夜明けと魔法

 

 夢日記はあまり好ましくない、という旨の言説は頻繁にとは言わずとも、誰もが一度は目にしたことがあるのではというように思うのですけれど、どういった理由でそのような結論が広く知られているのか、よく考えていると全く耳にしたことがないなあという気がします。いえ、正確には聞いたことがあるようなないようなといった具合でして、いやだからまあ結局のところ知らないんですが。どうしてこんな話を始めたかというと、ここしばらく、というのはおよそ一ヶ月ほどですけれど、眠っているときにみる夢の設定が何だか随分と似通っていて、といっても何日か、あるいは何週間かおきくらいにみる程度ですが、それが一言で言ってしまえば『死にゲー』でして、しかもその舞台が自分の地元とプラスアルファという。死にゲーといっても実際に死ぬわけではなく、いや死に至りかねない諸々が夢の世界では跳梁跋扈してはいるものの、場面の切り替わりそのものが訪れるのはいわゆる詰みに差し掛かった瞬間でして、なんだろう、死亡フラグを踏んだ瞬間に「あ、これ終わった」となり、またスタート地点へ戻るといった感じの。その、夢の内容にかかわらず夢から醒めたときには、つまり目が覚めたときには、自分がいま夢の中にいるのか現実にいるのか分からなくなって混乱するといった話を以前書いたような気がするのですけれど、怖い系といいますか、今回の場合は別に怖くはないんですが、ただ同じようなシチュエーションの夢を何度かみているといよいよ極まってくるといいますか、そういった次第なので二度寝を決め込むのも何だか億劫で、そうしていまは睡眠時間が圧倒的に足りていないにもかかわらずとどのつまり時間を持て余しており、やることねえ~と思いつつブログの記事を書いています。夢って、ここでの夢は眠っているときにみる夢ですけれど、自分の中であんまり概念的には定着していなくて、それはつまりどういうことかといえば、たとえば歌詞なんかを書くときに夢という言葉を使って何かを表現しようとはまずならないなという意味でして、逆にいえば空とか青とかは随分と原義から離れたところにカテゴライズされており、なんていうか、そこら辺の違いって何に由来するものなんだろうといまふと思いました。空とか青とか、そういったものに特別な思いを馳せたことがあるかと言われれば、いやまあ勿論無いとは言いませんけれど、外を歩いてるときとか空を見上げますし、しかし夢に比べて目に見えた大差があるかと言われればそれは無く、毎晩とは言わずとも週に一度はみますし。これも結局は好みの話だったりするんでしょうか。だったらその好みというのがどこから形成されているのかということになりますけれど。うーん。

 

『夜明け』という言葉に対してプラスの印象はあまりなくて、だからってマイナスの印象も特にないんですが、どちらかというと若干マイナスに偏ってるかなあという、49:51 くらいで、自分の中で夜明けの類義語を探すのであればそれはタイムリミットということになったりします。タイムリミット。時間切れ? いったい何の時間が切れたのかといえば、なんだろう、かくあるべき時間みたいな……。いま自分は悲しんでいなきゃいけないんだっていうとき、ないですか? 悲しくもないのに無理に悲しんだふりをしているというわけでは決してなくて、実際、わけがわかんないくらいぐっちゃぐちゃになったはずで、それなのに時が経って気がついたときにはいつも通りの毎日に戻っていて、そのことをふと自覚して「こんなのでいいのかな」ってなる、そういうときってないですか? 自分の中での夜明けはつまりそういうことで、タイムリミットで、勝手にやってくる解決といいますか、だからといって感傷の海に沈んだままでいるのが正常だとは到底思えず、そんなわけで若干マイナスに偏った、とはいえほとんど中立の用語という風の認識をしています。一方で『夕焼け』については若干プラスに偏った印象をもっているのですが、それはさておき。これまでの活動時間を総計するとほとんどすべての人類は、いかに不健康な生活を送っていたところで圧倒的に昼型だということになると思うのですが、そこにある種の優劣をつけるというわけでもないんですが、昼の時間に多くの思い出があるのと同じくらい、夜の時間にも大切な思い出がたくさんあって、本当にどちらかといえばという程度の差で自分は夜のほうを好意的にみており、だから夕焼けは若干プラスで夜明けは若干マイナスなのかなあと思ったり思わなかったりしています。どうなんでしょう。

 

『魔法』も自分の中で概念的に定着している言葉の一つです。ステッキを振ったら変身できるみたいな、そういう分かりやすいものではないのですけれど、なんていうか、先ほどみたいに類義語を探すのであれば嘘になるのかなという気はします。嘘。いや、若干違うのかな。嘘っていうか、伝説? この雨は雲の上にいる神様が降らせているのです、みたいな。それもまた嘘と言えばたしかに嘘ですけれど、しかしそれは範囲を広めにとりすぎている故といいますか、まだまだ精密化できるといいますか、だからまあそんな感じです。伝説。魔法が実在するのだと信じていたという時期は、もしかすると幼少期とかにはあったのかもしれませんけれど記憶の限りでは無く、一方でしかしながらどこかにあればいいのにとはいまでも少し思います。ないんですけどね、そんなの、どこにも。でも、魔法がどこにもないことがつまり魔法の一つなんだよなという錯覚が自分の中にあり、かなり感覚的な話ですけれど。空を見上げてふと誰かのことを思い出してしまうのって、それは別に魔法なんかじゃないですし、何度も繰り返すように魔法なんてどこにもないわけですけれど、それを分かった上でそう呼ぶのは、だからとても素敵なことだなと思うことが少なからずあり、自分では思いはしても言いはしないですけど、物語の中だとそういうことをついやってしまいがちです。心臓を取り替えてでも忘れてしまいたかった何かが、いつの間にか手放したくない何かになっていて、それは夜明けのタイムリミットにも通じるところがありますけれど、だからそれを、夜明けを乗り越えた先のお話といいますか、一方的に与えられた解決を自分のものとして受け入れたときの何かを言い表す言葉が、それが自分にとっての魔法なのかなあという気がします。だから、魔法がどこにもないことが、つまり魔法の一つなんだよなっていう、そういう話でした。

 

 ブログってなんかオチがないとダメみたいな気持ちになってよくないですね。これ以上は特に何もないです。おやすみなさい。

 

 

 

20200514

 

 自分、勉強中だろうが何だろうがニコ動なり Youtube なり、あるいは iTunes なりで動画やら音楽やらを常に耳に入れつつ作業をする(何もしていないときでも音楽は大抵鳴っている)という生活スタイルを形成しているのですけれど、いまちょうど Abema で『禁書目録』のアニメが無料公開されており、そういう次第で久しぶりに通して観たんですが、昔好きだったものっていまでもやっぱり好きなままなんだなあということを再確認し、現在はバイトが半凍結状態なのでかなり劣悪な経済状況であるものの、その後好転した頃合を見計らって原作を追いかけなおしてみようかなと考えていたりいなかったりします、いま。新約も上里勢力が出てきた辺りまでは読んでいたのですけれど、そういえばどうして読まなくなったんだっけか……。元々熱心に追いかけていたというわけでもなかったので、自分の中で自然にフェードアウトしていったという気がします。まあ当時はアニメの視聴環境とかも身近になかったので。ことライトノベルで言うなら、自分が追いかけていたシリーズって灼眼のシャナ物語シリーズくらいです、多分。しかしまあ、『こと』とつけたところで僕はほとんど全くと言っていいほど文学と縁のない人生を歩んできているので、ライトノベル以外に追いかけていたものなんてないんですけど。もう少し文学の世界に馴染んだ人生を送ってくればよかったみたいなことを思う瞬間は、まあこれも全くと言っていいほどなく、とはいえ身の周りにいる人たちが、たとえば作曲サークルにいる数人なんかがふとした瞬間に自分の好きな作品とか作家とかシリーズとかの話をし始めたときに、「こいつマジか?」という気持ちになることはあります。誉め言葉です。なんていうか、みんな、本とか普通に読むんだなあ、みたいな? 自分があまりに無知すぎるので何も言えないな。

