待った。その途中で某後輩と会話をし(たしかこの日だったと思う)、「(自分の都合上)吉音の人たちとこんな風に過ごせるのが初めてで嬉しい」という話を聞いた。なるほど、そういうのもあるのかと思った。その後、数人と休憩室でだらだらしていた。今頃、宿のほうでは花火大会が開かれているはずと言いながら外を歩いて、星をみた。びっくりした。目を疑うくらいの数の星が空に浮かんでいて、なんなら天の川のようなものさえみえていた。ロータリーっぽい場所に寝転がって、何となく。そしたら星がもっと綺麗にみえるかなって。そのうち車がやってきて、未だかつてない瞬発力で起き上がった。車通りがないとはいえ、道路で寝転がるのは危険。その場に居合わせた数人の内の誰かが遠くに花火が打ちあがっていることに気づいて、自分は二人目だったかな。ものすごく遠くの花火。置かれた状況も相まって、なんか、ものすごい感情になった。初日の夜からこんなのでいいのかな、と思った。
宿へ帰る途中だったと思う、朝焼けをみにいこうという話になった。言い出したのは……自分だっけ? 覚えてないけど、いかにも自分の言い出しそうなことだなとは思う。夜を手に入れて、それなら一緒に朝も手に入れたいよねって気持ちがある。それで、今夜はなるだけ早く寝て、翌朝の四時に出発しようということになった。
宿へ帰って、都合により遅れて島へやってきた某先輩と偶然すれ違った。行きのバスで『らき☆すた』をみていた社会人も一緒にいて、これから二人で公園まで星をみに行くとのことだったので、先ほどまでの自分たちが星を見上げていた場所を勧めておいた(正しく伝わったかは怪しかったけれど)。その後、諸事情により部屋が入れ替えになったので荷物をコテージへ移すなどした。306 号室が睡眠者専用部屋になるとのことだったので、そこを根城にすることにした。「睡眠を妨害されたときだけはマジでキレる」という話を某後輩にしたら、めちゃくちゃにウケていた。二一時半前には寝た。
二日目。
三時半に起きるつもりだったけれど、何を間違えたのか一時過ぎに目が覚めてしまった。寝直してもよかったのだけれど、妙に意識が冴えてしまっていたので「これはこれでいいか」と思い外へ。すると某後輩が前方から歩いてきたので、普通に驚いた。その相手がどうやら寝付けていないらしいことは知っており、どうしたものだろうなと思ってぶらぶらしているうちに何故か山を下っていた。「これ、どこに向かってるの?」と訊いた記憶があるけれど、とはいえこのまま下ったらどこに出るのかは知っていて、海。なにかと海に縁があるな、と思いながら二時間弱くらい話し込んでいた。星がとても綺麗だった。欄干に腰掛けながら眺めた遠くの山に並ぶ街明かりがあまりにもゆらゆらと揺らめいていて、それがなんだか幼い頃に拾い集めた石のようだったから、その流れで「自分の好きな宝石は何だと思う」という話をした。ノーヒントで当てられるはずもなかったから、そこそこ有名なはずの宝石で、自分が持っていたのは岩肌から直接削り取ったようなもので、とヒントをいくつか出した。考察の過程で相手が答えをふと口にし、ところで自分がそれに目立った反応を示さなかったので、それは答えではないと思われたらしい。結局、相手は全く違う答えを口にしたのだけれど、自分の正解を聞いて「ズルですよ」と言っていた。好きな宝石の話なんて、たぶん生まれてから誰に話したこともなかったからかなり新鮮だった。とはいえ、初日のうちに紫色が好きだって話を聞いていたから、それ繋がりでもあったんだけどな、実は。
