閉区間 で定義された連続関数列 とその極限関数 について次のことが成り立ちます.
関数列 が 上 に一様収束するならば
(証明)
関数列 は 上 に一様収束するので,任意の正数 に対してある正整数 があって ならば,任意の について
が成り立つ.
また は 上可積なので,任意の正数 に対してある正整数 があって ならば
が成り立つ.
は任意の正数, , としておくと, ならば三角不等式から
であって,第一項は
となるので,第二項とあわせて
を得る.
この主張は一様収束という仮定を外すと成立しません.たとえば次のように定義される 上の連続関数列 を考えてみます.まず として, のときは
ならば .
ならば .
ならば .
と定めます. のとき,これは 点 , , を頂点とするような三角形のグラフになります.このとき は定数関数 に各点収束しますが, なので一様収束はしません.
のとき主張の左辺は
ですが,主張の右辺は
となり,両者は一致しません.
最後にこの命題を利用して問題を一つ解いてみます.
(証明)
( )として 上の連続関数列 を考える.
より は 上単調増加で, で最大値をとる.ここで
なので とするとこれは へ収束する.ゆえに関数列 は 上 に一様収束する.したがって,初めの命題より
が成り立ち,これより主張の等式を得る.