 

 こう、普段から読書めちゃくちゃしますって人に一度訊いてみたいことがあったりなかったりするんですが、なんか、どういったモチベーションで読んでるんだろうっていう。いやまあ好きな作家とかの作品とかなら概ね理解も及ぶのですけれど、好きな作家の本だけは読んでますって人は恐らく読書家とかではなく、それは単に好きな作家の本が好きなだけの人なのではという認識が自分の中には(あくまで自分の中にだけ)少なからずあり、でも、いるじゃないですか、なんていうか、見境なくってわけじゃないですけど、マジで何? ってスピードで積読を消化してる人って(そもそもそんなに積読が溜まる時点で凄い)。単純に自分の中にはそういった指向性みたいなものがほとんどないので、普通に気になるというか、興味深いといいますか。なんだろう、あとは spotify とかもそうなんですけど。いや、というかこっちのほうが本題っぽいのかな。色んなアーティストの色んな楽曲をものすごい勢いで消化する人々って、あれはどういったモチベーションなのだろうという気持ちがやはりあり、自分も音楽はそれなりに聴いているほうだと思うんですが、しかし自分の場合はアーティストや楽曲がほとんど固定されていて、自分はまあそれで充分なんですけど、でもそれってさっきの例じゃあないですけれど、『音楽を聴くのが趣味です』とは到底言えないよなあ、みたいな。他人がそれをそのように称していても別に何とも思いませんが、自分の心持としてはそんな感じで。いや、ここまで来ると別に読書とか音楽とかに限らないような気がしてきますね。具体的にはソシャゲとかアニメとか、そういったものも全部そんな感じという気がしてきています。幅広く触れられるという人、まあ読書は自分から少し遠い場所にあるのでアレですけど、たとえば音楽なんかで言えば自分は割と尊敬(?)していたりして、それは自分じゃ出来ないからなんですけど……。良いものはこの世にもっとたくさんあるはずで、その点、自分は自分の知っている世界の中でしか生きていないなあという気持ちです。だからまあ、外の世界にある素晴らしい何かしらを僕に共有してくれる人のことは大好きです(都合がいい)。最近だと、何だろう。jersey club かな。

 

 雲ができる瞬間ってみたことないな、と先日大学の図書館かどこかへ向かう途中に思いまして。なんだ、ペットボトルかなにかで疑似的に雲を生成するみたいなアレなら、実際として目にしたことがあるかまではその実不明としても、まあみたことがあると言っても差し支えはないかなと思うんですが、いやそうではなく、空に浮かんでる雲です。生成の仕組みとかは理科の教科書で知っているものの、あれが生まれる瞬間ってみたことないなーって。それをいえば、太陽が動いているところもみたことがない。気づいたら東から南の空を経由して西へ沈んでいるけれど、本当に気づいたときにはそうなってるし。むかし、小学生とかの頃、体育の時間で運動場を使うときに、授業の最初と最後とで自分の影の傾きが変わってるのがそこそこ不思議だったということを思い出したり思い出さなかったりし、いやまあ、それだけなんですが。開花の瞬間も映像でしかみたことがないし、流れ星も実は未だかつてみたことがないし、自分、みたことないものばっかりだなという気持ちになったのが数日前の昼下がりのことです。

 

 自分は曲がりなりにも数学科の人間なので普段は数式なんかをぶん回して色々とやったり逆にやられたりしてるんですが、なんていうか、知識ってつまんないなと思うことが結構あって、というと結構な語弊がある気がしますね。学問って、少なくとも理学について言えば、未だ説明のつかない既存の現象に関する十分な理解を得ようとする営みだと思うんですけど、それ自体は相当に価値のある行為だと自分は思っていて、そうでなかったら理学部という名の集積所へは来てないんですが、それはそれとして、なんだろうな、答えなんて知らないのにまるで知っているみたいな気にさせられるのが何か気持ち悪くて。数学とかだとよくあるんですけど、事実としては知っているけど証明は知らない、みたいな。じゃあ証明読めよって話ですけど前提知識が多すぎたり、あるいは文献が古すぎてどこを探しても見つからなかったり、でもどうやら正しいらしいという情報だけは持っていて、それがなんていうか気持ち悪い。これが数学なら一応自分の専攻領域ではあるのでまだしも、物理とか生物とか化学とかになってくると、当たり前の話ですけれど最早手が及ばないといった感じで。なんかこう、特に生物とかの話題は世間でもなされがちじゃないですか、遺伝子がどうこうとかって。でも遺伝子とか、少なくとも自分は「そういうものがあるらしい」という程度の雑な認識で、その実何物であるのかを全くもって把握していないのにも関わらず、知識の上ではあたかも既知の単語であるかのように記述されているというのが変な感じで、他の人はそんな気持ちになることってないのかなあとたまに考えたりします。こんな話、普通に面と向かってすることはほとんど、というか全くないので、ここでの「他の人は」は単純に訊いたことがないだけです。

 

 未知が既知になる瞬間って少なくとも自分にとってはまあまあ楽しいそれで、勉強はやればやるほど面白くなるし、一方でやればやるほど地獄をみるので一長一短ですけれど、一度知ってしまったら後戻りできないからつまらない、なんてことは全くなくて、だから知識がつまらないっていうのはそういう意味ではなくて、まあ結局、よく知らないものを知った風になっている状態が気持ち悪いっていう話で。なんだろう、逆にそれが一般的には外れた理解であったとしても、『これはそういうものなんだ』と自分なりの理解を伴って受け入れられているのであれば、それはそれでいいんじゃないかなって思ったり思わなかったりするんです。ちょっと話変わりますけど。だからまあ、たとえば、これは世間だとそういう類のものらしいからそのように認識しておこう、みたいなそういう、与えられた答えというか、そんな感じの。与えられた答えが駄目だって主張ではないんですが、そこに自己が伴っているか否かみたいな。そこら辺の境界線をどう判断するかは皆目見当もつきませんけど、たとえば、自分が本当に受け入れているものって多分誰に押し付けなくても構わないものなんじゃないかと自分は少し思っていて、なんだろう、分かりやすいところでいえば誰かの死とか? あとは諦めたものとかかな。なんていうか、そんな感じがしません? 僕はするんですけど。間違っていたとしてもちゃんと受け止めている人はその理解を他の誰かには求めないし、だって自分が分かってるから、「どうせ」なんて言う道理がどこにもないよなあ、っていう。なんていうかまあ結局、そこのギャップを感じる瞬間がそこはかとなく気持ち悪いという話でした。雲ができる原理を知っていることが、イコールで雲ができるということを理解していることになるのかっていう話、ではなかった気がしますね、多分。

 

 

 

アイ

 

 楽曲『アイ』を投稿しました。

 

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【歌詞】

言えない 想いを閉じ込めた

心の奥を 覗いては

知らない 貴方の言の葉を

宙になぞっているだけ

 

届かない ざわめいた群青

テールランプを 追いかけて

右手に濡れた傘

あの耳鳴りがまだ 響いている

 

ずっと遠い景色をみたくて

ひとりで踏み出した 広すぎる空の下で

貴方の声 みつけてくれたこと

雨が止んで 聞こえなくなっても 忘れないよ

 

解らない 何かを閉じ込めた

心の奥に 残っている

名前もない声は

雨音に紛れた 涙だった

 

ずっと遠い景色をみたくて

ふたりで踏み出した 広すぎる空の下に

貴方の声 聞こえなくなっても

いまもずっと どこかに探している

 

いつか全部が青に解けるなら

寂しい痛みも恋と呼べるなら

魔法のない世界の空の色も

私はきっと愛せるよ

 

いつか全部が日々に呑まれても

優しい痛みが教えてくれるから

魔法のない世界を染め上げていく

朝陽の空を今日も繰り返して

私は歩いていくよ

 

ねえ。

まだ、

ざわめきの中から、

声は聞こえる?