帰ってきて、三〇分ほどスタジオに籠ってベース練習をし、そろそろ四時になるかなと思ってスタジオを出たところでちょうど某後輩と出くわした。わざわざ呼びに来てくれたらしい。最終的には先ほどの眠れなかった後輩を除く朝焼け部全員が集結し、さっき登ってきたばかりの山道を再び下ることとなった。どこから朝焼けをみるのかという問題があって、ベストポジションを探すべく少しだけ歩いた。途中、『野生のフライパンを観察しよう』に始まる謎アイデアの数々について話を聞く機会があり、普通に怖かった。いや、面白かったけど。普段あんまり話せない人たちとも気軽に話すことができるというのは、大例会という空間の魅力の一つかもしれないなと思う。なかでも、深夜散歩だったり早朝散歩だったりでは会話が生まれやすいので、誘ってよかったなとこの時点で既に思っていた。諸事情によりランキング人狼が開催されなかったので、誰に何点をどういった理由で入れたかについての話をした。とはいえ、今後に開催される可能性も考えられたので、本戦で使われる予定のなかったほうについてだけ話をした。結局、スタート地点の砂浜が一番いいのではという話に落ち着き、ぞろぞろと引き返した。雲が程よくかかっていて、日が昇るにつれて空が真っ赤に染まっていくのが分かった。思うに、多分、かなりコンディションが良かったんだと思う、空の。スマホの電池が切れていて写真を撮れなかったのが残念だけれど、ところで写真に撮ってみても「なんか違うな」ってなってた気がする。たぶん、生の迫力に勝てない、ああいう空は。
帰って、某後輩と二人でスタジオに入った。当日にライブがあったのでベース練習をしていたのだけれど、指がもう動かないのなんのって。睡眠不足だろうなって気がしたので、朝食までの三〇分を睡眠へ当てることにした。朝食を済ませてから最後の合わせ練を一度やり、それからリハまでの間はリハ準備とベース練習とを行ったり来たりしていた。そのうち指も動くようになってきたので、「まあ、何とかはなりそうだな」という感じがした。
ライブ本番。初手が自分たちの出番で、ベースのチューニングがまだ終わっていないのに開演の流れになり、普通に焦った。ちゃんと練習通りに弾けていたかというと、……いや、かなり怪しいな。普通にミスりまくってたし。ところで「楽しみながらやるぞ!」という気持ちがあり、ベースを弾きながら暴れ回りたいという欲求もあり。なるべく落ち着いてミスをしないように演奏するか、ちょっとミスをしてでも暴れまわりながら弾くかの二択なら後者のほうが面白いかもなという気持ち。マジで楽しかったな~、大例会ペンリサ。これは三月ライブのときにも感じたことだけれど、演奏って楽しいわ、やっぱ。ところで、手元が暗いと指板の認識力が落ちて普通にミスるという話もある。これからは明かりを暗くしてもちゃんと演奏できるかどうかの確認をしたほうがいいかもな。
他の人たちの演奏も途中まで聴いていたのだけれど、ピアノソロタイムが始まった辺りで眠気がピークへ到達。DJ 型出演者たちに泣く泣く背を向けて、コテージで睡眠をとった。自分が眠っている間に『夢と色でできている』を流した大馬鹿者がいたらしく「なんで起こしに来てくれないの!」と言っておいた。自分勝手すぎる。
BBQ を程々に済ませ、作曲者当てクイズの正解発表が始まるくらいのタイミングで温泉へ向かった。なんとしてでも汗を流しておきたいという気持ちがめちゃくちゃに強かったので、これもやむなし。自分を含めて六人の少人数編成で、うち三人が社会人組だった。露天風呂に浸かりながら「裸眼、五年ぶりくらいにみた」と言われたので、最近は結構眼鏡外してるけどなあと思いながら、「いや、山登りに行った帰りの温泉でみてませんか?」という話をした。肝心のその山の名前は忘れていたけれど、伊吹山らしい。なんとなく温泉の湯を手で掬って掛けたら、そこそこ驚かれた。お前がそんなことをするなんて……的な反応。たしかに、普段の自分だったら絶対にしないことのひとつではあるな、と思いつつ。なんだか、その光景がやけに印象に残っている。
