Kronecker の定理

 

 三回生の間に知った事実のうち面白かったもので,かつ証明が比較的容易なものをひとつ紹介したいと思います.

 以下の定理を示します.

 

Kronecker’s Theorem  f \left( X \right) = X^ n + a_ 1 X^ {n-1} + \cdots + a_ n \in \mathbb{Z} \left[ X \right] のすべての根の(通常の)絶対値が 1 であるならば,それは 1 のべき根に限る.

 

 根の絶対値が 1 ということはつまりガウス平面の単位円周上にあるということなので,パッと見は当たり前ではという感じがしますが,しかし少し考えてみるとそれほど当たり前ではないことが分かります.たとえば \displaystyle \frac{3}{5} + \frac{4}{5} i の絶対値は 1 ですが,これは 1 のべき根ではありません.証明は,多分漸化式みたいなのをこねくり回しても証明できると思うんですが,体論を知っているのであれば次のように示すことができます.

 三辺の長さが全て有理数である直角三角形において直角でない角度の一つを \theta [rad] とおく.このとき \displaystyle \frac{\theta}{\pi} \notin \mathbb{Q}

(証明)

 \displaystyle \frac{\theta}{\pi}有理数であると仮定する.すなわち p,q を互いに素な正整数として \displaystyle \theta=\frac{q}{p} \pi と表せるとする.このとき 2qp よりも小さい正整数である.p,q は互いに素なので qa \equiv 1 \mathrm{mod} \, p となるような a \in \mathbb{Z} がとれる.すると \displaystyle e^ {\frac{\pi i}{p}} = \left( \mathrm{cos} \, \theta + i \, \mathrm{sin} \, \theta \right) ^ a1 の原始 2p 乗根.これを \zeta とおく.

 いま \mathrm{cos} \, \theta , \mathrm{sin} \, \theta はともに有理数であり \zeta \notin \mathbb{Q} であることに注意すると \mathbb{Q} \left( \zeta \right) = \mathbb{Q} \left( \sqrt{-1} \right) である.よって \mathbb{Q} \left( \zeta \right)\mathbb{Q} 上二次拡大で,そのような pp=2 に限る.よって矛盾.

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 \displaystyle \frac{3}{5} + \frac{4}{5} i は日本一有名な直角三角形から得られる複素数ですが,これが 1 のべき根であるなら整数乗すれば 1 にできるということ,しかしそれは上の事実より矛盾です.なので 1 のべき根ではありません.

 \displaystyle \frac{3}{5} + \frac{4}{5} i\mathbb{Q} 上の共役元との和と積を考えることで,根の絶対値がすべて 1 であるような多項式として,たとえば \displaystyle X^ 2 - \frac{6}{5} X + 1 を作ることができます.しかしこれは整数係数でないので命題の反例にはなりません.分母を払って 5 X^ 2 -6X +5 としてみても,今度はモニック(最高次の係数が 1 )でなくなるので,これも反例にはなりえません.Kronecker の定理は,『整数係数』で『モニック』な多項式の『すべて』の根の『絶対値が 1 』である,というところまで条件を課したなら根はすべて 1 のべき根であると結論付けられるということを主張しています.そう考えると結構不思議な感じがしてきませんか?

 では証明しましょう.細部では体論の基本的な事項を用いますが,クリティカルな部分は割と初等的な操作ばかりです.

 

 

 f \left( X \right)\mathbb{Z} 上既約のときに示せば十分.このとき f\mathbb{Q} 上既約なモニック多項式だから,ある \alpha \in \mathbb{C}\mathbb{Q} 上の最小多項式となっている.\mathbb{Q}標数 0 ,特に完全体なので f\mathbb{C} に重根を持たない.よって f の根を \alpha _ 1 , \cdots , \, \alpha _ n とすると,これらはいずれも相異なる.

 \beta _ k = \alpha _ 1 ^ k + \cdots + \alpha _ n ^ k として Newton’s identities を用いると,f は整数係数モニック多項式だったから \beta _ k \in \mathbb{Z} が任意の k \geq 0 で成り立つことが分かる.また  | \, \alpha _ k \, | = 1 だから | \, \beta \, | \leq n .ゆえに \beta _ k としてあり得る値は高々有限個である.ここで \omega _ k = \left( \beta _ k , \beta _ {k+1} , \cdots , \, \beta _ {n+k-1} \right) \in \mathbb{Z} ^ n とおく.すると先に述べたことから \omega _ m = \omega _ {m+h} となるような m \geq 0 ,  h \geq 1 をとることができる.このとき \beta _ {m+j} = \beta _ {m+h+j}j=0, \, 1, \cdots , \, n-1 で成り立つ.

 \beta _ {m+j} = \beta _ {m+h+j} より \alpha _ 1 ^ {m+j} + \cdots + \alpha _ n ^ {m+j} = \alpha _ 1 ^ {m+h+j} + \cdots + \alpha _ n ^ {m+h+j} .移項して x_ i= \left( \alpha _ i ^ h -1 \right) \alpha _ i ^ m とおくと x_ 1 \alpha _ 1 ^ j + \cdots + x_ n \alpha _ n ^ j = 0 となる.x_ ij に無関係であることに注意して,これらを j=0 から n-1 まで計 n 個の,x_ 1 , \cdots , \, x_ n を未知数とする連立方程式とみる.\left( i,j \right) 成分が \alpha _ j ^ {i-1} であるような n 次正方行列を V とすると,先の方程式の解は V \left( x_ 1 , \cdots , \, x_ n \right) ^ T = \left( 0 , \cdots , \, 0 \right) ^ T を解くことで得られる.いま V は Vandermonde 行列で,さらに \alpha _ i はすべて相異なるとしていたから  \mathrm{det} V \neq 0 .すなわち V逆行列をもつので,それを左から乗ずることで結局,任意の i について x_ i = 0 であることがわかる.\alpha ^ i \neq 0 なので \alpha _ i ^ h -1 =0 .よって f の根はすべて 1 のべき根である.

\Box

 

 多項式 f \left( X_1 , \cdots , \, X_ n \right) \in \mathbb{C} \left[ X_ 1 , \cdots , \, X_ n \right] に対して定義される概念として Mahler 測度というものがあります(あるらしいです).0 でない代数的数 \alpha \in \mathbb{C} に対して Mahler 測度が 1 であることと \alpha1 のべき根であることが同値,というのが本来の Kchronecker’s Theorem です.Wikipedia なんかを参照してもらえれば,定理で仮定されている状況から Mahler 測度が 1 になることは直ちに分かります.

 この問題を口頭で発表する機会があり,そのときに「問題文の条件から根の高さが抑えられるから,そういう場合にはこういったことを示すことができる」というような補足説明(細部は違うかも)を受けました.代数的数 \alpha とその次数 d ,Mahler 測度 M ,絶対的高さ H について等式 M = H^ d が成り立つので,あの説明はそういうことだったのかもという気持ちです、いまは(でも詳しいことは何一つも分かっていない).

