コード進行について色々5

 

 いまとなっては遠い過去のこととなった頃にコード進行についてまとめたページをあらためて読んでみると、「いや、それは単純にこういう仕組みやろ」と思うことが多く、成長を実感する反面、マジで適当に書いてたんだなと、他人事のように実感しました。

 

 今回は転調についてつらつらと書きます。コード進行については基本的に ufret(なければchordwiki)なんかを参考にしています。毎回書いてるかどうか忘れちゃったんですけど、これらはやはり自分用のまとめをついでにブログへはっつけたものなので、適当に書いており、というわけで話半分に読んでもらえればと思います。

 自分が普段聴いている音楽の中でも一部のアーティストの曲しかコードを読まないので、リファレンスがかなり偏っています(具体的には田中秀和堀江晶太神前暁、BUMP周辺に)。

 転調先の頭にあるコードの種類や転調の仕方なんかで分けて、なるべく多くの例を挙げようと思ったんですが、そうこうしているうちに十時間が経過したので、他に何か見つけたらまた別の記事で書きます。

 

 【2019/12/18追記】

  この記事のひとつ前はこちらです。

kazuha1221.hatenablog.com

 【2019/12/18追記ここまで】

 

 

〇短二度転調(上)

  いわゆる半音転調。半音下への転調は大体落ちサビに向けてのアレだったりするので、そうではなく普通に半音転調してるやつを一つ探してきました。

 

・UNION!! / 765 MILLION ALLSTARS(Bメロ→サビ)

叶えたい景色が あるから! (いち・にの・さん・レッツ・ゴー!) 全力で 目指そう 頂点 (いただき!)

| Dm7 --- | Dm7 --- | G --- | G# --- || C# --- | F7 --- | A#m --- | G# --- |

| IIm7 --- | IIm7 --- | V --- | #V --- || I --- | III7 --- | VIm --- | V --- |

 

 四小節目から五小節目で C から C# への短二度転調。転調時の #V – I は転調先からみると V – I 。#V は同主調のコードなので(という説明が正確かは分からないけれど)半音転調時でなくとも頻繁に用いられる(bVI - bVII - I が頻出)(半音転調のときにも勿論使える)。

 

 

 

〇長二度転調(上)

  長二度上への転調、場合によりますけど、一気に視界の開けるような感じがして、それが好きです。オープンワールドの草原みたいな。

 

・オツキミリサイタル / じん(Bメロ→サビ)

「弱虫な僕には、ダメだよきっと…」 だけど信じる、君だから。真っすぐ前を向いて?

| F#m7 --- | F#m7 --- | Am7 --- | Bsus4 – C# - || F# --- | A#7 --- | D#m7 --- | C#m7 – F#7 - |

| IIm7 --- | IIm7 --- | IVm7 --- | Vsus4 - VI - || I --- | III7 --- | VIm7 --- | Vm7 - I7 - |

 

 四小節目から五小節目で E から F# への長二度転調。転調時の VI – I は転調先からみると V – I 。Bsus4 – C# – F# で E→F→F# の半音移動がある。

 

 

chocolate insomnia / 羽川翼(CV: 堀江由衣)(サビ前半→サビ後半)

本当は ずっと 識らなかった 眠り姫はね 王子のキスを

| D7 --- | Gm -- Am | Bbm --- | C - D7 - || G --- | C --- | D7/F# --- | G - G7/F - |

| VI7 --- | IIm -- IIIm | IVm --- | V - VI7 - || I --- | IV --- | V7/VII --- | I - I7/bVII - |

 

 四小節目から五小節目で F から G への長二度転調。転調時の VI7 – I は転調先からみると V7 – I 。

 

 

 

〇長二度転調(下)

  落ちたって感じはそんなにしない。でも、雰囲気は変わる。

 

chocolate insomnia / 羽川翼(CV: 堀江由衣)(間奏中)

| C7/E --- | F --- | C/Bb --- | F/A --- || Bb/D --- | Eb --- | Ab -- Bbsus4 | ---- |

| V7/VII --- | I --- | V/IV --- | I/III --- || V/VII --- | I --- | IV -- Vsus4 | ---- |

 

 四小節目から五小節目で F から Eb への長二度転調。転調時の I/III – V/VII は転調先からみると II/#IV – V/VII 。

 

 

グングニル / BUMP OF CHICKEN(Aメロ→Bメロ)

その真偽を確かめる旅に出るとする 誰もが口々に彼を罵った

| Bbm --- | Db --- | Ab --- | ---- || Abm --- | Gb/Bb - Gb - | E --- | ---- |

| VIm --- | I --- | V --- | ---- || VIm --- | V/VII - V - | IV --- | ---- |

 