帰ってきてすぐに夏曲コンピの聴き大会があった。その直前にあった出来事。以前から某先輩に「パレーシアやりましょう」ということを言われていたのだけれど、どうやら自分はその意味を履き違えていたらしくて。「弾き語りしますよ」みたいなことを言っていたから、てっきりそういうことをするのかとばかり思っていたのだけれど、普通にドラムやギター(二人目)の方々にも声を掛けていたらしかった。そんなマジなあれだったのか! と思い、ところで自分はパレーシアのベースを完全に忘れていたので、夏曲コンピの聴き大会へは参加せず、外で楽譜の思い出しをやっていた。ところで、食堂からの音漏れで微妙に曲が聞こえてきたり、あるいは拍手の音が聞こえてきたりして、これはこれでエモいかもなと思った。
だいたいの運指は思い出せたのでいいだろうと思ってベースを片付け、それでコテージ前の椅子に腰かけていたところ、聴き大会が終わって何人かが食堂から出てきた。それからしばらくしてギターを構えた某先輩が隣の椅子に座ったので、「パレーシア、割とマジでやるつもりだったんすね」という話を振った、たしか。するとパレーシア演奏の流れが発生したので、急いでベースを取りに行った。そのうちもう一人のギター先輩とボーカリスト後輩も登場し、星空の下でパレーシアを合奏するとかいう、極大すぎるイベントが発生。レコーダーの中にそのときの音源があるはず。人生だな~と思いながら、ベース片手にテニスコートへ降り、その際に例のアー写が撮影される運びとなった。
その後、社会人組はスタジオ練へと飲み込まれ、残された自分はといえば一足先に社会へ出た後輩と話す機会がテニスコートで発生。聞きながら、みんながみんな、自分なりの人生を生きているんだなということを改めて認識した。ところで、同性の目からみても某後輩はとても魅力的な人だと思うので、きっとうまくいくでしょうと思いながら聞いていた。このときも星が綺麗だった気がするな。
さらにその後、合唱イベントが発生したので参加。自分が昔に作った『signal』という楽曲の A メロをなぜか男声四部合唱に編曲した人がいて(本当に何故?)、それを実際に合唱するというのがおこなわれていた。自分はメインメロディを歌うだけでよいとのことだったので、特別な練習をすることはなく、他の人たちの練習に後から合流するという流れになった。自分とその編曲者も含めて六人が集まっており、これだけでもかなりありがたい話ではある(一応、自分の曲ではあるので)。リズムの合わせ方をどうするかということにそこそこ難航したけれど、時間に追われて合わせた最後の一回がかなり気持ちよくハマったような気がして、めちゃくちゃに良かった。合唱、アリかもな。なんていうか、これまでに経験したことのないタイプの感動があった。
この日、眠ったのは午前四時のことらしい。何してたんだろ。合唱イベントは日を跨ぐ頃には終了したはずなので、就寝までに四時間ほどの空きがあるのだけれど、本当に記憶がない。と思ったけど、あれか。『消えたポラリス』の話をしたっけ、たしか。三月ライブの夜に消えポラをやろうという口約束を遠くの昔に交わしていて、ところでそれが果たされなかったのでいま回収しようという話をした。パレーシアやったしな。ところで、諸々により難しいかも~という話になったので NF ライブのときに回収するぞ! という話になった。なんとしても回収したいな~。消えポラもパレーシアも、作ってたときはそんなこと一切考えてなかったけど、気づいたら自分の中で大きすぎる存在になっていてすごい。どうしてこんなことに。
三日目。
寝起きの某後輩がアメーバみたいで面白かった。