 

 

 【コード】

BPM=75

Key: A major

|| Dadd9 --- | Dadd9 --- | F#m7 --- | F#m7 --- |

|| Dadd9 --- | Dadd9 --- | F#m7 --- | F#m7 --- |

 

|| Dadd9 --- | Dadd9 --- | F#m7 --- | F#m7 --- |

|| Dadd9 --- | Dadd9 --- | F#m7 --- | F#m7 --- |

 

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

 

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

 

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

 

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

 

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

 

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

 

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

|| Dadd9 --- | Dadd9 - Dadd9(omit3)/E - | F#m7(11) --- | F#m7(9) -- F#m7/E |

 

|| Dadd9 - Esus4 - | C#m7 - F#m7 - | Dadd9 - Esus4 - | C#m7 - F#m7 - |

|| Dadd9 - Esus4 - | C#m7 - Em7 - | D --- | E - Fdim - |

 

|| Dadd9(omit3) - Esus4 - | C#m7 - F#m7 - | Dadd9(omit3) - Esus4 - | C#m7 - F#m7 - |

|| Dadd9(omit3) - Esus4 - | C#m7 - Em7 - | D --- | E --- |

|| F#m -- F# ---- |

|| D - E - | A --- |

 

|| Dadd9 --- | Dadd9 --- | F#m7 --- | F#m7 --- |

|| Dadd9 --- | Dadd9 --- | F#m7 --- | F#m7 --- |

 

 

 【コード(degree)】

BPM=75

Key: A major

|| IVadd9 --- | IVadd9 --- | VIm7 --- | VIm7 --- |

|| IVadd9 --- | IVadd9 --- | VIm7 --- | VIm7 --- |

 

|| IVadd9 --- | IVadd9 --- | VIm7 --- | VIm7 --- |

|| IVadd9 --- | IVadd9 --- | VIm7 --- | VIm7 --- |

 

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

 

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

 

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

 

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

 

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

 

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

 

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

|| IVadd9 --- | IVadd9 - IVadd9(omit3)/V - | VIm7(11) --- | VIm7(9) -- VIm7/V |

 

|| IVadd9 - Vsus4 - | IIIm7 - VIm7 - | IVadd9 - Vsus4 - | IIIm7 - VIm7 - |

|| IVadd9 - Vsus4 - | IIIm7 - Vm7 - | IV --- | V - #Vdim - |

 

|| IVadd9(omit3) - Vsus4 - | IIIm7 - VIm7 - | IVadd9(omit3) - Vsus4 - | IIIm7 - VIm7 - |

|| IVadd9(omit3) - Vsus4 - | IIIm7 - Vm7 - | IV --- | V --- |

|| VIm -- VI ---- |

|| IV - V - | I --- |

 

|| IVadd9 --- | IVadd9 --- | VIm7 --- | VIm7 --- |

|| IVadd9 --- | IVadd9 --- | VIm7 --- | VIm7 --- |

 

 

 【コメント】

 この曲は、曲中でずっと鳴っているギターのリフが最初にあり、唄ってみて、詞を書いて、それからピアノを乗せて、リズムを組んで……という風に組み立てていきました。そういう経緯で生まれた曲なので、コード進行が(自分の曲の中では)そこそこ異質っぽい感じがします(でも最後は結局4536になる)(IVadd9)(Vsus4)。

 ギター弾きました。絵も描きました。曲、歌詞、イラスト、動画中の文章、その全部で『アイ』という一つの世界を表現したつもりです。まだまだ拙いそれですけれど、これからもこつこつとやっていけたらと思います。

 

 

 以上です。よろしくお願いします。

 

 

 

20200507

 

 本来であれば今頃新曲を投稿してぐっすりと眠りについているはずなのですが、諸々があったので投稿は明日に延期されました。準備不足~。今日の昼頃に一式を整える予定だったんですが、急激な体調の悪化などがあり、午後の予定を一切合切放り出して睡眠をしていました。自分の身には度々起こることなのでもう半分くらい受け入れているのですが、気がついたら気を失っていたという現象が稀にあり、寝落ちとかじゃなくって重力に従って床に頭から倒れ伏すみたいな、気づいたらそうなっていましたという。思えばこいつとは長く中学からの付き合いで、人前で発現することは相当に珍しいんですが、大学へ来てから一度それをやってしまい、当時は相当な迷惑をかけたなあと思いつつ、それもまた一年ほど前の話なのですっかり忘れていた今日この頃、地元へ帰ってきてふと旧友に会いにいくみたいな感覚で唐突に訪ねてきたこいつに無事ノックダウンされ、そんなこんなで何もかもが最悪になりました。いまはもう平気ですけれど。

 それをまたどうして文章に起こしているのかというと、なんていうか、これまでの中で最も死を意識したからという理由でして、このことを忘れなければ事態を防げるというわけでも全くないんですが、貴重な体験だったという意味でも書き記しておこうかなあ、と。失神そのものは先述の通り何度か経験があり、でもだいたいはすぐに立ち直れるというか、覚醒から数分はかかりますけれど、逆に言えばかかっても数分程度で元通りになり、それが今回の場合、正確な時間は(倒れていたので)わからないもののスマートフォン曰くおおよそ三十分ほど動くことができていなかったらしく、喉元過ぎて熱さを忘れた自分が思うに、回数を重ねるたびに症状が深刻になっていっているような気が若干し(これが歳というもの?)、次にこいつが来たらいよいよどうなるか分からないなという気持ちです。普段の体感百倍に強まった重力にしてやられていた最中の自分はといえば、割と本気で「今回ばっかりはマジで死ぬんじゃないか」みたいなことを考えており、というのも嫌な汗がとめどなく全身を伝い、あんなに暑かったはずなのに寒気がおさまらず、なにより全身に力が全く入らなくて、これまでのとはあからさまに症状の重さが違うと感じつつ、「どう考えても助けが呼べない」となり、だからまあ死ぬんじゃないかと思ったという話なんですが。あったじゃないですか、某ウイルスに感染したものの症状が軽いからという理由(というよりは重症の患者を優先して受け入れなくてはならないというもっともな理由)で自宅療養になっていた独身の男性が亡くなったという話が。男性は前日に症状の悪化を訴えていたようですけれど、それはそれとして、なんていうか、その人も最期はこんな感じの気持ちだったのかなあみたいなことを思いつつ、数歩あるけばスマホはあるし、その向こうには頼れる相手もたくさんいるんだけど、そもそも立ち上がれないっていう。自分は現在をボーナスステージみたいなものだと考えているという話は何度かしたように思いますが、早く死ぬのは勿体ないしできることなら長生きはしたいものの、まあでも死そのものは避けられないしどうしようもないし仕方がないのかも、みたいな感じの考え方を自分はしていて、でもなんていうか、センチメントな夜にあてられた死の意識なんかよりもずっとリアルな、全身に訴えかけてくるようなヤバさを前にすると「いや、こんなところで死んでたまるか」という気持ちにしかならず、だってまだ曲公開してないし、せめてそれくらいのことはやり切らせてくれと考えつつ、とはいえアニメの世界ではないので根気だけで立ち上がれるというわけもなく、結局はいつも通りに症状が落ち着くのを「本当に落ち着くのか、これ」と思いながら待っていたというのが現実です。時間は要したもののいつも通りに鎮まってくれたので一先ずは安心しつつ、寝て休んだ方が絶対的によいと考え、万が一ぶり返したときのために親へ伏線を張っておき、眠り、いまこうしてこれを書いているということからも分かるようにそれ自体は全くの杞憂でしたが、後遺症として足を少し捻ったらしく、歩くたび微妙な痛みが足元から伝ってくるという以外はおおよそ健康体です。めでたしめでたし。生活習慣がどうこうとかいう症状でもないみたいので手の打ちようとかは特にないんですが、どうしたものかな。

