呪い


 タイトルを決めてから書き始めることってほとんどなくて、だいたいの場合では書いている最中に思いついたフレーズを流用したり、あるいは書き切ってから「何にしようかな~」と考えたりという感じなのですが、とはいえ、「こういうことを書こう」と予め決まってしまっている場合にはそれにあてがわれるタイトルらしき何かも自ずと浮かびあがってくるわけで、つまりどういうことかというと、この記事にはそこそこ物騒なタイトルがつけられることになるんじゃないかなという予感がしており、しかしまあ、そんな物騒なことを書くつもりは全くないので安心してくださいという、そういう話です。というか、今回の記事名が何を意味しているのかということは、しばらく読み進めていけば分かることかと思うので。みたいな前置きをするだけしておいて、最終的に全然違う話になっていたとしたら、それはかなり面白いですね。一時間で書き切れる分だけ書くということなので、タイピングするまでの思考時間はほとんどゼロっていうか。なんだろ、日常生活で誰かと会話するときと同じくらいのテンションで文字を書いていて、それは要するにいわゆる推敲のようなステップがなければ、いわゆる筋書のようなものもないというという意味ですけれど。まあ、それくらいの勢いじゃないと一時間じゃ足りないっていうか、そもそも「なんだろ」だとか「まあ」だとか、主に口語で使われるような接続詞ですらない何かが頻繁に挟まれていることからも分かるように、実際に喋っているくらいの気持ちで書いてるんですよね、この文章を。なのでまあ、最終的に全く違うオチを迎えているという可能性は無視できない程度に存在していて、そうなってしまったときは、まあ、そうなってしまったときですね。いやだって、この時点でもう既に関係ないことばっか書いちゃってますし。そのくらい、何も考えず思いついたことだけを順番に書き下している、ということでもあります。それはさておき。最近考えていたこととして、「創作を続けるのって、かなりハイリスクだよなあ」ということがあります。これは自分が唯一動画を観ている Vtuber の人も言っていたことで(補足しておくと、Kizuna AI もかなり好きなんですが、肝心の動画を観たことがありません)、その人の本業はイラストレーターなのですが、曰く「こんな道を志すのは、一部の呪われた人間だけ」。『こんな道』というのはイラストレーターのことですが、それ以外の芸術分野にも言えることだろうと思います。なんだろうな。いや、これはもう実際にその通りだと思うんですが、要はリスクとリターンがおよそ見合っていないという話。ここで自分の話へ持っていきますけれど、たとえば自分は高校と大学とずっと作曲を続けていて、そこで仮に「音楽でやっていきたいな!」と思ったとするじゃないですか、仮にですよ、あくまで仮に。思ったとして、でも実際問題、音楽で成功するのってめちゃくちゃ難しいわけで。ネットでバズったことがあるわけでもなし、バズったからといって成功できるわけでもなし。何を以て成功とするかはさておき、誰がどう考えても普通に就職する道を選んだほうが安定は見込めるじゃないですか。曲がりなりにも自分は京都大の人間だし、だからって就活を舐め腐っているわけでは全くありませんけれど、でもまあミュージシャンのような何かを目指すよりは絶対にそっちのほうが有利なはずで。「だったら」ということで結局は普通に就職することになる……、みたいなね。いや、普通に就職することが悪いって話では全くなくて、そうではなく、だから要するに将来的なことを考えた場合、芸術分野ってどうしても『不利な選択肢』として映ってしまいがちだよなあっていう。『明らかに有利な選択肢』と『明らかに不利な選択肢』とが眼前にあって、そこで後者を選んでしまうのは、だから『一部の呪われた人間だけ』だっていう、そういう話です。……なんだろう、こういうことを考え始めたきっかけとして、自分がいま結構揺らいでるんですよね。その、なんだ、選択肢のような何かの中間で。いや、『揺らいでいる』は完全な嘘で、割と肯定的に『明らかに不利な選択肢』を選んでしまってもいいのでは、と思ってしまっていて。というのも、これはもう自覚していることなのですが、自分は完全に呪われている側の人間のような気がしていて。呪われてるっていうか、なんだろ、別に呪われてるわけじゃないとは思いますけど。でも、なんていうか、「どうせ無理だから」と言って選ぶ前に諦めてしまったら、後の人生でずっと後悔し続けそうだなーって思いがかなり強くあって。成功失敗はさておき、やらずに終わってしまうのが本当に嫌で。やってみて無理なら無理で諦めたらいいし、だったらやってみてもいいんじゃないの、っていう。いや、じゃあやればいいじゃん、って話になるんですがここに一つ問題点があって。自分は別に作曲家になりたいわけではないんですよね。というか楽器が弾けるわけではないし、クオリティの高い音楽が作れるわけでもないし、挑戦するも何もって感じ。じゃあお前は何がやりたいんだよというと、だから結局ユニット活動がやりたくて。ちょっと前にどこかで言ったような気がしますけれど。ユニット。『バンドがやりたい』とはちょっと違っていて、というのも僕は楽器が弾けないので。でも、漠然と『誰かと一緒に音楽を続けてみたい』という気持ちだけはあるんですよね。というか、仮に音楽を続けるのであれば一人じゃ絶対に無理だという、これはもうほとんど確信に近いような何かがあって。『継続できない』という意味ではなく『自分の本当にやりたいことができない』という意味で。なのでまあ、自分と同じように呪われた自殺志願者がどこかにいないかなって探してはいるのですけれど、いや、それもまた難しい話ですよね。さっきも言いましたけど、誰がどう考えても普通に就職したほうが絶対に良いし。自分がそうだからといって、相手にも同じように『明らかに不利な選択肢』を選ばせるようなことは絶対にできないし。そもそもの話、相手にそうさせるだけのメリットを自分が持ち合わせているかという話でもあり、そんなものは到底ないし。なので「むずくね?」になっています、最近。いやでも実際、『自己の性質を最大限に活かすことのできる結果を目指す』というのが就職活動の本質であるとするならば、自分の場合はもう本当にそれしか考えられなくて。いや、考えられないは嘘で、他の選択肢もいくつか考えてはいるんですが。でも先にも言ったように、一番を追いかけることもせずに諦めたくはないって気持ちがめちゃくちゃあって。だから、自分と一緒に茨の道へ突っ込んでくれる人がいないかなーと思ったり思わなかったりしています。三分の一くらいは冗談で、残りの三分の二くらいは本気で。なんていうか、中途半端に学歴を持っているせいで破滅しきれないという側面もあるような気がして。「卒業と同時に学歴とか全部捨てて一緒に音楽やってくれる人いないかな」みたいなツイートをこの前したんですが、あれはつまりそのような意味で。なんか、それくらい(つまり自分と同じくらい)終わりきっている人間がどこかにいないかなって、最近はそんなことを考えながら毎日過ごしています。誰か、マジで僕と一緒に音楽やりませんか? 将来のことは何一つとして保証できませんけれど。