二日目までで自分が大きくかかわるイベントはすべて終わってしまったので、この日はとにかくやることがなくて。朝食を済ませてからは、テニスコートのベンチに腰掛けて文章を書こうとするなどしていた。ところで「いや~、何も言葉が出てこないな」となって早々に諦め、ぼんやりと空を眺めるなどしていたところ、某後輩がやってきたので少しだけ話をした。何を話したっけ。今朝みた夢の話? だったかな。そんなのを聞いた気がする。
そうしているうちに別の後輩に呼び出され、様々をするなどしていた。こいつも色々大変だろうな~と思いながら、そこまでしなくていいだろうにとも思いながら。フェンス越しに見上げた青空がやけに綺麗で、写真を撮ったことは覚えている。その後、一日目の夜に熱で倒れた某人の対応をどうするかということが話題に上がり、ヒアリングを行うなどの活動に回った。様々を考慮し、病院へ連れて行ったほうがよいだろうという結論が出たのが昼食前のこと。ところで誰がいつ連れていくねんみたいな話の調整をああだこうだとやっているうちにライブの開演時間が差し迫っていた。
自分も自分で様々をしているうちにライブの開演時刻には遅刻したのだけれど、本館を出るとき、下駄箱に見慣れた靴が置かれたままだったことが引っ掛かった。その場では一旦スルーしてライブ会場へ向かい扉を開くと、ちょうど一曲目が終わって某先輩が結成の経緯的なそれについて話をしている最中だった。微妙に薄暗い中、目視で某後輩の後ろ姿を探したものの見つからず。ということは、あの下駄箱の通りにまだ本館にいるのかと思い、それで引き返した。眠っている可能性が高いなと思って声を掛けてみたら、普通に起きていたのでびっくりした。「ライブ、もう始まってるけど」と伝えた瞬間の相手のほうがよっぽど驚いていたので、面白かった。
三日目のライブは(フジタファブリックの一曲目を逃したことを除けば)最初から最後までちゃんとみることができた。各々の出演者について触れていくと恐らくキリがないので、とりあえずいつチルバンドにだけ言及することにする。そもそも、これが結成されたのはたしか三月ライブの夜のことで。ベースを始めたいと言っている後輩がいたので、その場のノリで「自分が曲書くからバンドやりなよ」みたいなことを言ったような覚えがある。結果生成されたのは、およそ初心者向けでなさすぎる高難易度楽曲だったわけだけれど……。いや、申し訳なかった、本当に。その日の夜のどこかでネタばらしをしたように、まあ勿論それ一つだけというわけではないのだけれど、『 Answer to 』は自分のことを好きでいてくれる人たちのことを思って作った楽曲というか何というか。少なくとも歌詞はそういった気持ちに基づいて書かれていて。そんな楽曲をいつチルバンドという、一見ふざけた名前の、けれど本気で取り組んでくれている後輩たちに演奏してもらえたというのは、それ自体、割と普通に嬉しかった。みたいな話、ちゃんと言えてなかったかもな。言えてなかったかもしれないのでいまここに書く。書いた。
ライブが終わって、諸々があって時間別に夕食をとるという手筈になったので、コテージ前の椅子に座って今後のことを考えたり、だらだらしたりするなどをした。夕食を済ませて、それからやっぱり温泉へ行って、三度目のコーヒー牛乳を片手にだらだらタイムを満喫した後で帰った。このときの帰り道に「あれとか、なんだか天の川っぽくないですか?」と某後輩が指さしたそれをみて、「ああ、たしかにそうかも」と思ったことを覚えている。天の川なんて、生まれてから一度もみたことがないからそうだと思うこともなかった。