 

 死んでもいいやと思える瞬間って、想像するに、決してやってこないんだろうなあというのが今回の感想で、今日は未公開の曲がまだ残っているというのがそれでしたけれど、ここまでを全部こなせばクリアという明確なゴールが用意されていない以上、何をどこまでやり切ったところで「じゃあそれで全部おしまいです」と言われたら「いや、まだ足りないんだ」と思うのだろうし、実際に思ったし、最期、本当に全部がおしまいになってしまうときもきっとそうなんだろうなあ、っていう。悔いの残らない一生を遂げた人って人類史上、たったの一人でもいたんでしょうか? いや、知りませんけど。

 

 

 気を取り直して、新曲は明日どこかにアップロードします。聴いてね。

  これは新曲のイラスト。いい感じに表現できたお気に入り。

 

 

 

selen

 

 曲ができたので今週の木曜日(5/7)の20時くらいに投稿します。よろしくお願いします(告知)。

 

 まあ、たったこれだけのためにブログを動かすというのも何だかなあという感は否めないので、曲を作っている間に考えていたことなんかをつらつらと書いていったりいかなかったりします。

 

 

 作曲を始めたのが自分の場合は、厳密に言えば中学三年の頃、大雑把に言えば高校二年の頃なんですが、厳密に言ったほうの頃のモチベーションがどこにあったかといえば「歌モノ(有体に言えばボカロ曲)を作りたい」だったんですよね。と言っても、当時の自分には楽器経験だなんて高尚な装備は皆目あらず、知識がなければ才能もなかったので、かくして然るべきという次第で挫折しました。いや、挫折っていうか、挫折する段階にもいけなかったっていうか、入り口にも立ってなかった感じですね。いまにして思えば当時の自分って多分音楽を全くと言っていいほど聴いていなくて、正しく言えばいまくらいの解像度で聴くことはしていなくて、リズムという概念を持っていたかも怪しいという気がしており、そりゃあ曲なんて作れる道理がないわという感じです、いまにして思えば。

 高校二年の頃に様々な転機があり、という話は何度か書いたので割愛しますけれど、それからは色々とやり、いま聴くと本当に稚拙が極まっているのでアレなんですが30あまりの曲を作り、高二高三の頃にはそんな感じだったので志望大学へ無事に進学できたら絶対に作曲サークルに入るぞと決め、そして入り、そこでも様々があり、という話も何度か書いたので割愛しますけれど、そんなこんなで歌モノは次ので七つめくらいです。早いですね。

 大学に入ってから文章を書く機会が増え、という話も何度か書いたので割愛しますけれど、特に何の制約もなしに書いた最初の文章が『創作』というやつでして、この話はまだしていなかったと思うのでここで少しします。リンクは貼りません(恥ずかしいので)(別に恥ずかしくはない)(面倒なので)(本音)。

 

 高校生当時を振り返って思い出される人物、あるいは関係というものはそれなりの数があるわけですが、創作の面で自分の近くにいた一人にとある一個下がおり、とりあえず三人称の代名詞として彼女と呼ぶことにしますけれど、そんな誰かと自分とで作ったキャラクターが二人いて、名前はセレンとカレンっていうんですが、その、先に述べた『創作』という文章で書いていたのはそのことでした。

 ともすれば黒歴史感の強いエピソードみたいですけれど、当時の自分はそのキャラクターが相当に気に入っており、というかいまでも好きで、これを読んでいる人に自分の音雲アカウントを知っている人がいれば、あのアカウントのアイコンがまさしく彼女が描いたセレンそのものなんですが、それはさておき、キャラクターを作って何をやっていたかといえば、そのキャラクター周辺の絵やら曲やらを作っていました。自分が曲を作るときの名義の一つに『SELEN』というのがあるんですが(吉音民(きちおとたみ)でこの名義を記憶している人がいて軽く驚いた)(じつは『KAREN』もある)、これはそのセレンというキャラクターを表現したいときに使う名義で、これまでに六回ほど使っていたりいなかったりします。

 ともあれそういったものがあり、彼女がどうだったのかは知りませんけれど、先述の通りに自分は相当に気に入っていたわけですが、でも大学に入ってから気づいたのがそうじゃなくなった自分自身で、そうじゃなくなったというのは好きでなくなったという意味ではなくてあまり考えなくなったという意味ですが、というのも自分は浪人しており、浪人中は絵をほとんど描かなくなり、曲も作らなくなり、Twitterやらも(ある時期以降)触れずという具合で、考える時間が無くなったというか。言い訳ですけれど。そんなこんなで、自由に文章を書いてみようとなったときにようやく気づいたのがそのことで、だから『創作』を書いて、一回生のうちに『SELEN』名義の曲を一曲書こうと決め、まあ書いたんですが。以来もセレン周りのことは自己満足でいくつかやっていて、『ここにいるよ。』とかも実は部分的にそうだったりそうじゃなかったり、Twitter(1tsu8)のアイコンも実はそうだったり。自分の場合は、高校生の頃が最も創作の土台になっているなという感じがあり、セレンとカレンは、もちろん彼女もそれらの一つであって、他にもたくさんあるけれどその一つであって、だからいまもそのことを唄っていたりいなかったり、描いていたりいなかったりするのだなあと思います。

 

 その全部の始まりにあったのが『SELEN』という曲で、Twitterのログを漁ってみたところ2014年4月2日(高二の頃)にインターネッツに放たれたらしいですが、自分はよく昔に作った曲を聴いたり聴かなかったりしていて、それで思うことといえば「昔はもっと好きにやっていた気がする」ということでして。なんていうか、いまの自分は大学生なのでバイトやらで何やらで貯めたお金で機材をある程度整えることができますし、音楽理論もコード進行についてだけは僅かながら勉強したのである程度組み立てられますし、だからできること自体は格段に増えていて、でも、できることが増えすぎたせいで却って何もできなくなっているという感じがあって、行き詰っているわけではないんですが、何だろう、白紙の地図に細かく描きこみすぎて逆にどこへ行けばいいか分かんなくなった、みたいな。曲を作るときは毎回新しいことをやろうというモチベーションがあり、別にそのことに疲れたというわけでは全くないものの、なんか、未踏の地に向いている興味ばかりに気を取られて、本質っぽい何かを見失ってないかなあ、みたいな? 本質っていうか、それこそ高校の頃の自分がやっていたような音楽、あるいはそれをやり切るだけの無茶。それはいわゆる無知というやつだと思うんですが、それでも、たまにはそういうのがあってもいいんじゃないかなって気持ちがあって、なので次の曲はというところで話が戻ってくるんですが、なので次の曲は、高校生の頃の自分が作った曲を下地にして、それをいまの自分なりに再構築してみたという風な感じになっています。そうなりました。結果的に『自分の好きな曲』をかなりの解像度で形にできたなあという気がしており、これがまた今後何かを作る上での指標の一つになってくれたならいいなあ、という感じです、いまは。

 リンク貼っとこ。

soundcloud.com

「歌モノを作りたい」と言っていた当時の自分はこの曲に歌詞を当てたりもしていて、しかしほとんど誰の目にもみせないまま、半年くらい前に偶然見つけたそれをTwitterに放流したのが初だったくらいなんですが、「自分の曲に歌詞を当てる」という行為の本当の始まりはたしかこの曲だったなあということを思い出しつつ、ここ数日は曲を作っていました。

 

 

 早く公開してえ~~~~~。こういうことを自分で言うのはかなりアレですけれど、めちゃくちゃ良い曲になったので公開されたら是非聴いてください。よろしくお願いします(告知)。あと、実は別にもう一曲作ってあるので、そちらも公開された際には是非ともよろしくお願いします(告知)。

 

 

 

院試問題解くやつ13

 

 そろそろ院試勉強しなきゃなあと思いながらこの春を過ごしているのですけれど、割とだらだらしてしまっているので tex の練習(未だに tex を全く使えない)も兼ねて(主に)京大理学研(数理解析)の入試問題をブログで解いていこうと思います(不定期)。解答が公表されているわけではないので(だから困っているんだが)、誤答等も多々あると思われますが、その際はよければ僕の方まで連絡してください(マジで頼む)。

  ここまでテンプレです。状況が状況なのでオンラインでのゼミをとりあえず一度やってみたんですが,文字が読みにくいだとかホワイドボード機能が使いづらいだとかいう様々な不便もありつつ,まあやれないことはないかなという感じでした.ただこれで一年やりきるのは流石に滅入りそうなので,早く外に出られるようになるといいなあという感じです.