 

 

 

片道10分

 

 さっき、一時間ほど前、この記事が公開される頃には二時間以上前のことになっているかと思うけれど、南の空に明るい星が二つ並んでて。それを見上げて、あの二人はどのくらい離れてるんだろう、みたいなことを考えて。ここからみたら十数センチくらいの距離でも、実際には光が一年に進む距離、光年を単位にしないと語れないほどの闇がそこには在って。自分がそのことを知ったのは多分めちゃくちゃ昔、早くて保育所通いだった頃か、遅くても小学三年生くらい。小学生の頃、その他大勢と同じようにして自分も天体にそこそこの関心を持ち、図書室で借りた図鑑を読んだりして。小学校の図書室に足を運んだのなんて、片手で数えられるくらいしかなかったような気がするけれど、それはさておき、小学生当時、その事実に驚いたという記憶はないから、随分と前から、それなりに自立した思考が生まれるよりも以前からそのことは知っていたのだと思う。多分、銀河鉄道999で知った。記憶の限り、自分の触れたアニメーション作品で最初のもの。それだけ。

 

 家の近くにファミリーマートがあって、当たり前のことだけれど、自分はそこをよく利用する。今日も行った。自分は大学生の身分であり、そしていまはちょうど試験期間であり、今日の朝、試験中に喉が渇くだろうなと思いつつそこに立ち寄った。入って一番奥にある陳列棚からペットボトルのお茶を手に取って、そのままレジへ向かう。すると、身近にあるコンビニエンスストアを想像してもらえれば分かると思うけれど、レジの手前にあるおでんコーナーに赤い服を着たお婆さんがいて、「あ、これを買う人って本当にいるんだ」と思った。多くの人が利用する施設において供給があるということは需要があるということで、つまりそれを消費する人がいるのは当たり前なのだけれど、自分が覚えている限りで、そうして実際に購入していく人を目にするのは初めてのことだった。というのも、近くのファミリーマートに限らず、自分がコンビニエンスストアを利用するのは大体夜中零時の少し手前くらい。大学生協へ行くし。稀に午前中使うことはあるけれど、午前中というか、朝七時半とかで、そんな時間からおでんを食べようという人がそれほど多くはいないということなのかもしれない。自分はそもそもおでんを好んで食べたいとは思わない(熱い。猫舌)から、分からないけれど。しかしまあ、誰も買わないのかとばかり思っていたコンビニのおでんを、こうしてちゃんと求めている人がいるんだなって。それはなんとなく嬉しかった。深夜にコンビニへ行くとおでんコーナーは閉まっていて、だけどあの機械は出されたままだから売れ残っている具材がいやでも目につく。余談。買ったお茶は結局ほとんど飲まず、というか買ったことを試験開始から一時間が経過したくらいまで忘れていて、いまも半分くらい残っている。

 

 西に向かって下りながら、なんだか月が異様に大きいなと思った。目の前に映っていたから。家を出た直前にも少しだけ考えたけれど、目の錯覚かなにかかなあと軽く片づけて、でも遮るものが何もなくなるとやっぱり大きかった。上半分の欠けた大きな三日月は、どことなく怖かった。大きさもそうだけれど、なにより色が違っていて。いつもの綺麗な薄黄色じゃなく、なんていうか、濁った橙色をしていた。かき混ぜた直後のカシスオレンジみたいな。奇妙というか、作り物っぽいというか。

 

 ファミリーマートを通り過ぎた辺りで、前方に人影がいることに気がついて。気がついて、というか、その影を意識して。見たことある背中だとか考えるよりも前に思い至って、それは先述の、コンビニでおでんを買っていたお婆さんだった。間違いない。炬燵の似合いそうな赤服に、白いふわふわのついたニット帽。服装も勿論だけれど、後ろ姿が完全に記憶の中のそれだった。そのお婆さん自体は今日以外にも何度か、といっても片手で数えられるくらいだけれどファミリーマートの中で目にしていた。もしかすると片手じゃ足りないくらいすれ違っているのかもしれないな、と思う。実際、自分がこっちに越してきてもうじき二年になるし、その頃から既にファミリーマートはあったし、お婆さんがまさか最近になって京都の、しかもこんな辺境の地に越してきたということもないだろうから、そうなるとお互いの行動圏内にあるコンビニエンスストアですれ違った回数なんて、片手で収まるわけもない。でも、覚えていないから、自分にとってそのお婆さんをみるのは今日で三度目。初めて意識したのは、これがとても最近のことで、たしか今週のことで、というか火曜日二限の試験に向かう途中だったような気がする、たしか。あの日も自分は五百ミリのペットボトルを買って、レジに並んで、そのときレジには店員さんが一人しかいなくて、前の人の会計が済むのを自分は列で待っていた。それが終わるよりも先に、店のどこかからやってきた店員さんがレジに入って、でも自分は動こうとしなかったのだけれど、というのも、これも近くのコンビニを想像してもらえれば分かると思うけれど、レジのところにある揚げ物や肉まんなんかを売っているところにお婆さんが立っていて、その人は自分がレジに並ぶよりも先にそこにいたから、その人が先に会計を済ませるべきだろうと思って。五十代くらいの店員さんがお婆さんに「列、並んでました?」と尋ねて、お婆さんが言われて気がついたという風に自分のほうを窺って、「構いませんよ」みたいなことを返して、結局、自分は最初に待っていたほうのレジで会計を済ませた。途中、そのお婆さんに声を掛けられて「ごめんなさいね」。自分は本当に何も気になんてしていないのに、だから、なんだか悪いことをしたかもな、と思った。もし自分が順番を譲っていなかったのなら、この善良そうなお婆さんが見ず知らずの自分にわざわざ謝る必要もなかったのになって。つい最近にそんなことがあって、そのお婆さんのことがなんとなく自分の頭の隅に引っかかっていて、それで今日の朝にも見かけていたから、コンビニの外、街灯の少ない夜道であってもそのお婆さんに気がつくことができた。お婆さんは両手に大きな袋を二つ下げていて、またコンビニで大量に物を買ったんだろうなって。もしかしたらおでんもあるのかなあとか思った。というか、今にして思えば、最初、順番を譲ったあの日も、あのお婆さんは多分おでんの具を器に移している最中だったんだろうな。そう考えてみると、なるほどたしかに、あのときお婆さんが立っていたのは揚げ物コーナーの前でもあるけれど、同じくしておでんコーナーの前でもあった。好きなのかな。週に何度も食べるくらいのもの? 分かんない。自分は好きじゃないし。その後ろ姿に追いつくまで、ちょっとだけ考えた。もしかしていまは一人で住んでるのかな、とか。午後の十時半にコンビニへ来るって、その歳だとあまりなさそうなものだし。というかそれくらいの年齢だからこそ、一人だという想像は仮に当たっていたとしても何らおかしいことじゃない。そう思うと、なんだか嫌だ。寂しい。誰かが隣にいればいてほしい。両手にぶら下がる重たそうな袋の、その片方を持ってくれるような誰か。確かめようもない。それは自分じゃない。嫌だな。持てたらいいのに、自分が。でも、そうしない。不審者だろ、それ。というか、別にこのお婆さんは困っているわけでもないだろうし、普通に迷惑だと思う。善意の押し付け。自分がやりたいだけ。嫌だな、そういうの。西へ下る歩道は随分と狭くて、二人が横に並ぶと後ろが詰まるくらい。でもその隣をできれば歩きたくなかったから、歩道から少しだけ飛び出して車道の側を歩いた。お婆さんよりも自分のほうが歩くのは速い。どこかで必ず追い抜いてしまう。気づかれたくなかった。向こうは自分のことなんか絶対に覚えてない。だから、これも自分のため。

 

 曲がり角の奥の、街灯がほとんどない暗がりとか。非常階段の先にある、使われなくなった道具たちの置き場とか。そういう場所に何かがあればいいと思うことがある。何もないから。何もないと、自分はそう思うから。誰もみない。誰もいない。そういう場所に何かがあればいいと、だから思う。たとえば交差点の真ん中に、何台もの車が行き交うその中心に、大切な何かがあるんだとしたらきっと報われない。バス停の広告とか、塗装の禿げたカーブミラーとか、彼らみたいな存在だけがその在処を知っていればいい。