大吉発表。準備している人たちを横目に、自分と某後輩と某先輩との三人は、上からテニスコートの外れまで自分たち用の椅子を運び、それに腰掛けて結果発表を待つことにした。遠くのほうで某後輩二人組が「さよならとは?」みたいなことについて話をしているのが薄らと聞こえてきていて、それで、なんとなく意識がそういった話題のほうへ引っ張られた。『focus』に関する話は合わせ練をしていた頃からいくつか聞いていて、一方で『さよならライカ』に関する話はあんまり聞いたことがなかったかもなと思い、色々と話を振るなどした。『さよならライカ』は自分が本当に好きな楽曲のひとつで、予選投票でも本戦投票でも 3 点を入れた。だからと言って、大吉に収録されることになるかどうかはまた別の話だけれど、とはいえ、いまこのタイミングで聞いておかないと一生機会を逃し続けそうだという気持ちがあり。なので、結果発表までの間はその楽曲に付随する話題をあれこれ聞かせてもらうことにした。
大吉発表。自分の曲が入ったことは当然のように嬉しかった。振り返ってみると、本戦の対象になった曲はすべて収録されることになったっぽく、嬉しい話。『星降のパレーシア』が意味分かんないくらい高順位にいたのも嬉しかったな。あの楽曲は、以前から自分を含めた数人の内に限っては大きな存在で、ところでそれはしかし普遍的な価値ではないわけで。それがなんていうか、認められたみたいで嬉しかった。「価値が一般化される瞬間」と某先輩が言っていた。「好きだと思って作ったものに、好きだと言ってもらえるとやっぱり嬉しい」とも言っていた。その通りだなと思う。自分も、『星降のパレーシア』に限った話ではなく、『Finalizer』も『リスティラ』も『消えたポラリス』も、自分の好きな人たちと一緒になって作った音楽をこうして認めてもらえて、本当に嬉しいです。ありがとうございました。
という話はあるのだけれど、それと同じくらい嬉しかったのがサトルイケ、周辺、Rakuno.α あたりの、かなり付き合いの長い人たちの楽曲が入っていたことだった。スライドでの公開が始まって何枚目かに Ashedmoon の名前がみえたとき、普通に嬉しすぎて隣にいた周辺の肩叩きまくったし。っていう話を本人たちに伝えて回った気がする。いや、回ってはないか。回ってはないけど、でも、とにかくそういう気持ちが強かった。なんていうか、なんだろうな。ベスト盤というある意味での区切りのような立ち位置のそれで、好きな人たちの楽曲と一緒に自分のそれも収録してもらえるっていうのが、なんか、単純に嬉しかった。サトルイケや周辺が月吉に曲を出すことはきっともうないだろうし、これが最後の機会だったから尚更。あと、『sempai』が収録されたのが何気にかなり嬉しかった。実はかなり推しているので。
大吉発表が終わって、夜。某後輩と「この後、みんな何をするんだろうね」という話をしているときだったと思う。不意に「なんなら散歩でもしますか?」と言われ、じゃあそれで、と思った。大吉発表後の熱が冷めないうちに話をしておきたかった数人に声を掛け、ああ、だからこのタイミングでさっきの話をしたんだった。コテージへ戻ったら、某後輩がいまから眠ろうとしているところだったから。それからテニスコートで刺身を食べたり何だったりをしている人々を横目に出発し、例のごとく山道を下る。途中、「『signal』、めっちゃ好きです」という話を聞き、嬉しかった。海に出るとすっかり潮が満ちていて、二日目に朝焼けをみにきたときとはまた違った雰囲気だった。宴会場から盗んできたお酒を各々開けて、そのときの写真が周辺の note に公開されている。何を話したのか、正直あまり覚えていない。あんまりにも眠かったから。あんまりにも眠すぎて、普通に一五分ほど眠ってしまっていたらしい。目が覚めた直後に「眠っているうちに重大な話し合いがなされましたよ」という話を聞かされ、「え、なになに?」となった。何度だって言うけれど、口約束なんて星の数ほどあればいいと思うから。だから、その重大な話し合いによって決定されたらしい内容について聞いて、思い切り笑った。実現すればいいなと思う。面白すぎるから。