 

平成26年度 京都大学大学院理学研究所 数学・数理解析専攻 大問3 \zeta1 の原始 7 乗根 e^ {2 \pi \sqrt{-1} /7} とし,\mathbb{C} の部分集合
A= \left\{ a_ 1 \zeta + a_ 2 \zeta ^2 + a_ 3 \zeta ^3 + a_ 4 \zeta ^4 + a_ 5 \zeta ^5 + a_ 6 \zeta ^6 \, | \, a_1 , a_ 2 , a_ 3 , a_ 4 , a_ 5 , a_ 6 \in \left\{ 0,1 \right\} \right\}
を考える.このとき,\mathbb{Q} \left( \alpha \right) = \mathbb{Q} \left( \zeta \right) となる \alpha \in A の個数を求めよ.

 パッと見は変な問題ですが,Galois 理論についての基本的な知識があればただの数え上げ問題です.

 以下,解答.

 

 \mathbb{Q} \left( \zeta \right) / \mathbb{Q}\varphi \left( 7 \right) = 6 次巡回拡大.その Galois 群を G とおく.ある \tau \in G \backslash \left\{ \mathrm{id} \right\} があって \tau \left( \alpha \right) = \alpha が成り立つとすると,ガロア理論の基本定理から,拡大 \mathbb{Q} \left( \zeta \right) / \mathbb{Q} の真の中間体 M があって \alpha \in M となる.特に \mathbb{Q} \left( \alpha \right) \subsetneq \mathbb{Q} \left( \zeta \right) となる.逆に,任意の \tau \in G \backslash \left\{ \mathrm{id} \right\} について \tau \left( \alpha \right) \neq \alpha なら \mathbb{Q} \left( \alpha \right) = \mathbb{Q} \left( \zeta \right) となる.よって \mathbb{Q} \left( \alpha \right) = \mathbb{Q} \left( \zeta \right) となる \alpha \in A の個数は,任意の \tau \in G \backslash \left\{ \mathrm{id} \right\} に対して \tau \left( \alpha \right) \neq \alpha となるような \alpha \in A の個数に等しいので,これを求める.

 \sigma\sigma \left( \zeta \right) = \zeta ^3 を満たす G の元とすると \sigma は位数 6 なので G の生成元.\alpha \in Ak=1,2,3 について \sigma ^k \left( \alpha \right) \neq \alpha ならば l=4,5 についても \sigma ^l \left( \alpha \right) \neq \alpha となるので,結局 k=1,2,3 について \sigma ^k \left( \alpha \right) \neq \alpha となるような \alpha \in A の個数を数えればよい.そのためにある k=1,2,3 について \sigma ^k \left( \alpha \right) = \alpha となるような \alpha \in A の個数を数える.

 \alpha= a_ 1 \zeta + a_ 2 \zeta ^2 + a_ 3 \zeta ^3 + a_ 4 \zeta ^4 + a_ 5 \zeta ^5 + a_ 6 \zeta ^6 とすると

\sigma \left( \alpha \right) = a_ 5 \zeta + a_ 3 \zeta ^2 + a_ 1 \zeta ^3 + a_ 6 \zeta ^4 + a_ 4 \zeta ^5 + a_ 2 \zeta ^6

\sigma ^2 \left( \alpha \right) = a_ 4 \zeta + a_ 1 \zeta ^2 + a_ 5 \zeta ^3 + a_ 2 \zeta ^4 + a_ 6 \zeta ^5 + a_ 3 \zeta ^6

\sigma ^3 \left( \alpha \right) = a_ 6 \zeta + a_ 5 \zeta ^2 + a_ 4 \zeta ^3 + a_ 3 \zeta ^4 + a_ 2 \zeta ^5 + a_ 1 \zeta ^6

と計算できる.\left\{ \zeta , \cdots , \zeta ^6 \right\}\mathbb{Q} \left( \zeta \right)\mathbb{Q} 上の基底なので

\sigma \left( \alpha \right) = \alpha \Leftrightarrow a_ 1 = a_ 2 = a_ 3 = a_ 4 = a_ 5 = a_ 6

\sigma ^2 \left( \alpha \right) = \alpha \Leftrightarrow a_ 1 = a_ 2 = a_ 4 かつ a_ 3 = a_ 5 = a_ 6

\sigma ^3 \left( \alpha \right) = \alpha \Leftrightarrow a_ 1= a_ 6 かつ a_ 2 =a_ 5 かつ a_ 3 = a_ 4

である.

 まず,第一の条件を満たす A の元が 2 個ある.次に第二の条件を満たし,かつ第一の条件を満たさない A の元が 2 個ある.最後に第三の条件を満たし,かつ第一の条件も第二の条件も満たさない(※第一の条件を満たさないことを課せば,第二の条件は自動的に満たさない) A の元が 6 個ある.ゆえにある k=1,2,3 があって \sigma ^k \left( \alpha \right) = \alpha となるような A の元は 10 個ある。A の元は全部で 64 個だから,求める A の元の個数は 54 である.

\Box

 

 基礎科目からも一問.

平成26年度 京都大学大学院理学研究所 数学・数理解析専攻 基礎科目6 a0 でない実数,p \left( t \right)\mathbb{R} 上の連続な周期関数で周期 TT \gt 0 )をもつとする.このとき常微分方程式
\displaystyle \frac{d}{dt} x \left( t \right) =ax \left( t \right) +p \left( t \right)
の解 x \left( t \right) で,周期 T をもつ周期関数となるものが唯一つ存在することを証明せよ.

 以下,解答.

 

 斉次な微分方程式

\displaystyle \frac{d}{dt} x \left( t \right) =ax \left( t \right)

の解として x \left( t \right) = Ce^ {at} がとれる( C は任意実定数).そこで Ct の関数とみて元の微分方程式に代入すると

\displaystyle \frac{d}{dt} C \left( t \right) =\frac{p \left( t \right) }{e^{at}}

より

\displaystyle C \left( t \right) = \int_0^t \frac{p \left( s \right) }{e^{as}} ds +C

が得られるので,元の微分方程式の一般解は

\displaystyle x \left( t \right) = \left( \int_0^t \frac{p \left( s \right) }{e^{as}} ds +C \right) e^ {at}

と表せる.ここで C は任意実定数.

 x \left( t \right) が周期 T をもつ,すなわち任意の t \in \mathbb{R} について x \left( T+t \right) = x \left( t \right) が成り立つとすると,特に t=0 で考えて

\displaystyle C= \frac{e^ {aT}}{1-e^ {aT}} \int_0^T \frac{p \left( s \right) }{e^{as}} ds

でなくてはならない.逆にこのような C によって定まる微分方程式の解 x \left( t \right) について

\displaystyle x \left( T+t \right) -x \left( t \right)