 

 手を繋ぐことの意味を考える。比喩とかじゃなくて、実際にそう行動することの意味。大切な人の存在を確かめ続けるためかもしれない。あるいは、単に寒いから。でも、手が寒いならポケットに突っ込んでいた方がずっと暖かい。手袋とかをしていたら別かも。そうしたら手を繋ごうって気にもなるのかな。自分にはよく分からない。手を繋ぐのって、怖くないのかな。いやもっと普遍的に、他人の身体に触れるのって怖くないか。他人、というか身近にいる存在に。肩がちょっとぶつかるとかそういうんじゃなくて、自分の右手で、あるいは左手で、意図的に他人の身体に触れるという行為。怖くないのかな、って思う。自分は怖い。といってもまあ別に恐怖症ってわけじゃないし、握手なんかは普通にするけれど、でも怖いからなるべく避ける。だって、もしも拒まれたらって考えたら、全身の血がすっと引くような感覚がする。それが、つまり怖いってこと。でも、どうなんだろうな。ここまで書いてみたけれど、自分も他人に触れることは少しくらいあるなって気持ちになった。頭を撫でるとか、やってたな、そういや。誰彼構わずってわけでは勿論ないけれど、それってどうなんだろう。こいつはそれを拒まないだろうからって無意識で決めつけていたのか、それとも、こいつには拒まれても構わないからって考えていたのか。前者だったら嫌だな。でも、多分、それが正解なんだろうな。

 

 繋がることで確かめられる何かがあるんだったら、繋がらないことで確かめられる何かもあるはずだよな、と思う。友人と恋人の違い。ずっと考えてる。去年の夏くらいから。もっといえば三年前から。その二つを明確に区別して扱う理由って、何なんだろう。世間一般的な意味での恋愛的でない男女の関係があってもいいと思うし、逆に、世間一般的な意味で恋愛的な同性関係があってもいいと思う。なんだろう。それを否定するのは、少し違う気がする。だからって、そればかりを手放しで賛美するのも、同じくらい違う気がする。色んな形があっていい。というか、一つの正解なんてあってほしくない。新年に高校同期と会って、そのときに色んなことを話して、男子大学生だからって書くと怒られそうだけど、下世話な話題が上がることもやっぱり多くて、自分は縁のない場所にいるから適当に相槌を打つだけだったけれど、でもなんか、そういうのもいいなってちょっと思って。いや、下世話って形容がよくないな、これは。あれはあれで純粋な一つ。だから、ああ、こいつらもそれを持ってるんだって。なんだろう。男女関係なんて全部ぶっ壊れちまえばいいのになって気持ちはやっぱり強くあって。それは主義思想とかっていうよりも、なんていうか、ほとんど先天的に根付いていた感情というか、いや明らかに後天的なんだけど、でも勝手に押し付けられたっていうか。最も簡易な言葉で記述するなら肉体関係。自分はそれがどうにも受け入れられなくて。恋だの愛だのって笑いあって、その先にあるのがその程度でいいのかよ、みたいな。小学生の頃からずっと思っていて、いまもそう。でも、なんだろうな。手放せないものが誰にだってあって、自分にもあって、高校同期のそいつらにも勿論あって。自分にとってのそれは彼で、あいつらにとってのそれは多分彼女で。その二つに違いなんてあるかなあと思って。どっちがどうって話じゃないよなって。将来結婚しているか否かみたいな話を周りの人間がたまにしていて。そのたびに、何だかんだ言ってお前らは全員結婚するだろ、と自分は思うし、一方で自分はしないんだろうなと思っていたけれど、もしかしたら自分も同じかもなって気がした。しただけ。現代社会において家庭を持っていることの重要性云々って話じゃなくてさ。違うんだよ。そういう尺度で人間関係を、測ったことはあるかもしれないけれど、測りたいと思ったことは一度もない。健康とか、貯蓄とか、躁鬱とか、孤独とか、そんなのは心底どうだっていいんだよな。それが自然ならそうなるだろって、そういう話。

 

 たとえば忌み嫌う存在がこの世を去ったとして、それを笑えるものなのかな。なんか、なんだろうな。いま新型肺炎が話題になっていて、インターネットが、というか日本中が騒がしくなっていて。漫画や映画、というかフィクションの世界でよくあるじゃない、こういうシチュエーション。なんていうかさ、信じられなくて。いざこういう状況に陥ったとき、当のフィクションで描かれているような言葉があちこちから聞こえてくるのが。でも、現実なんだよな。そういう声が、ニュース記事のリプライ欄とかに無数にくっついてる。タイムラインにもよく流れてくる。これもたとえばの話、オリンピックが中止になったとしてさ、感染力の強いウイルスが世界的に蔓延しているんだからって、そうなったとして、それを笑えるものなのかな。東京オリンピック自体は前々から計画の杜撰さっていうか、そういう欠陥が指摘され続けていたけれど、そのたびにいっそ中止しろって声が上がって、じゃあ実際に中止にしますとなったとして、その結末を望んだ人たちは満足するのかなって。なんか、それが信じられなくて。だってさ、色んな人がいるだろ。四年に一度のオリンピックに向けて必死で頑張ってきた選手がいるし、それを支えてきたトレーナーだったり家族だったり、その活躍を心待ちにしていたファンもいるだろうし。会場だってわざわざ作ってさ。現場では多くの人が動いて、あれだけ無能だと叩かれた委員会だって別に何もしていなかったわけじゃないだろうし。そうやって繋いできた一つの未来が簡単に潰れてさ。それで満足なのかなって。別にオリンピックだけじゃない。話題のウイルスへの対応とか、もっと辿れば共通テストの件だってそうだし。正しいかもしれない。誰がどうみてもその場しのぎの対応策で、細部を照らしてみれば実はボロボロの欠陥住宅でしたみたいな。共通テストに関して言えば実際にそうだったわけだけれど。でもなんか、それがたとえ相対的には正しくない目標であったとしても、数え切れないくらいに大勢の人がその一瞬に向けて動いていたわけで、そうやって地道に重ねてきた時間がさ、何の関係もない、何もしようとしない連中に潰されたんだとしたら、たまったもんじゃないよなあって思う。もう十何人も亡くなってて、その誰にしたって自分とは無関係な他人だけれどさ、そういう状況で、よくもまあそんなことが言えるよなって。たとえばあいつらの忌み嫌う相手がそのウイルスに侵されたとして、亡くなったとして、あいつら、その死をまるで自分たちの勝利みたいに高笑いするんじゃねえかなって。そういう不信感と不快感がある。あった。バーガーキングのやつとかね。昨日の夜に見て、普通に気分が悪くなった。戦争、なくなんないな。飽きもせず。争いを放棄する理由なんて、青空が綺麗だからとか、それくらいの些細なもので事足りると、自分は本気でそう思うのだけれど。そう信じたいのだけれど。だけど、そうも言ってられないよな。

 

 

 

円分体の中間体

 K = \mathbb{Q} \left( \zeta _ {15} \right) の中間体を求めます.

