未完成の春 青色の熱が君に解ける
十月の教室の隅っこで そんな言葉を白紙に零した
未完成の春 雨の匂いに暗がりは沈む
誰も星も月もない夜が 翳した傘を叩いていた
水影に残響音 塞ぎ込んだ空を飛び越えて
そっと口ずさんだ この唄が 掠れた声 聞こえなくても
ああ いつか 出会った僕らを待っていたんだ
散々な現実が 望んだはずもない朝が
それでもさ きっと 扉を開くから
きっと 笑い返すから
君と過ごした当たり前を 君と交わしたさよならを
時が経って 全部忘れて だけどそれでも失くさないよ
消えた七つ星の温度は この唄に残しておくから
春の空にまた出会う そのときは 初めましてだね