\displaystyle = e^ {a \left( T+t \right) } \int_0^{T+t} \frac{p \left( s \right)}{e^ {as}} ds -e^ {at} \int_0^t \frac{p \left( s \right)}{e^ {as}} ds + \left( e^ {a \left( T+t \right)} -e^ {at} \right) \frac{e^ {aT}}{1-e^ {aT}} \int_0^T \frac{p \left( s \right) }{e^{as}} ds

\displaystyle = e^ {a \left( T+t \right) } \int_0^{T+t} \frac{p \left( s \right)}{e^ {as}} ds -e^ {at} \int_0^t \frac{p \left( s \right)}{e^ {as}} ds - e^ {a \left( T+t \right)} \int_0^T \frac{p \left( s \right) }{e^{as}} ds

\displaystyle = e^ {a \left( T+t \right) } \int_0^{T+t} \frac{p \left( s \right)}{e^ {as}} ds -e^ {at} \int_T^{T+t} \frac{p \left( s-T \right)}{e^ {a \left( s-T \right)}} ds - e^ {a \left( T+t \right)} \int_0^T \frac{p \left( s \right) }{e^{as}} ds

\displaystyle = e^ {a \left( T+t \right) } \int_0^{T+t} \frac{p \left( s \right)}{e^ {as}} ds -e^ {a\left( T+t \right) } \int_T^{T+t} \frac{p \left( s \right)}{e^ {as}} ds - e^ {a \left( T+t \right)} \int_0^T \frac{p \left( s \right) }{e^{as}} ds

 =0

が任意の t \in \mathbb{R} で成り立つ.よってこれが求める解で,一意性は明らか.

\Box

 

 こんな感じでした.

 

 

 

院試問題解くやつ12

 

 そろそろ院試勉強しなきゃなあと思いながらこの春を過ごしているのですけれど、割とだらだらしてしまっているので tex の練習(未だに tex を全く使えない)も兼ねて(主に)京大理学研(数理解析)の入試問題をブログで解いていこうと思います(不定期)。解答が公表されているわけではないので(だから困っているんだが)、誤答等も多々あると思われますが、その際はよければ僕の方まで連絡してください(マジで頼む)。

  ここまでテンプレです。弊学附属図書館のゼミスペース的な場所が使えなくなり困ったのが三月で、ついに開講延期が決定し構内に入ることもできなくなりそうというのが四月です。院試、どうなるんでしょうかね。

 

平成27年度 京都大学大学院理学研究所 数学・数理解析専攻 大問1 G は非可換群で次の条件(*)を満たすとする.

(*)N_ 1 , N_ 2 \subset G が相異なる自明でない正規部分群なら N _1 \nsubseteq N_ 2 である.

 このとき,以下の問に答えよ.

(i)N_ 1 , N _2 が相異なる G の自明でない正規部分群なら,G = N_ 1 \times N_ 2 であることを証明せよ.

(ii)G の自明でない正規部分群は高々 2 個であることを証明せよ.

 群 G が二つの正規部分群 N_ 1 , N_ 2 の直積に分解される条件は N_ 1 \cap N_ 2 = \left\{ 1 \right\} かつ G= N_ 1 N_ 2 なので,(i)ではそれを示しにかかります.問題は(ii)ですが,(i)で全く使わなかった非可換性について考えればよいです.

 以下,解答.

 

(i)

 N_ 1 , N_ 2 \triangleleft G は自明でないとすると N_ 1 \cap N_ 2 \triangleleft G であって N_ 1 \cap N_ 2 \subset N_ 1 だから(*)より N_ 1 \cap N_ 2 = \left\{ 1 \right\} が従う.また同様に N_ 1 N_ 2 \triangleleft G であって N_ 1 \subset N_ 1 N_ 2 より N_ 1 N_ 2 =G が従う.よって G= N_ 1 \times N_ 2 である.

\Box

(ii)

 N_ 1, N_ 2 , N_ 3 は相異なる G の自明でない正規部分群とする.(i)より G= N_ 2 \times N_ 3 であって、ゆえに N_ 2 の元と N_ 3 の元は可換である.N_ 1N_ 2N_ 1N_ 3 についても同様.g \in N_ 1n_ 2 \in N_ 2 , n_ 3 \in N_ 3 を用いて g= n_ 2 n_ 3 と表せば,任意の h \in N_ 1 について

gh= n_ 2 n_ 3 h = n_ 2 h n_ 3 = h n_ 2 n_ 3 = hg

なので N_ 1 は可換群.同様に N_ 2N_ 3 も可換群であって,その直積である G も可換群となり矛盾.

\Box

 

 G が可換群の場合でも(*)ならば(ii)は成立します.

 G が可換群かつ無限群の場合,位数有限の元が無限個あるか,あるいは位数無限の元が少なくとも一つあるかです.前者のとき,適当な a,b \in G を持ってきてそれぞれで生成される有限巡回群を考えれば(i)より G が有限群となり矛盾します.後者のとき,位数無限の元を a として a^ 2 で生成される部分群と  a^ 4 で生成される部分群をそれぞれ考えれば(*)に矛盾します.

 なので可換群に(*)を課した時点で G は有限群ですが,シローの定理と(i)から G の位数は相異なる素数 p,q と非負整数 a,b を用いて p^ a q^ b と表されることが分かります.もし a,b \geq 1 なら位数 p の元と位数 q の元があり,それらで生成される二つの巡回群を考えると(i)より G はそれらの直積となります.このとき G が(ii)の主張を満たすのは明らかです.b=0 なら a=0,1,2 のいずれかで,このときも G が(ii)の主張を満たすのは明らかです.

 

平成27年度 京都大学大学院理学研究所 数学・数理解析専攻 大問2 X,Y,T を変数とし,A= \mathbb{Z} \left[ X,Y \right] / \left( Y^ 2 -6X^ 2 \right) , B= \mathbb{Z} \left[ X,T \right] / \left( T^ 2 -6 \right) とおく.また,A における X,Y の剰余類を x,yB における X,T の剰余類を x^ {\prime} ,t とする.Aイデアル P_ 1 , P_ 2Bイデアル Q_ 1
P_ 1 =xA +yA+5A , P_ 2 = \left( x-y \right) A +5A , Q_ 1 = x^ {\prime} B+ \left( t+1 \right) B
と定めるとき,以下の問に答えよ.

(i)単射な環準同型 \varphi : A \rightarrow B\varphi \left( x \right) = x^ {\prime} , \varphi \left( y \right) = x^ {\prime} t であるものが存在することを証明せよ.

(ii)P_ 1 , P_ 2A の素イデアルP_ 2 \subsetneq P_ 1 であることを証明せよ.

(iii)(i)により AB の部分環とみなすとき,Q_ 1B の素イデアルQ_ 1 \cap A = P_ 1 であることを証明せよ.

(iv)B の素イデアル Q_ 2Q_ 2 \subset Q_ 1 , Q_ 2 \cap A = P_ 2 となるものは存在しないことを証明せよ.

(i)はともかく,(ii)以降がかなり難しいです.具体的にどういったことをするかというと,たとえば(ii)では剰余環 A / P_ 1 を考えて,これを同型で別の環での話に移していき,最終的に整域と同型になることまで言いたいのですが,このときに行うのが,いわゆる代数的整数論の初歩でやるような整数環での素イデアル分解を考えるときの操作です.なのでそれに慣れていないとそもそも話にならないという感じですけれど,これって直接的な操作だけで,つまり同型で移し替えたりはせずに証明できるものなんでしょうか?(分からない)

 以下,解答.

 

(i)

 B\mathbb{Z} 代数だから \mathbb{Z} \left[ X,Y \right] から B への準同型 \phi\phi \left( X \right) = x^ {\prime} , \phi \left( Y \right) = x^ {\prime} t を満たすものがただ一つ存在する.f \in \mathbb{Z} \left[ X,Y \right]Y^ 2 -6X^ 2Y について割り算を行うことで \mathrm{Ker} \, \phi = \left( Y^ 2 -6X^ 2 \right) であることが容易に分かる.よって準同型定理により,自然な全射 \pi : \mathbb{Z} \left[ X,Y \right] \rightarrow A について \phi = \varphi \circ \pi となるような単射環準同型 \varphi : A \rightarrow B が存在し,この \varphi が条件を満たすことは明らかである.