 まず K / \mathbb{Q} は円分拡大なので \left[ K : \mathbb{Q} \right] = \varphi \left( 15 \right) = 8 .また  \mathrm{Gal} \left( K/ \mathbb{Q} \right) \simeq \left( \mathbb{Z} / 15 \mathbb{Z} \right) ^ {\times} \simeq \left( \mathbb{Z} / 3 \mathbb{Z} \right) ^ {\times} \times \left( \mathbb{Z} / 5 \mathbb{Z} \right) ^ {\times} なので \mathrm{Gal} \left( K/ \mathbb{Q} \right) は位数 2 の元一つと,位数 4 の元一つで生成されることがわかる.\sigma \in \mathrm{Gal} \left( K/ \mathbb{Q} \right) は位数 2 の元とする.\sigma \left( \zeta _ {15} \right) = \zeta _ {15} ^ i としておくと位数が 2 であることから i^ 2 \equiv 1 \, \mathrm{mod} \, 15 .これと i \neq 1 から i=4,11,14\zeta_ {15} の行き先が決まれば写像が定まり,それらは高々 8 通り.\mathrm{Gal} \left( K/ \mathbb{Q} \right) の位数は 8 なのですべて存在する.よって \sigma , \tau \in \mathrm{Gal} \left( K/ \mathbb{Q} \right)\sigma \left( \zeta _ {15} \right) = \zeta _ {15} ^ 2 , \tau \left( \zeta _ {15} \right) = \zeta _ {15} ^ {11} を満たすものとしてとれる.\sigma , \tau はそれぞれ位数 4 の元と位数 2 の元.\sigma , \sigma ^ 2 , \sigma ^ 3 はいずれも \tau と異なるので \mathrm{Gal} \left( K/ \mathbb{Q} \right) = < \sigma , \tau > である.

 \tau ^ i \sigma ^ j \left( i=0,1 \, j=0,1,2,3 \right)\left( I,j \right) \in \left( \mathbb{Z} /2 \mathbb{Z} \right) \times \left( \mathbb{Z} / 4 \mathbb{Z} \right) = G と対応させる.G の部分群は

 位数 1H _ 1 = \left\{ \left( 0, 0 \right) \right\}

 位数 2H _ 2 = < \left( 1,0 \right) > ,H _ 3= < \left( 0,2 \right) > ,H _ 4 = < \left( 1,2 \right)

 位数 4H _ 5= < \left( 0,1 \right) > ,H _ 6= < \left( 1,0 \right) , \left( 0,2 \right) > ,H _ 7 = < \left( 1,1 \right)

 位数 8H _ 8 = G

ですべて.これより \mathrm{Gal} \left( K/ \mathbb{Q} \right) の部分群は

 位数 1H _ 1 = \left\{ e \right\}

 位数 2H _ 2 = < \tau > ,H _ 3= < \sigma ^ 2 > ,H _ 4 = < \tau \sigma ^ 2

 位数 4H _ 5= < \sigma > ,H _ 6= < \tau , \sigma ^ 2 > ,H _ 7 = < \tau \sigma

 位数 8H _ 8 = \mathrm{Gal} \left( K/ \mathbb{Q} \right)

ですべて.部分群 H _ i に対応する体を M _ i と表すことにする.H _ 1 には K が,H _ 8 には \mathbb{Q} がそれぞれ対応するので,M _ 1 = K , M _ 8 = \mathbb{Q} である.また包含関係は H_ 2 , H _ 4H_ 6 のみに含まれ,H _ 3H_ 5 , H _ 6 , H_ 7 のいずれにも含まれている.

M _ 2 について

 \zeta _ 5 = \zeta _ {15} ^ {3} \in K なので \mathbb{Q} \left( \zeta _ 5 \right)K/ \mathbb{Q} の中間体.\mathbb{Q} \left( \zeta _ 5 \right) \mathbb{Q} 上の拡大次数は 4 なので,M_ 2M_ 3 の一方がこれに一致する.もし M_ 3 = \mathbb{Q} \left( \zeta _ 5 \right) となるなら \zeta _ 5H_ 3 の元で不変だが,\sigma ^ 2 \left( \zeta _ {15} ^ 3 \right) = \zeta _ {15} ^ {12} より矛盾.よって M_ 2 = \mathbb{Q} \left( \zeta _ 5 \right) である.

M _ 7 について

 M _ 2 のときと同様の議論によって M _ 7 = \mathbb{Q} \left( \zeta _ 3 \right) が分かる.

M _ 6 について

 M _ 6M _ 2 = \mathbb{Q} \left( \zeta _ 5 \right) の部分体であるから,M _ 2 の元であって \sigma ^ 2 によって不変なものを考えればよい.\zeta _ 5 + \zeta _ 5 ^ {-1} \in M _ 2 であって \sigma ^ 2 \left( \zeta _ 5 \right) = \zeta _ 5 ^ 4 = \zeta _ 5 ^ {-1} だから,これは \sigma ^ 2 で不変.ゆえに \zeta _ 5 + \zeta _5 ^ {-1} \in M _ 6 なので \mathbb{Q} \left( \zeta _ 5 + \zeta _ 5 ^ {-1} \right) \subset M _ 6 となる.p= \zeta _ 5 + \zeta _ 5 ^ {-1} , q= \zeta _ 5 ^ 2 + \zeta _ 5 ^ {-2} とすると p+q = pq=-1 だから p , qx^ 2 +x -1 の根である.これより \sqrt{5} \in \mathbb{Q} \left( \zeta _ 5 + \zeta _ 5 ^ {-1} \right) ,つまり \mathbb{Q} \left( \sqrt{5} \right) \subset M _ 6 がわかり,\mathbb{Q} \left( \sqrt{5} \right)M _ 6 はともに \mathbb{Q} 上の拡大次数が 2 だからこれは等号になる.よって M _ 6 = \mathbb{Q} \left( \sqrt{5} \right) である.

M _ 3 について

 M_ 7 = \mathbb{Q} \left( \zeta _ 3 \right) = \mathbb{Q} \left( \sqrt{-3} \right) だから M_ 6 = \mathbb{Q} \left( \sqrt{5} \right) とあわせて \sqrt{-3} , \sqrt{5} \in K .よって \mathbb{Q} \left( \sqrt{-3} , \sqrt{5} \right) は拡大 K/ \mathbb{Q} の中間体.\mathbb{Q} \left( \sqrt{5} \right)\mathbb{Q} 上の拡大次数は 2\mathbb{Q} \left( \sqrt{-3} , \sqrt{5} \right)\mathbb{Q} \left( \sqrt{5} \right) 上の拡大次数は高々 2 であるが,\sqrt{-3} \notin \mathbb{R} より 1 となることはない.したがって \mathbb{Q} \left( \sqrt{-3} , \sqrt{5} \right)\mathbb{Q} 上の拡大次数は 4 である.拡大次数 4 の中間体で M_ 6M _7 をともに含むものは M _ 3 しかない.よって M _ 3 = \mathbb{Q} \left( \sqrt{-3} , \sqrt{5} \right) である.

M _ 5 について

 \sqrt{-15} \in M _ 3 = \mathbb{Q} \left( \sqrt{-3} , \sqrt{5} \right) だから \mathbb{Q} \left( \sqrt{-15} \right) \subset M _ 3 .まず \mathbb{Q} \left( \sqrt{-15} \right) \neq \mathbb{Q} \left( \sqrt{5} \right) は明らか.さらに,もし \mathbb{Q} \left( \sqrt{-15} \right) = \mathbb{Q} \left( \sqrt{-3} \right) なら,ある a,b \in \mathbb{Q} があって \sqrt{-15} = a + b \sqrt{-3} とかける.両辺二乗すると ab=0 が分かるが,いずれにせよこれは矛盾する.ゆえに \mathbb{Q} \left( \sqrt{-15} \right) \neq \mathbb{Q} \left( \sqrt{-3} \right) だから,残る M _ 6 がこれになる.よって M _ 6 = \mathbb{Q} \left( \sqrt{-15} \right) である.

