20220707


 夢をみた。あんまり詳しくは覚えていないけれど、世界は数年後にそこそこヤバい状況になるということを夢の中の自分は知っていて、「この区画も、あと何年かしたら立ち入れなくなっちゃうんだよな」みたいなことを考えながら歩く、そういう夢。一人きりではなく自分の後方にもう一人、よく知った顔が立っていた。いま思い返すと、それはなんだか珍しい。というのも、自分が誰かの前を歩くことはそんなに多くなくて、せいぜい横並びか、でなければ最後列だから。夢に出てきたその人の、前を先んじて歩いたことって一度でもあったかなあと考えてみるけれど、ちょっと思い出せない。ほとんどないような気がする。夢の中、入り組んだ、それでいて高く上へ伸びた、ゲームなんかにありがちな情報量がやたらと詰め込まれた街の一角を歩いていた。すると、雪が降ってきて、そこで一言二言くらいのやりとりをしたような。何に対しての返答だったのかは分からないけれど、「自分もいるんですから」と笑って返されたような気がする。それからまた少し歩いて、屋内へ立ち入った辺りでふと目が覚めて、ベッドの上。変な夢だったなあ、と思いつつアクエリアスのボトルを手に取って、それから考えた。なんとなく。なんとなくだけれど、顔と声とが微妙に一致していなかったような気がして。夢の中では何の疑問も持たなかったものの、目覚めた瞬間に振り返った限り、声はたしかによく知った誰かのもので、でも顔の雰囲気がなんだか少し違ったような。なんていうか、幼くみえた。いまこうして、現実世界で会えるはずのその誰かよりも、少しだけ。知り合ったのがもう五年くらい前のことで、ところで当時から顔立ちなんかの印象はいまと変わらないような気がするなと思ったり。そうこうしているうちに今度は昔のことへ意識が向かったりして。知り合って間もない頃って、いったいどんなことを話してたっけな―とか。あとは、誰だって最初は赤の他人から始まるのに、いまこうして、自分の大して広くもない交友関係の一部分をその誰かが占めているのってなんだか変な感じだなーとか。今朝目が覚めてからは、というか昨夜眠る前にもたしか、そんな感じのことを考えていた。