夜にしかない


 今月へ入ってからほとんど毎日ブログを動かすということをしており、その結果として何が起こるかといえば、今月のアクセス数がそこそこの数字になっていてですね。割と頻繁にアクセス数を確認しつつ(読んでもらえることは素直に嬉しいので)、一方で「誰が読んでいるんだ、こんなものを……」と首を傾げていたりもします。Twitter でいいねを押してくれている人たちは読んでくれていたりするのかなと思いつつ、しかしそれじゃ説明のつかないくらいのアクセスがあり。んー、どうなんでしょう。いや、別にいいんですけど、誰が読んでいようが、いまいが、どうだって。「ブログ読んでるよ」と教えてくれる人もいますけれど、別に言わなくたって大丈夫ですよ、そういうの。教えてもらえると嬉しいですけど。でも、僕が嬉しくなる以上の事態へは発展しないので……。僕を喜ばせたいという人だけお願いします(何?)。いや、実際どうなんでしょうね。自分が想定しているよりは色んな人に読んでもらえてるっぽいということを思うと、じゃあ自分はここに何を書けばいいんだろうなって、ちょっと分かんなくなってきた感があって。なんだろ、そういうの別に気にしなくたっていいと思うし、実際、特に気にするつもりもないんですけど。さっきまで鴨川で「今日は何について書こうかなー」と考えていて、でもなんていうかそっち側に思考が引っ張られてしまっている感があって。難しいですね。……もう少し別の形で公開しようと思っていたんですが、先日の散歩中に感じたことについてちょっと書いてみます。いつだっけ、深夜二時くらいだったと思うんですけど、四年間住んでいたにも関わらず一切立ち入らなかった区画へ足を運んでみたということがあって。京大の人だったら分かるかな、出町柳駅の北東部です。あのあたり、謎のマンションがかなり乱立されていて、それでいて結構古めの建物ばかりなので、深夜に行くとこの世の終わり感が凄まじいんですよね。本物の終焉がそこにあった感じ。みたいなことを、数日前に初めて知りました。ゴーストタウンとは言いませんけれど、いやでも、自分が最初に受けた印象はそんな感じでしたね。死んでる感じ、町ごと。階段の踊り場、廊下、公衆電話、掲示板、自動販売機。街灯以外の灯りといえばそのくらいのものしかなくって。窓が道路に面していない建物が両側に並んでいる辺りは、もう完全に文明の気配がなくって。「こんな場所があったのか……」と思うなどしました。そこから徒歩で三分ほどの路地、百万遍出町柳とを繋ぐルートですけれど、その道とは印象が全く違っていて。全然離れていないのに。こうやって迷い込んでみるのも悪くないなと思うなどしました。……ところで、自動販売機の音って聞いたことありますか? 自分はその夜に初めて自覚的になったんですが、真夜中の歩道を歩いていると聞こえてくるんですよ、自動販売機の音が。というか、出町柳の駅構内でもその音は聞こえていて、だからつまり真夜中じゃなくたって、朝から晩までずっと、自動販売機が動いている限りはその音が聞こえているはずなんですよ、本当は。でも、人が活動しているうちはもっと他に色んな音が鳴っていて、雑踏とか、走行音とか、話し声とか。そういうものにかき消されてしまっている音が、夜だと綺麗に聞こえるなって、そんな感じのことを考えていました。思えば、眠ろうとベッドへ入ったはいいものの、脈拍が気になって眠れないみたいなことも結構あるなって。ひとりきりの部屋の中で静かにしていると、冷蔵庫や空調の音がはっきりと聞こえてくるようになったりもして。静かだからこそ騒がしく感じる瞬間って、実際そこそこあるよなあって。心理的にも、というのはただのこじつけですけれど。……夜じゃないと聞こえない音があるという話をしたついでといえばついでで、夜じゃないと見えないものもあるよなあって。星とか月とかじゃなくて、たとえば電柱の張り紙とか。いや、日中だって見えますけれど、でも見ないじゃないですか、わざわざ。自分は変わった人間なのでそういうのも読んでしまうのですけれど、いやでも、普通の人はそんなの見ないよなあって。でも、それが夜だと自分みたいな人でなくともよく見えるようになるんじゃないかって気がしていて、しているだけですけれど。夜って何もないですしね、周りに。……普通の人間はそもそも深夜に散歩なんかしないって話がありますけど、それはさておき。最近はよく散歩をしていて、そのたびに普段足を運ばないような場所へ向かっているのですけれど、行く先々で掲示板やらなにやらに張り出された文章を読むのが結構好きで、まあ、はい。好きなだけです、僕が。何の話? 散歩の話です。みなさんも是非、深夜の散歩をやってみてください。って締めを数日前にもしましたね。何回同じこと言うんだって感じですけれど、でも、これって大学生のうちにしかできないことだなって最近思って。たとえばですけれど、社会人になってしまうと年に一、二回しか会えなくなるような相手もいるはずで、実際、僕にもそういう相手が何人かいますけれど。じゃあ、そういった人たちと久しぶりに会う機会があったとして、そのときに深夜の散歩だなんてどうでもいいことができるのかなって思ったんですよ。できないなーって思いましたけど。なんだろ。こう、どこかの店でお酒を飲んで、お互いの近況なんかを語ったりして、それで酔うだけ酔ってそのまま帰る、みたいな。いや、それが悪いって話ではなくて、必要なことだと思うんですが、でも、あまりにも必要なことすぎるよなと自分は思っていたりして。年に一、二回なんて機会が訪れたとしたら、必要性の高いものから順に消化していくじゃないですか、当たり前のように。だから、そうでないものは次第に身近じゃなくなっていってしまって、それは仕方のないことですけれど、ちょっと寂しいなあと思ったり思わなかったり。なのでまあ、大学生のうちにしかできないことをいまのうちにやっておこうと、最近、やたらと深夜に出歩いているのはそういった理由だったりします。……あんまりまとまんなかったですけど、「みんなも深夜の散歩をしよう!」というだけの話でした。なにか面白いものを見つけたら、よければ教えてくださいね。