M _ 4 について

 \tau \sigma ^ 2 \left( \zeta _ {15} \right) = \zeta _ {15} ^ {-1} だから \zeta _ {15} + \zeta _ {15} ^ {-1} \in M_ 4 .よって \mathbb{Q} \left( \zeta _ {15} + \zeta _ {15} ^ {-1} \right) は拡大 M_ 4 / \mathbb{Q} の中間体.これが M_ 4 に一致しないなら M _ 6 = \mathbb{Q} \left( \sqrt{5} \right) M_ 8 = \mathbb{Q} のいずれかに一致する.しかし \zeta _ {15} + \zeta _ {15} ^ {-1}\tau で不変でないので M_ 6 にも M _ 8 にも含まれない.よって \displaystyle M _ 4 = \mathbb{Q} \left( \zeta_ {15} + \zeta _ {15} ^ {-1} \right) = \mathbb{Q} \left( \mathrm{cos} \frac{2}{15} \pi \right) である.

 以上より,拡大 \mathbb{Q} \left( \zeta _ {15} \right) / \mathbb{Q} の真の中間体は \mathbb{Q} \left( \zeta _ 5 \right) , \displaystyle \mathbb{Q} \left( \mathrm{cos} \frac{2}{15} \pi \right) , \mathbb{Q} \left( \sqrt{-3} , \sqrt{5} \right) , \mathbb{Q} \left( \sqrt{-3} \right) , \mathbb{Q} \left( \sqrt{5} \right) , \mathbb{Q} \left( \sqrt{-15} \right) の六つですべてである.

\Box

 

 Galois 群の部分群が六つくらい出てくるようになると,各部分群の元で不変な元をいちいち計算していたら面倒です.今回は比較的低次の円分拡大なので中間体がどうなっているかの予想が割とつきやすく,たとえば 15 の素因数であるところの 35 に注目すると \mathbb{Q}\zeta _ 5\zeta _ 3 を添加した体は間違いなくあるし,ガウス和のことを思えば,正負はさておきにせよ \sqrt{ \pm 3} だったり \sqrt{ \pm 5} だったり,あとはその積の \sqrt{ \pm 15 } だったりを \mathbb{Q} に添加した体が出てきそうな気がします.あとは一般に 3 以上の整数 n に対して \mathbb{Q} \left( \zeta _ n \right) \cap \mathbb{R} = \mathbb{Q} \left( \zeta _ n + \zeta _ n ^ {-1} \right)(実円分体)なので,\zeta _ n + \zeta _ n ^ {-1} \left( n= 3,5,15 \right) を添加した体も出てきそうなアレがあります.そこら辺の当たりをつけておいて,分かりやすいところ( \mathbb{Q} \left( \zeta _ 3 \right)\mathbb{Q} \left( \zeta _ 5 \right) あたり)から順に包含を利用して決定していくというのが手っ取り早いという気が個人的にはします(実際どうなのかは知らない).

 

 

 

空模様

  

 SS を公開したので全人類読んでください(先制攻撃)(初手絶対零度)(確一)(命中率三割)。

www.pixiv.net

  アイマスのアの字も出てこないので、タグに書いてある主人公の名前さえ知っていれば、他の前提知識がなくても読めます、親切設計(二次創作としてそれはどうなのという指摘がある)(分かる)(アイマスじゃなくてよくない?)(ぐえー)。

 

 

 吉音のほうで諸々があり、あったので、自分の書いた何かしらをブログにでも貼り付けておくかなあと思い今まさにこれをしてる最中なんですが、まあ、最中です。最中って、なんか、自分の脳がバグってるだけかもしれないんですけど、最中(さいちゅう)よりも先に最中(もなか)と音声変換されてしまい、自分の打ち込んだ文字列を見て、何だコイツ、と思いました。それだけ。

 一次創作、という言い方もおかしいですけれど、同じような因子がごく身近に複数いることが判明しモチベーションのあれこれがあり、色々と書いては消してを繰り返した正月三が日だったんですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。あけましておめでとうございます。こちらは進捗ゼロ。いや、書けなくない? そもそも自分が何を書きたいのかもよく分かってない。助けてくれ。

 

 

 ちょっとだけ作品の話(にみせかけた自分の話)をします。読みたくない人はブラウザバックするか、スマホあるいは PC を破壊するかしてください。僕の計画通りなら全人類が上の SS に目を通したはずなので、ネタバレとかは考慮しません。嘘です。でも、なんか迂闊に書いちゃうかも。

 

 上の作品を書いていたのがちょうど去年の六月から七月頃なので、そこら辺のブログ記事を読んだ方が早いと思います、という書き出しから始めようとしたんですが、珍しく大した記事が上がっておらず初手で詰んでます。助けて。このブログ、トップページに冠されている通り、どこかの自分が考えていたことをいつでも思い出せるようにするための備忘録みたいなものなんですが、ここ数ヶ月くらい、更新頻度が落ちまくっていてアレですね。更新するために書いているわけではないので、だからといって更新頻度が上がるということはないんですが……。

 

 この作品を提出して、まあそれが本になり(様々な人々の多大な労力によって同人誌(文庫本)になる。自分は特に何も関与していないので本当に頭が上がらない)、出来上がったそれをマス研の民々(たみだみ)は読んだり読まなかったりするんですが、好きと言ってもらえるのは当然のように嬉しいので覚えており、それはそれとして「これ一葉のブログやん」と言われたことも覚えており、ああいや、勿論嬉しかったからですけど。

 嘘だけは書きたくないなあ、みたいな気持ちがどこかにあり、嘘っていうのはこう、物語論とかではなく、自分自身が嘘だと思うような、思ってしまうことという意味であって、要するに、自分でもよく分かっていないことを知った風な口で書くのだけはやりたくないという意味なんですが、なんか、よくあるじゃないですか、そういうの(社会への全体攻撃)。カッコいいこと言ってるけどめちゃくちゃ薄っぺらいみたいな、アレ。あれにだけはなりたくない。だから「自分のブログ」と言われたことは割と嬉しく、書きあがったそれをみて、ああ、嘘じゃなかったんだ、と思うことができるので。まあ、その作者補正(?)がなくなったときに、この作品がどういう風に映るのかという懸念はありますが……。

 

 四万四千字。恋愛観とか死生観とか、そういったテーマを扱うには少なすぎるって気がしますよね、自分でも思います。マジで、反省してる。そういうあれが作品の終盤を書いているときに意識として浮かび上がってきて、「日記帳なんかに書き起こしたとして」の件はそういった意味があったりします。大概の物語は既存の形よりも簡潔に要約できてしまうわけで、それは内容を削ぎ落し、前提と過程と結果の三つを箇条書きにするという意味ですけれど、だからというかなんというか、そのたった数百字で収まるような話を数千、数万、あるいは数十万にするのがクリエイターなんだろうなあ、って。何の話? いやまあ、もっと書けたよねって話ではなくて。もう書けんし(「もうかけんし」って変換したら「猛火玄師」が出てきた。ジャンプ作品の中ボスくらいに出てきそう。ナルトでいうところの中忍試験)。そうではなく、結局、これだけの字数を使ってでも書きたかったのはたった一つだけだったという話です。作家ってすごいな、マジで。思った。だってこれを一生涯続けるんだろ。擦り切れて死ぬよ、普通。

 

