バイト中に暇な時間がちょくちょくあって,入試問題を色々探してみたり解いてみたりするのですが,今日みつけて考えていた問題がちょっと面白かったので何となく記事に起こします.問題は以下の通り.
引き分けになる確率 を求めよ.
であることを示せ.また, ならば であることを示せ.
は同じ目が連続で出ればよいので が答えで,本題は です.たとえば細長い直方体の角材をそのままサイコロにしたとして,それを投げて直立することなんてほとんどあり得ないことを思えば、計 つある面のうちの つしか実質的に出ないという風に思えて、すると二回連続で同じ目が出る確率はだいたい くらいになり,普通のサイコロで同様に考えた場合の よりも大きくできるよねっていう.ところで,こんな風に変なサイコロを色々と作ってみて,その確率を よりも小さくすることができるだろうか? という問題も考えられますが,それはできないと言っているのが です.
とはいえ大学入試の問題なのでそれほど難しくありません. の目が出る確率 がすべて であれば,つまり自分たちの普段馴染んでいるサイコロであれば になることは知っているわけなので,各 がそれからどのくらいズレているかを考えればよさそう……という方針で示せます.
というわけで証明. とおきます.確率の総和は になるはずなので ,つまり です.このとき
なので, に注意すれば
となり,これで証明終わりです.等号成立はすべての で が成り立つときなので,公正なサイコロのときにのみ となることもこれで分かりました.
とまあこんな感じの問題なんですが,この出題文をみていると気になってくることがありますよね.というわけで次のような問題を考えてみます.
公正なサイコロであれば,そのような確率はちょうど になります.不公平なサイコロならどうなるか,という話ですね.
先ほどと同様に とおきます.求める確率を とすると
なので, に注意すれば
になります.ところで明らかに だから であり,よって,最後の等式から です.すべての で のときに等号成立なので,やっぱり公正なサイコロのときに最小値をとるみたいです.
続けて「じゃあ 回投げたら? 回投げたら?」と考えていきたいところですが,まあぶっちゃけ面倒というか,どうせ公正なサイコロのときに最小値をとるのだろうという予感があるにはあるので,一気に示してみたいという気持ちになります.そこで次のような問題を考えます.
このとき, を示せ.
とすれば,これまでに考えていた必ずしも公正でないサイコロを 回投げたときに連続で同じ目が出る確率になります.以下,証明.
とおく.条件より ,.このとき,二つ目の条件から
と変形できることに注意.ここで とおく.ただし .すると
と表せる.
だが, で考えているので となるのは のみ. で , で なので
となり,
が分かる.等号成立はすべての で ,つまり となるとき.
真面目に示すならこんな感じかなと思いますが別証もあり,凸不等式を使います.
より は で凸関数なので,任意の (ただし )について
が成り立つ. ととれば,左辺は ,右辺は となるので,両辺に を掛ければよい.
こんな感じでした.マジでバイト中暇すぎてこんなどうでもいいことばっかり考えてます.