帰り道。生憎の曇り空で、あまり星はみえなかった。「あっけなく寝過ごした夜の名残を思い出せるように今夜星をみたかったのに、晴れてないな~」みたいなことを言った気がする。『focus』も『focus』で、自分の中ではそこそこに大きめの存在となっている楽曲で、だから、あの曲で描かれていたのってまさしくこの帰り道そのものじゃんかと思いながら。いやまあ、楽曲の正しい時間軸は夕暮れだろうと思うけれど。その途中では多分色んなことを話したのだけれど、某後輩の一言に全部持っていかれたような気がするな。それくらい印象的な一言だった。居合わせた某先輩も数秒ほど絶句していたし、自分も言葉を失った。小説なんかじゃありがちな描写だけれど、とはいえ人間、本当に驚くと声が出せなくなるものなんだなと思った。いや、でも、かなり嬉しかったかもな。知り合って五年目にして、そんな言葉が聞けるなんて思ってもいなかったし、自分だってそうであれたらいいと思うから。
二三時頃には宿へ戻った。朝焼けのリベンジをするぞという話になり、なのでなるはやで寝ようという話になっていたのに、なぜかコテージ前の椅子に座りこんでしまい、普通に夜更かしをした。意味が分からない。ところで色々と大切な話を聞くことができたし、大切な話をすることもできた。友達という言葉に対する理想がかなり高くて、ところでそんなものを護りたいわけではなかったんだなという話。正しくは、護りたいと思っていた理想の先にこそ、より確かなものがあるということに気付かされたというか。友達になれたらいいと思うし、友達のままでいられたらいいと思う。そういう話をした。あとはポップコーンを食べまくった。
四日目。
朝焼け部のために早起きを試みるも、失敗。隣で眠っていた某後輩に起こされる形で起床。某先輩1に押し入れの中で眠っているらしい某先輩2を叩き起こすことをお願いし、自分は自分で某後輩を起こしに行った。15 分くらい起きてこなかった。数時間前に登ったばかりの山道を下って海へ降りる。生憎の曇り空が続いていて、朝焼けをみることはできなかった。踏み込んだ話は前夜に済ませてしまっていたから、さて今度は何をしたものかなと思いつつ、やはり寝っ転がったりしていた。ところで夜にしかないものを拾い集めることはできたなという気がしていて、水面の影とか、みえない彗星とか、そういうのを探して回ったりもした。そうこうしているうちに朝が来て、自分たちとは別に早朝散歩部をやっていた某後輩と合流。そのまま「あの、シティポップの木のところ行こうよ」と言い出した某先輩に従って歩き始めた。シティポップの木の根元には自販機とバス停があり、逆に言うと自販機とバス停以外は何もなかった。しばらくの間、そこで海を眺めて過ごした。防波堤に腰掛けて、『マリンブルーに沿って』や『hope』を聴いたりもした。海に行ったら毎回やるやつ。
その後、朝食をとり、わちゃわちゃした後、帰りのバスに乗る。「わちゃわちゃ」という表現にすべてを詰め込んだけれど、実際わちゃわちゃしていたのでまあいいでしょう。
帰りの船で、大例会パンフに載っていた「謎」を解こうかなと思って少し考えてみるも、難しすぎて断念。某後輩に意見を仰いだら、自分よりもかなり進んだところまで考えていて、そのままめちゃくちゃ大きなヒントを貰うも、睡魔に負けて睡眠の選択を取る。結局、どういう答えだったんだろう、あの謎。
以上、こんなところかな。他人の書いた大例会日記を読んでみた感想として「群像劇っぽくて面白いな~」というのがあった。同じ四日間を同じ場所で過ごして、ところでやっていることは全員まちまちだったわけだし、それはそうって感じ。
やりたかったことのほとんど全部を回収できた四日間だったと思う。運営人間たちへの感謝と、この四日間で自分の我儘に散々付き合ってくれた人たちへも多大な感謝を。ありがとうございました。楽しかったです、本当に。