の中間体を求めます.
まず は円分拡大なので .また なので は位数 の元一つと,位数 の元一つで生成されることがわかる. は位数 の元とする. としておくと位数が であることから .これと から . の行き先が決まれば写像が定まり,それらは高々 通り. の位数は なのですべて存在する.よって を , を満たすものとしてとれる. はそれぞれ位数 の元と位数 の元. はいずれも と異なるので < > である.
を と対応させる. の部分群は
位数 :
位数 : < > , < > , < >
位数 : < > , < > , < >
位数 :
ですべて.これより の部分群は
位数 :
位数 : < > , < > , < >
位数 : < > , < > , < >
位数 :
ですべて.部分群 に対応する体を と表すことにする. には が, には がそれぞれ対応するので, , である.また包含関係は , は のみに含まれ, は , , のいずれにも含まれている.
・ について
なので は の中間体. の 上の拡大次数は なので, か の一方がこれに一致する.もし となるなら は の元で不変だが, より矛盾.よって である.
・ について
のときと同様の議論によって が分かる.
・ について
は の部分体であるから, の元であって によって不変なものを考えればよい. であって だから,これは で不変.ゆえに なので となる. , とすると だから は の根である.これより ,つまり がわかり, と はともに 上の拡大次数が だからこれは等号になる.よって である.
・ について
だから とあわせて .よって は拡大 の中間体. の 上の拡大次数は . の 上の拡大次数は高々 であるが, より となることはない.したがって の 上の拡大次数は である.拡大次数 の中間体で と をともに含むものは しかない.よって である.
・ について
だから .まず は明らか.さらに,もし なら,ある があって とかける.両辺二乗すると が分かるが,いずれにせよこれは矛盾する.ゆえに だから,残る がこれになる.よって である.
・ について
だから .よって は拡大 の中間体.これが に一致しないなら か のいずれかに一致する.しかし は で不変でないので にも にも含まれない.よって である.
以上より,拡大 の真の中間体は , , , , , の六つですべてである.
Galois 群の部分群が六つくらい出てくるようになると,各部分群の元で不変な元をいちいち計算していたら面倒です.今回は比較的低次の円分拡大なので中間体がどうなっているかの予想が割とつきやすく,たとえば の素因数であるところの や に注目すると に や を添加した体は間違いなくあるし,ガウス和のことを思えば,正負はさておきにせよ だったり だったり,あとはその積の だったりを に添加した体が出てきそうな気がします.あとは一般に 以上の整数 に対して (実円分体)なので, を添加した体も出てきそうなアレがあります.そこら辺の当たりをつけておいて,分かりやすいところ( や あたり)から順に包含を利用して決定していくというのが手っ取り早いという気が個人的にはします(実際どうなのかは知らない).