 といっても、自分が何を書きたかったのか、正直あんまりよく分かってないです。完成当時、書きたいことを書けた! と思い、まあいまもそう思ってはいるんですが、その「書きたいこと」ってなんだ? と問われると答えに窮するというか、窮鼠になります(子年なので)。なんだろう。でも結局、どうしようもない別れを繰り返しながら死ぬまで歩き続けるんだなって、それくらいのことのような気もします。それは自分の恋愛観でもあるし、死生観でもあるし、いや、ないかもしれませんが(というか死生観って実際のところ何?)。その瞬間からしばらくずっとは苦しいし、悲しいし、僕は身近な人の死を経験したことがないのでこんなのはただの憶測でしかありませんけれど、それでも知ったような気になれる程度には似たような経験をいくつかしたつもりだし、そういった寂れた痛みが失くせない灯りになる日がきっとやってくるから、だから理由なんて分からなくたって歩いていかなきゃいけないんだなって、どこの誰に向けたメッセージとかではなく、強いて言えば自分に宛てたそれです、多分。だから、僕が一番気に入っているのは最後の、電車に乗って事務所へ向かうシーンです。

 

 

 そんな感じ。一月中にはなんか新しいの、それこそ一部の吉音民(きちおとたみ)と話したみたいな、自分だけの話を書き始められたらいいなあと思ったり思ってなかったりします(超希望的観測)(試験勉強)(留年)。

 

 

 

関数列と区分求積法

区間 I = \left[ 0,1 \right] で定義された連続関数列 \left\{ f_ n \left( x \right) \right\} とその極限関数 f \left( x \right) について次のことが成り立ちます.

関数列 \left\{ f_ n \left( x \right) \right\} If \left( x \right) に一様収束するならば
\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f_ n \left( \frac{k}{n} \right) = \int_0^1 f \left( x \right) dx

(証明)

関数列 \left\{ f_ n \left( x \right) \right\} If \left( x \right) に一様収束するので,任意の正数 \epsilon _ 1 に対してある正整数 N_ 1 があって n \gt N_ 1 ならば,任意の x \in I について

| \, f_ n \left( x \right) - f \left( x \right) | \lt \epsilon _ 1

が成り立つ.

また f \left( x \right) I 上可積なので,任意の正数 \epsilon _ 2 に対してある正整数 N_ 2 があって n \gt N_ 2 ならば

\displaystyle \left| \, \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f \left( \frac{k}{n} \right) - \int_0^1 f \left( x \right) dx \right| \, \lt \epsilon _ 2

が成り立つ.

\epsilon は任意の正数,\displaystyle \epsilon _ 1 = \epsilon _ 2 = \frac{\epsilon}{2}N= \mathrm{max} \left\{ N_ 1 , N_ 2 \right\} としておくと,n \gt N ならば三角不等式から

\displaystyle \left| \, \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f_ n \left( \frac{k}{n} \right) - \int_0^1 f \left( x \right) dx \right| \, \leq \left| \, \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f_ n \left( \frac{k}{n} \right) - \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f \left( \frac{k}{n} \right) \right| + \left| \, \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f \left( \frac{k}{n} \right) - \int_0^1 f \left( x \right) dx \right|

であって,第一項は

\displaystyle \left| \, \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f_ n \left( \frac{k}{n} \right) - \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f \left( \frac{k}{n} \right) \right| \lt \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n \frac{\epsilon}{2} = \frac{\epsilon}{2}

となるので,第二項とあわせて

\displaystyle \left| \, \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f_ n \left( \frac{k}{n} \right) - \int_0^1 f \left( x \right) dx \right| \, \lt \frac{\epsilon}{2} + \frac{\epsilon}{2} = \epsilon

を得る.

\Box

 

この主張は一様収束という仮定を外すと成立しません.たとえば次のように定義される I 上の連続関数列 \left\{ f_ n \left( x \right) \right\} を考えてみます.まず  f_ 1 \left( x \right) = 1 として,n \geq 2 のときは

\displaystyle x \in \left[ 0, \frac{1}{n} \right] ならば f_ n \left( x \right) = n^ 2 x .    
\displaystyle x \in \left[ \frac{1}{n} , \frac{2}{n} \right] ならば f_ n \left( x \right) = n \left( 2-nx \right)
\displaystyle x \in \left[ \frac{2}{n} , 1 \right] ならば f_ n \left( x \right) = 0 .     

と定めます.n \geq 2 のとき,これは 3\left( 0,0 \right) , \displaystyle \left( \frac{1}{n} , n \right) , \displaystyle \left( \frac{2}{n} , 0 \right) を頂点とするような三角形のグラフになります.このとき \left\{ f_ n \left( x \right) \right\} は定数関数 0 に各点収束しますが,\mathrm{sup}_{x \in I} | \, f_ n \left( x \right) | = n なので一様収束はしません.

n \geq 2 のとき主張の左辺は

\displaystyle \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f_ n \left( \frac{k}{n} \right) = \frac{1}{n} f_ n \left( \frac{1}{n} \right) = 1

ですが,主張の右辺は

\displaystyle \int_0^1 f \left( x \right) dx = \int_0^1 0 \, dx = 0

となり,両者は一致しません.

 

最後にこの命題を利用して問題を一つ解いてみます.

\displaystyle \lim_{n \to \infty} \sum_{k=1}^n \mathrm{tan} \left( \frac{k}{n^ 2} \pi \right) = \frac{\pi}{2}

(証明)

\displaystyle f_ n \left( x \right) = n \, \mathrm{tan} \left( \frac{x}{n} \pi \right) n \geq 3 )として I 上の連続関数列 \left\{ f_ n \left( x \right) \right\} を考える.

\displaystyle \left( f_ n \left( x \right) -\pi x \right) ^ {\prime} = \left( \frac{1}{ \left( \mathrm{cos} \left( \frac{x}{n} \pi \right) \right) ^ 2 } -1 \right) \pi

より f_ n \left( x \right) -\pi xI 上単調増加で,x=1 で最大値をとる.ここで

\displaystyle f_ n \left( 1 \right) -\pi = n \, \mathrm{tan} \left( \frac{\pi}{n} \right) - \pi = \frac{ \mathrm{sin} \left( \frac{\pi}{n} \right) }{ \frac{\pi}{n} } \frac{ 1 }{ \mathrm{cos} \left( \frac{\pi}{n} \right) } \pi - \pi

なので n \to \infty とするとこれは 0 へ収束する.ゆえに関数列 \left\{ f_ n \left( x \right) \right\}I\pi x に一様収束する.したがって,初めの命題より

\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f_ n \left( \frac{k}{n} \right) = \int_0^1 \pi x \, dx

が成り立ち,これより主張の等式を得る.

\Box
 
 
 

風景画

 

 今日はクリスマスイブらしい。他人からそう言われるまで気づかなかった。もうじきに十二月が終わるなあとか、その程度の認識。思えば忘年会やら何やらがあり、それはつまり今年が終わろうとしているということであって、まあ要するに当たり前のことだった。同じような毎日ばっかりを繰り返しているから、考えようともしなかった。

 それならいっそずっと同じ場所を回っていられたらいいのになあ、と思う。代わり映えなんてほとんどしないくせに、ふとした一瞬で終わってしまうのが日常とかいうやつの悪趣味なところ。何事にも終わりはあって、でもなんていうか、それは今から少し離れた場所にあるような気が何となくしていて、そんなことは実際ありえないって分かってるつもりだし、そういうことも何度だって書き連ねたけれど、だけどやっぱり、分かってるつもりでしかなかったなあって思う。最後が来るたびに思う。

 馬鹿だな、と思った。自分が。当たり前に頼ってたんだなと思った。なくなって困るものだとは分かっていたけれど、なくなるなんて考えたこともなかった。いつも通りがいつも通りに続いていって、どうしようもないねって最後がやってきて、そうやって離れ離れになるんだろうかなんて心のどこかで安心しきっていて、なんていうんだろうな、後回しっていうか、先にこなすべきことなんて何一つもないのに。意味がないんだよな。意味がないんだよ、それだったらさ、全部が。

