夜を


『何も知らないだけだった』と気づかされる瞬間が、それほど多くはないもの、けれど決して少ないとは言えない程度には転がっているなって、そう思うことがあります。……ついさっきまで知人の家にいて、これを書き始めたのが 23:30 で日付変更までに更新しなきゃなのでどこまで書けるかは分かりませんが、まあできるところまでやってみます。『何も知らないだけだった』。たとえば『夜』がそうで。僕、むかし夜の暗闇がめちゃくちゃに苦手だったんですよね。いまも別に得意というわけではなく、極端に街灯の少ない裏路地なんかは避ける傾向にありますけれど、その傾向もまあ一般的な範囲に収まっているように思える程度のものです。小学生の頃は塾へ通っていて、塾ってほどのものでもない規模のアレですけれど、ともかく塾へ通っており、その帰り道がめちゃくちゃに嫌だったんですよね。21 時くらいだったかな、いつもそのくらいに塾を出ていたのですが、ここで一つ情報を出しておくと塾と家はほとんど離れておらずですね。いやもう本当に。こどもの足って結構狭いっていうか、いまだと散歩気分で歩けるような距離だって、小さい頃は遠足感覚の大冒険みたいな感じだったっていうか。そんなことありませんか? 隣の校区の小学校とか。でも、そのくらい幼かったころですら「近い」と認識するほどの距離で。だからもう、本当に近かったんですよ。でも怖くて。急ぎ足を通り越して走って帰る日もあったように思います。そのくらい。まあ歳を重ねるにつれてそういった恐怖感は次第に薄れていって。中学の頃には塾終わっての帰宅が 23:00 くらいになっていたということもあり、慣れちゃったというか。いや、本当のことを言うと薄れたわけでも慣れたわけでもなくて、単に鈍くなっていっただけというか。考えないようになってしまっただけで、怖いものは怖いままで、別にそれを克服しただとかそういった話ではなく。遠回りしてでもなるべく明るい道を選んで帰っていましたし、無意識に閉じ込めることが上手くなったというだけで、まあ、はい、そんな感じでした。そんな自分も、いまでは深夜の鴨川散歩部だとか何だとか言って、街灯のがの字もないような場所で時間をつぶしたりすることが普通になっていて。これは、そうですね。さっきのとは違い、『夜』が好きになったって、そういうことになるのですけれど。その原因が、その、『何も知らないだけだった』んだなという感じで。転機になったのは学部三回生くらいの頃で、人付き合いの関係上、当時は深夜の帰り道を一人で歩くことが多かったんですけど。なんだったかな。何がきっかけだったか思い出せないんですけど、なんかめちゃくちゃ空を凝視した日があって。マジで理由を覚えてないんですが。そのときにみえたんですよね、星空が。星。なんかそれまで星って俗世を離れた土地へ行かないと綺麗に見えないものだとばかり思いこんでいて、だから知らなかったんですけど、自分が普段暮らしている町からでも綺麗な星空がみえるんだということを。思い返せば彼から「星って案外そこら辺からでも綺麗にみえるよ」と、そんなことを教えてもらったことがあったような気がしますけれど、それはさておき。なんだろうな、それ以来、夜を歩く機会が若干増えて。「自分が今まで知らなかっただけで、『夜』にはもっと面白い要素があるのでは?」みたいに、探し物ついでに歩く感覚というか。そうして夜が好きになっていったっていう、そういう話です。んー、この話、もしかして以前ブログで一度書きましたっけ? もしかしたら書いたことがあるかもしれませんけれど、まあ、それでもいいでしょう、一回くらい。冒頭に書いた通り、あんまり時間がなかったのでかなり端折りつつ急ぎつつの文章になっちゃいましたけれど、まあ、皆さんもよければ夜の散歩を楽しんでください。もちろん最低限の身の安全は考慮しつつ。保証することはできませんけれど、きっと知らなかった何かに出会うことができるんじゃないかなって、僕はそう思いますよ。

 

 っていう話を書いたんですよね、むかし、二次創作ですけれど。紹介だけしておきます(これについてはブログで書いたことなかったような気がしたので)。

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