Recommend_3

 

 突然ですが、以下の URL にある共用プレイリストに曲を追加することで、僕に楽曲のダイマをすることができます。入れてくれたものは全部聴くので「これ良い曲なんだよな~」ってやつがあれば随時追加していってください(順でも斜でも構いません)(僕の好みとかは考慮しなくてよいです)(考慮してくれても当然よいです)(最初の五曲は自分で入れたものなので、好みを推測する際はその辺りを参考にしてください)。

 オタクサークル、作曲サークルに加えて、両者のいずれにも属さない Twitter 上の知り合いまで参戦してきて「待ってた~~~~」って感じです、いま。

 

 前回:Recommend_2 - 感情墓地

 

 

〇彗星のパラソル / Endorfin.

  僕がはじめにプレイリストへ入れた五曲のうちの一つ、『彗星のパラソル / Endorfin.』です。作曲が sky_delta(敬称略)、ボーカルが藍月なくる(敬称略)の二人ユニット。実は自分がずっと追いかけている数少ない同人アーティストグループの一つでもあります。というか数少ないも何も、今も昔も追いかけている同人作家って彼らのほかだと Neru や cosMo@暴走P くらいのものだと思いますが……(あとはじん(自然の敵P)とか kemu とか)。たしか高三の夏ですけど、『Luminous Rage / Endorfin.』を初めて聴いたときの衝撃をいまもまだ覚えてるんですよね。

 Endorfin.、めちゃくちゃ表現の幅が広くて(凄い)、カッコいい系以外にもカワイイ系の曲、バラード調、はてはポエトリーリーディングみたいなのまであるんですが、『彗星のパラソル / Endorfin.』は若干カッコいい系へステを振った綺麗系という感じの曲調ですね。この楽曲の収録されている『Horizon Claire』は 1st アルバムへの原点回帰的な側面もあるという話を作曲者・ボーカリストの二人がしていたようなしていなかったような気がして、その点で言えば『彗星のパラソル / Endorfin.』は『Spica / Endorfin.』の系譜なのかなあという気がします。どちらかを気に入ってくれたかたはもう一方もきっと好きになるはずなので是非。

 Endorfin.、曲が頗る良いんですが、歌詞もとても好きです。「歌詞が良くない(=好みでない)と聴けない」みたいな中二病期はとうの昔に過ぎ去ったものの、やっぱり歌詞が良い(=好みの)曲はついつい何度も聴いてしまうといいますか、たった一つのフレーズを聴くためだけに再生ボタンに指が触れたり、なんてことが結構数あります。前回紹介した『Aurora / BUMP OF CHICKEN』がそうですし、今回の『彗星のパラソル / Endorfin.』がそうですし、次回紹介するであろう『14歳のサマーソーダ / サンボンリボン』もそうですね。

 

 

〇bath room_ / Maison book girl

 めっちゃ良い!!!!!!!!!!!

 Maison book girl、だいたい六年前に結成された女性アイドルユニット。作曲はサウンドプロデューサーでもあるサクライケンタ(敬称略)。現代音楽にルーツのある人らしいという紹介が Wikipedia ではなされていましたが、曲を聴いてみると、たしかにその片鱗があるような気がします。

 七拍子! 四拍目の頭にあまり音が置かれないので 3+1+3 拍子って感じに聴こえますね。開幕からずっとリズムがめちゃくちゃにノリやすくて、変拍子特有の躓きをまるで感じさせないのが凄い。サビ、ボーカルとエレキと木琴(?)とベース(多分)が小節頭に同じ上昇形で動くのがマジでツボ。あと、前半と後半とでエレキの聴かせ方が変わってますよね。たとえばサビ、一度目は左右同じタイミングで鳴らしつつ、最後の一振りだけパンが中央に寄る(空間も消える)んですが、それが二度目と三度目は左右でタイミングが八分ズレる(右が八分音符ひとつ分遅れる)。A メロも何度か繰り返されますが、そこでも同じようなことをやっていますね。また B メロだと一度目は左右両方でエレキが鳴っていて、一方の二度目では左でしか鳴っていません。そういう聴き手を飽きさせない遊びが随所に感じられて、「そういうのもあるのか~」という気持ちになりました。

 めちゃくちゃ良い曲! 同アーティスト Maison book girl の曲だと、これのほかには『闇色の朝 / Maison book girl』を以前勧められて聴いたことがあります(言うまでもないけれど、勧めてきたのはこの曲を Recommend に入れたのと同一人物)。

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 これもめちゃくちゃに良かったので是非。曲単体でも十分に評価できるんですが、MV 込みで鑑賞するとより一層良いです(この作品については総合芸術という感じがする)(個人の感想)。

 それと変拍子っていうか、これはもしかしたらポリリズムなのかもしれませんけど、その区別もつかないくらい何をやっているのか分からないのにめちゃくちゃ良い曲の例として『ribbon / sora tob sakana』があります。「 spotify ねえよ!」って人は Youtube へ飛んでください。