 思いのほか苦しかった。本当の意味で知り合ってからまだ一年も経っていないのに、なのにこんなにもダメージを受けるものなんだなと、一周回って驚いたくらい。一晩眠ったらだいたいが元通りになったけど、でも、いまもなんだか空っぽな感じがする。こんなときにへらへら笑っててもいいのかなって思うし、というか笑いたくないし、笑い声の中にもいたくないし。全部嘘だよなあと思う。実際、全部が嘘だったし、だから目の前の全部も嘘なんだろうなって気がする。きっとなんて言えない。

 この一年、本当に何の意味があったんだろうな。自分に訊いてる。答えられない。 

 

 

未完成の春

 

 

 楽曲『未完成の春』を投稿しました。
www.nicovideo.jp

soundcloud.com

 

  

【歌詞】

未完成の春 青色の熱が君に解ける

十月の教室の隅っこで そんな言葉を白紙に零した

 

未完成の春 雨の匂いに暗がりは沈む

誰も星も月もない夜が 翳した傘を叩いていた

 

水影に残響音 塞ぎ込んだ空を飛びこえて

そっと口ずさんだ この唄が 掠れた声 聞こえなくても

 

ああ いつか 出会った僕らを待っていたんだ

散々な現実が 望んだはずもない朝が

 

それでもさ きっと 扉を開くから

きっと 笑い返すから

 

君と過ごした当たり前を 君と交わしたさよならを

時が経って 全部忘れて だけどそれでもなくさないよ

消えた七つ星の温度は この唄に残しておくから

春の空にまた出会う そのときは 初めましてだね

 

未完成の春 失った青色を取り戻せ

なんて馬鹿みたいな合言葉 でも だからこそ好きになれたんだ

 

跨いだ平行線 赤信号 一台分の距離

気にしないよなんて微笑んだ その言葉が嬉しかったよ

 

夕風に折りたたんだ想像は紙飛行機

何も知らないまま 明日の空も 笑う意味も

 

それでもさ 僕らはあの日同じ場所にいた

だから 迷わなくていい

 

一歩踏み出す街の中で 君の見上げる春の空に

一人だけの夜が溢れて 翳した傘を叩くのなら

ずっと遠いその未来まで 涙の色は知らなくても

唄いかける今がある だからもう 出会えなくたっていい

 

どんな言葉を重ねたって 何も分かちあえやしなくて

さよならしたこともなくして だけどそれでも出会えるのは

ずっと遠いその未来から 僕らが唄う今ここまで

繋いでいる 未完成の 始まりを

七つ星を 知っているから

 

春の空にまた出会う そのときは 初めましてだね

 

 

 

【コード】

BPM=215

・intro

Key: G major

|| Gadd9 --- | Cadd9 --- | D --- | G - B7 - || Em7 --- | D --- | Am7/C --- | Gadd9 --- |

|| Cadd9/E --- | Bm7/D --- | Am7/C --- | D --- || Cadd9/E --- | Bm7/D --- | Am7/C - A7/C# - | D --- |

 

・1A

|| Gadd9 --- | Cadd9 --- | D --- | G - B7 - || Em7 --- | D --- | Am7/C --- | D - B7(#9) - |

|| Em7 --- | Cadd9 --- | D --- | Em - B7 - || Dm7 --- | Gadd9/D --- | Am/C - C#7 - | D - E - |

 

・1B

Key: E major

|| AM7 --- | A7 --- | G#m7 - G#7/C - | C#m7 - Eadd9/B - || D#m7-5 --- | G#7(#9) --- | C#m - A#m7-5 - | A - E/G# - |

|| AM7 --- | F#m7 - F#7/A# - | Bm7 --- | Am7 --- || G --- | F#7/A# --- | Bm7 --- | B7 ---| Cm7 --- | D7 - E7 - |

 

・1S

Key: A major

|| Aadd9 --- | C#7 --- | F#m7 --- | Aadd9 --- || Dadd9 --- | Dadd9 --- | F#m7 --- | E --- |

|| D --- | E --- | C#m7 --- | F#m7 - F#m7/E - || Bm7 --- | C#m7 --- | Dm7 --- | E - Fdim - |

 

|| F#m7 --- | C#/F --- | A/E --- | D#m7-5 --- || D --- | E7 --- | Asus4 --- | A - E - |

|| D --- | E/D --- | E - Fdim - | F#m7 - F#m7/E - || B7 --- | B7 --- | Esus4 --- | E --- |

 

|| Dadd9 --- | ---- | ---- | ---- |

 

・2A

Key: G major

|| Gadd9 --- | Cadd9 --- | D --- | G - B7 - || Em7 --- | D --- | Am7/C --- | D - B7(#9) - |

|| Em7 --- | Cadd9 --- | D --- | Em - B7 - || Dm7 --- | Gadd9/D --- | Am/C - C#7 - | D - E - |

 

・2B

Key: E major

|| AM7 --- | A7 --- | G#m7 - G#7/C - | C#m7 - Eadd9/B - || D#m7-5 --- | G#7(#9) --- | C#m - A#m7-5 - | A - E/G# - |

|| AM7 --- | F#m7 - F#7/A# - | Bm7 --- | Am7 --- || G --- | F#7/A# --- | B7 - C7sus4 - | F --- |

 

・2S

Key: A# major

|| A#add9 --- | D7 --- | Gm7 --- | A#add9 --- || D#add9 --- | D#add9 --- | Gm --- | F --- |

|| D# --- | F --- | Dm7 --- | Gm7 - Gm7/F - || Cm7 --- | Dm7 --- | D#m7 --- | F - F#dim - |

 

|| Gm7 --- | D/F# --- | A#/F --- | Em7-5 --- || D# --- | F7 --- | A#sus4 --- | A# - F - |

|| D# --- | F/D# --- | F - F#dim - | Gm7 - Gm7/F - || C7 --- | C7 --- | Fsus4 --- | F --- |

 

・3C

|| D#add9 --- | ---- | ---- | ---- || Dm7 --- | ---- | ---- | ---- |

|| Cm7 --- | ---- | ---- | ---- || F --- | ---- | ---- | ---- |

 

|| D#M7 --- | ---- | ---- | ---- || Dm7 ---- | ---- -- D7 - | Gm7/D --- | ---- |

|| Cm7 --- | Dm7 --- | D#m7 --- | Fm7 --- --- F# || ---- | ---- --- G# | ---- --- F7 | F7 --- |

 

・3S

|| A#add9 --- | D7 --- | Gm7 --- | A#add9 --- || D#add9 --- | D#add9 --- | Gm --- | F --- |

|| D# --- | F --- | D7 --- | Gm7 - Gm7/F - || Cm7 --- | Dm7 --- | D#m7 --- | F - F#dim - |

 

|| Gm7 --- | D/F# --- | A#/F --- | Em7-5 --- || D# --- | F7 --- | A#sus4(9) --- | A# - F - |

|| D# --- | F/D# --- | F - F#dim - | Gm7 - Gm7/F - || C7 --- | C7 --- | Dm7 --- | Gm7 - Gm7/F - ||| C7 --- | C7 --- | Fsus4 --- | F --- |

 

|| D#add9 --- | ---- | F7sus4 --- --- F | ---- |

 

|| A#add9 --- | D7 --- | Gm7 --- | A#add9 --- || D#add9 --- | D#add9 --- | Gm --- | F --- |

|| D# --- | F --- | Dm7 --- | Gm7 - Gm7/F - || Cm7 --- | Dm7 --- | D#m7 --- | F - F#dim - |