\Box

(ii)

 剰余環 A/P_ 1 を考える.まず A/P_ 1 \cong \mathbb{Z} \left[ X,Y \right] / \left( Y^ 2 -6X^ 2 , X ,Y ,5 \right) である.Y^ 2-6X^ 2X,Y で生成できるので

A/ P_ 1 \cong \mathbb{Z} \left[ X,Y \right] / \left( X,Y,5 \right) \cong \left( \mathbb{Z} / \left( 5 \right) \right) \left[ X,Y \right] / \left( X,Y \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[ X,Y \right] / \left( X,Y \right)

 一般に R可換環として,R \left[ X \right] / \left( X \right) \cong R だから

A/ P_ 1 \cong \mathbb{F} _5 \left[ X,Y \right] / \left( X,Y \right) \cong \left( \mathbb{F} _5 \left[ X \right] / \left( X \right) \right) \left[ Y \right] / \left( Y \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[ Y \right] / \left( Y \right) \cong \mathbb{F} _5

となり,ゆえに P_ 1A の極大イデアルであって素イデアルでもある.

A/ P_ 2 について,まず

A/ P_ 2 \cong \mathbb{Z} \left[ X,Y \right] / \left( Y^ 2 -6X ^2 , X-Y ,5 \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[ X,Y \right] / \left( Y^ 2 -6X^ 2 ,X-Y \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[ X,Y \right] / \left( Y^ 2 -X^ 2 ,X-Y \right)

であって,Y^ 2-X^ 2X-Y で生成できることから

A/ P_ 2 \cong \mathbb{F} _5 \left[ X,Y \right] / \left( Y^ 2 -X^ 2 ,X-Y \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[ X,Y \right] / \left( X-Y \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[ X \right]

となり,整域上の多項式環は整域なので,ゆえに P_ 2A の素イデアルである.

 生成元より P_ 2 \subset P_ 1 は明らかで,P_ 2 = P_ 1 でないことは先の同型において \mathbb{F} _5\mathbb{F} _5 \left[ X \right] が環として同型でないことから分かる.

\Box

(iii)

 剰余環 B/Q_ 1 について,まず

B/ Q_ 1 \cong \mathbb{Z} \left[ X,T \right] / \left( T^ 2 -6 , X ,T+1 \right)

だが,T^ 2 -6 = \left( T+1 \right) ^2 - \left( 2T+7 \right) = \left( T+1 \right) ^2 -2 \left( T+1 \right) -5 であるから \left( T^ 2 -6 , X ,T+1 \right) = \left( 5, X ,T+1 \right) であることに注意すると,

B/ Q_ 1 \cong \mathbb{Z} \left[ X,T \right] / \left( 5 , X ,T+1 \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[ X,T \right] / \left( X , T+1 \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[ T \right] / \left( T+1 \right) \cong \mathbb{F} _5

となり、ゆえに Q_ 1B の極大イデアルであって素イデアルでもある.

 P_ 1 A の極大イデアルだったから等号を示すためには P_ 1 \subset Q_ 1 \cap A を示せばよく,これには P_ 1 B \subset Q_ 1 を示せば十分.ここで P_ 1 は(i)の \varphi による P_ 1B への拡大イデアルである.そのために P_ 1 B の具体的な表示を求める. 剰余環 B/ P_ 1 B について,まず

B/ P_ 1B \cong \mathbb{Z} \left[ X,T \right] / \left( T^ 2 -6 , X ,XT , 5 \right)

だが \left( T^ 2-6 , X ,XT ,5 \right) = \left( T^ 2-1 ,X ,5 \right) なので

B/ P_ 1B \cong \mathbb{Z} \left[ X,T \right] / \left( T^ 2 -1 , X , 5 \right) \cong \mathbb{Z} \left[ T \right] / \left( T^ 2 -1 ,5 \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[ T \right] / \left( T^ 2 -1 \right)

であって,\left( T+1 \right) \left( T-1 \right) = \left( T^ 2-1 \right) かつ \left( T+1 \right) + \left( T-1 \right) = \mathbb{F} _5 \left[ T \right] だから,中国剰余定理より

B/ P_ 1B \cong \mathbb{F} _5 \left[ T \right] / \left( T+1 \right) \times \mathbb{F} _5 \left[ T \right] / \left( T-1 \right) \cong \mathbb{F} _5 \times \mathbb{F} _5

と計算できる.\mathbb{F} _5 \times \mathbb{F} _5イデアル \mathfrak{q} _1 , \mathfrak{q} _2\mathfrak{q} _1 = \left( 0 \right) \times \mathbb{F} _5 , \mathfrak{q} _2 = \mathbb{F} _5 \times \left( 0 \right) でそれぞれ定義すると,これらは B の素イデアルであって \mathfrak{q} _1 \mathfrak{q} _2 = \left( 0 \right) .よって BP_ 1B を含む素イデアルであって \mathfrak{q} _1 , \mathfrak{q} _2 に対応するものをそれぞれ \mathfrak{p} _1 , \mathfrak{p} _2 とすると P_ 1B = \mathfrak{p}_ 1 \mathfrak{p} _2 となる.同様に \mathbb{Z} \left[ X,T \right] \left( T^ 2-6 \right) を含むイデアルであって \mathfrak{q} _1 , \mathfrak{q} _2 に対応するものをそれぞれ \mathcal{P} _1 , \mathcal{P} _2 とすると,自然な全射 \pi : \mathbb{Z} \left[ X,T \right] \rightarrow B によって \pi \left( \mathcal{P} _i \right) = \mathfrak{p} _i となる.よって \mathcal{P} _i について考える.

 準同型

\mathbb{Z} \left[ X,T \right] \rightarrow \mathbb{Z} \left[ X,T \right] / \left( T^ 2-1 ,X ,5 \right) \cong \mathbb{F} _5 \times \mathbb{F} _5

における \mathfrak{q} _1 の逆像を考えると,同型対応の最後の部分から,それは X0T-1 を代入した値を 5 で割った余りが 0 となるような \mathbb{Z} \left [ X,T \right] の元全体であるので,したがって \mathcal{P} _1 = \left( 5 ,X ,T+1 \right) である.同様に考えて \mathcal{P} _2 = \left( 5 ,X ,T-1 \right) だから,先に述べたことから \mathfrak{p} _1 = \left( 5 ,x^ {\prime} ,t+1 \right) , \mathfrak{p} _2 = \left( 5 , x^ {\prime} ,t-1 \right) を得る.ところで \left( t+1 \right) ^2 -2 \left( t+1 \right) = t^ 2 -1 \in \mathfrak{p} _1 であって B においては t^ 2 -6 = 0 なので,これより 5t+1 で生成できることが分かる.t-1 についても同様である.以上から結局 \mathfrak{p} _1 = \left( x^ {\prime} ,t+1 \right) , \mathfrak{p} _2 = \left( x^ {\prime} , t-1 \right) であって,すなわち P_ 1B = \left( x^ {\prime} ,t+1 \right) \left( x^ {\prime} , t-1 \right) を得る.ゆえに P _1B \subset \left( x^ {\prime} ,t+1 \right) =Q_ 1 であることが分かる.

 よって Q_ 1 \cap A = P _1 である.

\Box

(iv)

 そのような Q_ 2 があるとする.一般に縮小イデアルの拡大イデアルは元のイデアルに含まれるので P_2 B = \left( Q_ 2 \cap A \right) B \subset Q_ 2 である.