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 それとついでに、僕の好きな変拍子曲についても載せておくと、たとえば『三ツ星カルテット / BUMP OF CHICKEN』があります。

 BUMP、実は変拍子をたまにやるんですよね(最近はそうでもないんですが)。この曲は間奏①(イントロ)→ A メロ→間奏①→ A メロ→サビ→間奏②→ A メロ→間奏①→ A メロ→サビ→間奏②(アウトロ)という構成で、そのうち『間奏①』だけが 6/4 拍子で、それ以外の『 A メロ』、『サビ』、『間奏②』は 5/4 拍子、それでいて『間奏②』は 5/4 拍子の中にしれっと 6/4 拍子が紛れていたりと、作曲センスの溢れる一曲だなと個人的には思っています。なのでオススメ! 演奏時間も 2:30 と短めでサッと聴けます。

 あとは『量子の海のリントヴルム / 黒猫ダンジョン』も絶対に推しておきたい。音楽ゲームjubeat』初出の楽曲です。

youtu.be

 上の『三ツ星カルテット / BUMP OF CHICKEN』と比べると、さらに高度な作曲例ですね。上の動画をみればどんな拍子推移をしているかは分かるので説明は割愛させていただきますが……。音ゲー曲って基本的に原曲を聴く方法が購入かプレイ動画かしかなくて、他人に勧めづらいのがちょっと難点ですよね(まさか無断転載動画を勧めるわけにもいきませんし)。

 自分も全然知らないんですが、音ゲー曲、ゲームの性質上、簡単な変拍子から難しい変拍子まで色々とあってオススメです。個人的には『STAGE 0.ac11 / 増渕裕二』や『Innocent Tempest / Diceros Bicornis』も好きですね。

 

 

〇COMETIC SILHOUETTE / メルティックスター

 めっちゃくちゃに良い!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 アニメ『キラッとプリ☆チャン』の楽曲、ということで『My Secret heArtbeats / さら(cv.若井友希)』を入れたのと同一人物ですね(誰にでもできる推理)。作曲は矢鴇つかさ(敬称略)。アイマスでもよく目にする名前で『PRETTY DREAMER』の作曲者であり、音楽ゲーム『Cytus』なんかにも楽曲提供をされているみたいです(『Total Sphere / TSUKASA』の作曲者と同一人物であることを、僕はいまこの瞬間に初めて知りました)。

 A メロの『Longing For, … Chu Chu La』( 6→5→5# の半音移動を繰り返す)のとこも好きなんですが、それより B メロ! 曲名通りにマジの宇宙ですよ、これ。誇張とかじゃなくて、無重力空間みたいな浮遊感があるっていう話。

 B メロは(多分)IIIm7 始まりのメロディが 2(『今ラッと 空に踊る』)。頭から和音に対する第七音をぶつけて、そもそも浮遊感ありがちな 2 が際立っててめちゃくちゃ良い! その後は IV(M7?) を挟んで IIm が来るんですが、メロディは 5(『今キラッと 空(そ)に踊る』)。和音に対する第四音ですね。IIm の上の 5 って IVadd9 の上の 5 の強化版みたいなイメージを持ってるんですが、主音からの跳躍ということもあって割とイメージ通りに空を裂いて消えていく流れ星みたいな、どこか切ない尖った響きですね。良い!!!!! 『(星みたいに)』ではメロディが 4→3→4→3→4→3 の半音移動をします。これが好きだって話も前回しましたね。最後、『(星みたい)』のタイミングで(多分)IIIm/V に着地しています。安直に I へ行かないのが本当に良い! B メロでは I の和音が(多分)一度も出てきません。それと、所謂ビルドっぽい役割を担っている『(Up And Shooting Song,…)』の部分は IVM7 に対して 3 の音をぶつけていて(ベースとの半音衝突)、加えて臨時で入ってくる 2# を使ってメロが半音移動をするので、「いまからサビに行きますよ~」感が凄くてそれもまためちゃくちゃに良い! サビ直前、ボーカルが切れたところで入ってくるシンセが 2→2→1→3→2→1 で動くんですが、他に比べて 3 がロング(四分音符)になってるのも超良い。コードが V なので 6th shell っぽい感じの響きをしつつ、このシンセは 2 へ順次下降で解決するんですが、直後にボーカルが 3→4→5(『COMETIC SILHOUETTE』)と駆け上がる形で割り込んできて、一瞬の緊張と直後の解決感の全部を裏切ってサビへなだれ込むんですね。ここがマジで良すぎる。しかも、サビの頭のコードは IV(add9) なんですよ~~~~。IV の上の 5 から始まるサビ。これまで圧し掛かっていた重力を一気に振り切って大気圏外へ飛び出す感じ? 良い~~~~。

 B メロに文字数を割きすぎてサビや後半の間奏パートに触れるだけの余力がない。いやでもこの B メロはマジで良い! マジで良いです。是非聴いてください。

 

 

 今日はここまで。一曲あたりに文字数書きすぎちゃいました。良い曲ばかりで本当に頭があがらない。

 

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