 

|| Gm7 --- | D/F# --- | A#/F --- | Em7-5 --- || D# --- | F7 --- | A#sus4 --- | A# - F - |

|| D# --- | F/D# --- | F - F#dim - | Gm7 --- | ---- | N.C. |

 

|| C7 --- | C7 --- | Fsus4 --- | F --- || D#add9 --- | ---- | ---- | ---- |

 

 

 

【コード(degree)】

BPM=215

・intro

Key: G major

|| Iadd9 --- | IVadd9 --- | V --- | I - III7 - || VIm7 --- | V --- | IIm7/IV --- | Iadd9 --- |

|| IVadd9/VI --- | IIIm7/V --- | IIm7/IV --- | V --- || IVadd9/VI --- | IIIm7/V --- | IIm7/IV - II7/#IV - | V --- |

 

・1A

|| Iadd9 --- | IVadd9 --- | V --- | I - III7 - || VIm7 --- | V --- | IIm7/IV --- | V - III7(#9) - |

|| VIm7 --- | IVadd9 --- | V --- | VIm - III7 - || Vm7 --- | Iadd9/V --- | IIm/IV - #IV7 - | V - VI - |

 

・1B

Key: E major

|| IVM7 --- | IV7 --- | IIIm7 - III7/#V - | VIm7 - Iadd9/V - || VIIm7-5 --- | III7(#9) --- | VIm - #IVm7-5 - | IV - I/III - |

|| IVM7 --- | IIm7 - II7/#IV - | Vm7 --- | IVm7 --- || bIII --- | II7/#IV --- | Vm7 --- | V7 ---| bVIm7 --- | bVII7 - I7 - |

 

・1S

Key: A major

|| Iadd9 --- | III7 --- | VIm7 --- | Iadd9 --- || IVadd9 --- | IVadd9 --- | VIm7 --- | V --- |

|| IV --- | V --- | IIIm7 --- | VIm7 - VIm7/V - || IIm7 --- | IIIm7 --- | IVm7 --- | V - #Vdim - |

 

|| VIm7 --- | III/#V --- | I/V --- | #IVm7-5 --- || IV --- | V7 --- | Isus4 --- | I - V - |

|| IV --- | V/IV --- | V - #Vdim - | VIm7 - VIm7/V - || II7 --- | II7 --- | Vsus4 --- | V --- |

 

|| IVadd9 --- | ---- | ---- | ---- |

 

・2A

Key: G major

|| Iadd9 --- | IVadd9 --- | V --- | I - III7 - || VIm7 --- | V --- | IIm7/IV --- | V - III7(#9) - |

|| VIm7 --- | IVadd9 --- | V --- | VIm - III7 - || Vm7 --- | Iadd9/V --- | IIm/IV - #IV7 - | V - VI - |

 

・2B

Key: E major

|| IVM7 --- | IV7 --- | IIIm7 - III7/#V - | VIm7 - Iadd9/V - || VIIm7-5 --- | III7(#9) --- | VIm - #IVm7-5 - | IV - I/III - |

|| IVM7 --- | IIm7 - II7/#IV - | Vm7 --- | IVm7 --- || bIII --- | II7/#IV --- | V7 - #V7sus4 - | #I --- |

 

・2S

Key: A# major

|| Iadd9 --- | III7 --- | VIm7 --- | Iadd9 --- || IVadd9 --- | IVadd9 --- | VIm --- | V --- |

|| IV --- | V --- | IIIm7 --- | VIm7 - VIm7/V - || IIm7 --- | IIIm7 --- | IVm7 --- | V - #Vdim - |

 

|| VIm7 --- | III/#V --- | I/V --- | #IVm7-5 --- || IV --- | V7 --- | Isus4 --- | I - V - |

|| IV --- | V/IV --- | V - #Vdim - | VIm7 - VIm7/V - || II7 --- | II7 --- | Vsus4 --- | V --- |

 

・3C

|| IVadd9 --- | ---- | ---- | ---- || IIIm7 --- | ---- | ---- | ---- |

|| IIm7 --- | ---- | ---- | ---- || V --- | ---- | ---- | ---- |

 

|| IVM7 --- | ---- | ---- | ---- || IIIm7 ---- | ---- -- III7 - | VIm7/III --- | ---- |

|| IIm7 --- | IIIm7 --- | IVm7 --- | Vm7 --- --- bVI || ---- | ---- --- bVII | ---- --- V7 | ---- |

 

・3S

|| Iadd9 --- | III7 --- | VIm7 --- | Iadd9 --- || IVadd9 --- | IVadd9 --- | VIm --- | V --- |

|| IV --- | V --- | III7 --- | VIm7 - VIm7/V - || IIm7 --- | IIIm7 --- | IVm7 --- | V - #Vdim - |

 

|| VIm7 --- | III/#V --- | I/V --- | #IVm7-5 --- || IV --- | V7 --- | Isus4(9) --- | I - V - |

|| IV --- | V/IV --- | V - #Vdim - | VIm7 - VIm7/V - || II7 --- | II7 --- | IIIm7 --- | VIm7 - VIm7/V - ||| II7 --- | II7 --- | Vsus4 --- | V --- |

 

|| IVadd9 --- | ---- | V7sus4 --- --- V | ---- |

 

|| Iadd9 --- | III7 --- | VIm7 --- | Iadd9 --- || IVadd9 --- | IVadd9 --- | VIm --- | V --- |

|| IV --- | V --- | IIIm7 --- | VIm7 - VIm7/V - || IIm7 --- | IIIm7 --- | IVm7 --- | V - #Vdim - |

 

|| VIm7 --- | III/#V --- | I/V --- | #IVm7-5 --- || IV --- | V7 --- | Isus4 --- | I - V - |

|| IV --- | V/IV --- | V - #Vdim - | VIm7 --- | ---- | N.C. |

 

|| II7 --- | II7 --- | Vsus4 --- | V --- || IVadd9 --- | ---- | ---- | ---- |

 

 

 

【コメント】

 曲を作るたびに「久々の新曲」と言ってるのでそろそろアレなんですが、まあ、久々の新曲です。曲のベースはかなり前から、少なくとも十月の初めにはあったのですが、どんなアレンジにするのがいいのかなあと悩みまくっていたら二ヶ月が経っていました。なぜ?

 

 

・曲について

 作曲面でいえば、今回のテーマは『唄』でした。なんていうか、サビは正しくそれを意識したんですが、誰でも簡単に唄えるメロディラインがいいなあ、と思って。この曲は、そういう感じの背景が一応あります。コードは割と正統派を狙ったつもりですが、どうなんでしょう?

 

 編曲面でいえば、この曲、実は途中までバンドアレンジを組んだプロジェクトが存在しており、それはまあ没になったんですが……。そのアレンジだと、たとえば二番の A メロではピアノが暴れていたり、二番のサビではキックが BPM215 で四つ打ちになっていたりと、割とはっちゃけた曲になる予定だったんですが、作ってる途中に「なんか違うんだよなあ」となってしまい、結局、十月当初に考えていた構想通りに弾き語りっぽい感じのアレンジに落ち着いた、という経緯が実はあります。つらい。

 

 

・歌詞について 

 なんていうか、結局のところ、口実みたいなものなんですよね、多分これは。そう遠くない未来に避けようのない別れがあって、それ自体はどうしようもないことにせよ、十年後でも二十年後でも、そんなことがあったねって笑いあうための今、みたいな。そんな今があるから、遠くのいつかに笑いあえなくたっていいし、もう二度と出会えなくても構わない。そういうこと。

 Catch The Youth.楽しかったです、本当に。

 

  

 以上です。よろしくお願いします。