 剰余環 B/ P_ 2 B について,これまでと同じように計算すると

B/ P_ 2 \cong \mathbb{F} _5 \left[ X,T \right] / \left( T^2 -1 , X \left( T-1 \right) \right) \cong \mathbb{F} \left[ X,T \right] / \left( T-1 \right) \left( X ,T+1 \right)

であって,中国剰余定理から

B/ P_ 2 \cong \mathbb{F} \left[ X,T \right] / \left( T-1 \right) \left( X,T+1 \right) \cong \mathbb{F}_ 5 \left[ X,T \right] / \left( T-1 \right) \times \mathbb{F} _5 \left[ X,T \right] / \left( X,T+1 \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[X \right] \times \mathbb{F} _5

と計算できる.\mathbb{F}_ 5 \left[ X \right] \times \mathbb{F} _5イデアル \mathfrak{q} _1 , \mathfrak{q} _2\mathfrak{q} _1 = \left( 0 \right) \times \mathbb{F} _5 , \mathfrak{q} _2 = \mathbb{F} _5 \left[ X \right] \times \left( 0 \right) で定める.(iii)と同じように \mathcal{P} _1 などを定めると,準同型

\mathbb{Z} \left[ X,T \right] \rightarrow \mathbb{Z} \left[ X,T \right] / \left( T^ 2-1 ,X-XT ,5 \right) \cong \mathbb{F} _5 \left[ X \right] \times \mathbb{F} _5

における \mathfrak{q} _1 の逆像は T1 を代入すると 5 で割った余りが 0 になるような \mathbb{Z} \left[ X,T \right] の元全体であるので,したがって \mathcal{P} _1 = \left( 5, T-1 \right) である.同様に考えて \mathcal{P} _2 = \left( 5 ,X , T+1 \right) であるから P_ 2B = \left( t-1 \right) \left( x^ {\prime} ,t+1 \right) となる.以上より,仮定から次の包含関係が得られることになる.

\left( t-1 \right) \left( x^ {\prime} ,t+1 \right) \subset Q_ 2 \subset Q_ 1= \left( x^ {\prime}, t+1 \right)

 いま Q_ 2 は素イデアルだったから,\left( t-1 \right) \subset Q_ 2 または \left( x^ {\prime} ,t+1 \right) \subset Q_ 2 の少なくとも一方が成立する.まず後者は明らかに不適合である.なぜならばこのとき Q_ 1=Q_ 2 が成り立つが,これは

Q_ 1 \cap A = P_ 1 \neq P_ 2 = Q_ 2 \cap A

であることに反する.よって前者が成り立つことになるが,このとき

Q_ 1 = \left( x^ {\prime} ,t+1 ,t-1 \right) = \left( x^ {\prime} ,t+1 , t-1 ,5, 2 \right) =B

となって矛盾である.ゆえにこのような Q_ 2 は存在しない.

\Box

 

 最後に基礎科目からも一問だけ.

平成27年度 京都大学大学院理学研究所 数学・数理解析専攻 基礎科目5 二次元球面
S^ 2 = \left\{ \left( x,y,z \right) \in \mathbb{R} ^3 \, | \, x^ 2+y^ 2+z^ 2=1 \right\}
上の関数
f \left( x,y,z \right) = xy+yz+zx
の臨界点をすべて求め,それらが非退化かどうかも答えよ.

 本来の問題には臨界点と非退化の定義が書かれてあります(面倒なので端折りました).

 以下,解答.

 

 g : \mathbb{R} ^3 \rightarrow \mathbb{R} g \left( x,y,z \right) = x^ 2+y^ 2+z^ 2 -1 で定めると S^ 2 = g^ {-1} \left( 0 \right)p \in \mathbb{R} ^3 におけるヤコビ行列は \left( Jg \right) _p = \left( 2x \, 2y \, 2z \right) であるから g の臨界値は -1 \in \mathbb{R} のみ.よって 0g の正則値.

 f\overline{f} : \mathbb{R} ^3 \rightarrow \mathbb{R} へ自然に拡張することにより p \in S^ 2 について

\displaystyle \mathrm{rk} \left( Jf \right) _p = \mathrm{rk} \binom{Jg}{J \overline{f} } _p -1

が成り立つ.p \in S^ 2f の臨界点であることと \mathrm{rk} \left( Jf \right) \leq 0 が同値で,これは

\displaystyle \mathrm{rk} \binom{Jg}{Jf} _p =1

と同値である.これよりある 0 でない実数 k があって,

y+z=kx , z+x =ky , x+y=kz

となる.三式をすべて足し合わせることで \left( x+y+z \right) \left( k-2 \right) =0 となるので x+y+z=0 または k=2k=2 なら一番目の式と二番目の式より x=y が従い,同様にして x=y=z .逆に x=y=z かつ k=2 であれば先の三式は成立する.よって k=2 のとき p \in S^ 2 であったことを踏まえると \displaystyle x=y=z= \pm \frac{1}{\sqrt{3}} である.

 以上より f の臨界点は

\displaystyle \left\{ \left( x,y,z \right) \in S^ 2 \, | \, x+y+z=0 \right\} \cup \left( \frac{1}{\sqrt{3}} , \frac{1}{\sqrt{3}} , \frac{1}{\sqrt{3}} \right) \cup \left( - \frac{1}{\sqrt{3}} , - \frac{1}{\sqrt{3}} , - \frac{1}{\sqrt{3}} \right)

である. \left\{ \left( x,y,z \right) \in S^ 2 \, | \, x+y+z=0 \right\} =A としておく.

 p =\left( x,y,z \right) \in S^ 2 について x^ 2+y^ 2 +z^ 2= 1 だったから x,y,z の少なくとも一つは 0 でない.そこで z \neq 0 とすると,このとき \left( x,y \right)p 周りの S^ 2 の局所座標になる.zx,y の関数 z \left( x,y \right) とみれば,x^ 2+y^ 2+z^ 2=1 の両辺を x,y偏微分することで 2x+2z_ x z =0 から

\displaystyle z_ x = - \frac{x}{z}

を得る.x + z_ x z =0 の両辺を x,y でそれぞれ偏微分することで

\displaystyle z_ {xx} = - \frac{z_ x ^2 +1}{z} , z_ {xy} = - \frac{z_ x z_ y}{z}

を得る.対称性から

\displaystyle z_ y = - \frac{y}{z} , z_ {yy} = - \frac{z_ y ^2 +1}{z} , z_ {yx}=z _{xy}

を得る.

\displaystyle f_ x = y+y z_ x + z + z_ x x

なので

\displaystyle f_ {xx} = \left( x+y \right) z _{xx} +2z _x , f_{xy} = \left( x+y \right) z_ {xy} + z_ x + z_ y +1

である.対称性から

\displaystyle f_ {yy} = \left( x+y \right) z _{yy} +2z _y , f_{yx} = \left( x+y \right) z_ {xy} + z_ x + z_ y +1

 さて z \neq 0 であるような臨界点 p \in S^ 2 が非退化である条件は  f_ {xx} f_ {yy} -f _{xy} ^ 2 \neq 0 となることである.p \in A であれば,すなわち x+y=-z であれば

\displaystyle f_ {xx} = \left( z _x +1 \right) ^ 2 , f _{xy} = \left( z_ x+1 \right) \left( z_ y+1 \right)

となることが容易に分かるので,任意の p \in A は非退化でない.また,臨界点 p \in S^ 2p \notin A のときは具体的に数値を求めることで非退化であることが分かる.よって f の臨界点で非退化なものは

\displaystyle \left( \frac{1}{\sqrt{3}} , \frac{1}{\sqrt{3}} , \frac{1}{\sqrt{3}} \right) ,  \displaystyle \left( - \frac{1}{\sqrt{3}} , - \frac{1}{\sqrt{3}} , - \frac{1}{\sqrt{3}} \right)

の二つである.

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 こんな感じでした.