 四小節目から五小節目で C# から B への長二度転調。転調時の V – VIm は転調先からみると VI – VIm

 この転調、めちゃくちゃ好きです。一気に世界変わった感じがして(歌詞もこの前後で雰囲気変わるんですよね。良い)。

 

 

 

〇短三度転調(上)

  みんな大好き短三度。上へ転調する分には予告コードなんてなしに適当やっても何とかなる、というイメージがあります(その通りだったり、そうでもなかったりする)。例で挙げたのがサビで上がるやつばかりなんですけど、Bメロで上がってサビで落ちるというタイプもあり、それも良きです。

 あとこれはマジでどうでもいいんですが、自分の中で短三度転調といえば神前さんです。

 

・HAPPY / BUMP OF CHICKEN(Bメロ→サビ)

片付け中の頭の上に これほど容易く日は昇る 悲しみは消えるというなら 喜びだってそういうものだろう

| Bbm7 --- | Cm7 --- | Db --- Dbsus4 - Db - | Ebsus4 --- Eb - Gb - || B --- | Gb/B -- E | B --- | Gb/B - E - |

| IIm7 --- | IIIm7 --- | IV --- IVsus4 - IV - | Vsus4 --- V - bVII - || I --- | V/I -- IV | I --- | V/I - IV - |

 

 四小節目から五小節目で Ab から B への短三度転調。転調時の bVII – I は転調先からみると V – I 。

 

 

・リボン / BUMP OF CHICKEN(サビ→後奏)

ここはどこなんだろうね どこに行くんだろうね 迷子じゃないんだ 嵐の中をここまで来たんだ 嵐の中をここまで来たんだ

| G#m7 --- | A#m7 --- | B - C# - || A - E/G# - | F#m - E - | D - A/C# - | Bm7 - E - |

| IIm7 --- | IIIm7 --- | IV - V - || I - V/VII - | VIm - V - | IV - I/III - | IIm7 - V - |

 

 三小節目から四小節目で F# から A への短三度転調。転調時の V – I は転調前からみると V – bIII 。ぬるっと転調する。

 

 

・八月、某、月明かり / ヨルシカ(Bメロ→サビ)

夜風が鼻を擽ぐった この胸の痛みは気のせいだ わかってた わかった振りをした 最低だ 最低だ 僕の全部最低だ

| D#m --- | ---- | C# --- | ---- | F# --- | G# --- | C# --- | --- E ---- | Gdim --- --- G# | ---- || A --- | B --- | E --- | C#m --- |

| IIm --- | ---- | I --- | ---- | IV --- | V --- | I --- | --- bIII ---- | #IVdim --- --- V | ---- || IV --- | V --- | I --- | VIm --- |

 

 十小節目から十一小節目で C# から E への短三度転調。半音進行での転調。突然入ってくる bIII(転調先での I )のおかげか、あ、転調しそう、という気持ちになる(めちゃくちゃ良い)。

 

 

シリウス / BUMP OF CHICKEN(Bメロ→サビ)

透明な思いの 盾と剣 これは誰のストーリー どうやって始まった世界

| A#m7 --- | Cm7 --- | C# --- | D# --- || G#m --- | -- F#/A# - | B --- | -- B/D# - |

| IIm7 --- | IIIm7 --- | IV --- | V --- || VIm --- | -- V/VII - | I --- | -- I/III - |

 

 四小節目から五小節目で G# から B へ短三度転調。転調時の V – VIm は転調先からみると III – VIm 。お手軽。

 

 

 

〇短三度転調(下)

  サビでキーが下がるのって何となく落ち着きそうなイメージあるんですけど、そのようなことは全くなく、曲調にもよるんでしょうけど普通に盛り上がります。カッコいい。

 

・流れ星の正体 / BUMP OF CHICKEN(Bメロ→サビ)

ゴールなんてわからないままで いつまで どこまで 時間と距離を飛び越えて 君のその手からここまで来た

| D - C#m7 - | Bm7 - E - | C#7 - || F# - B - | C# - Ddim - D#m - C# - |

| IV - IIIm7 - | IIm7 - V - | III7 - || I - IV - | V - #Vdim - VIm - V - |

 

 三小節目(二拍)から四小節目で A から F# への短三度転調。転調時の III7 – I は転調先からみると V7 – I 。E – C#7 – F# で E→F→F# の半音移動がある。

 

 

・近日公開第二章 / PENGUIN RESEARCH(Bメロ→サビ)

間違いだらけの あの日の続きをやろう 馬鹿みたいにさ 笑って 挑んで 痛くて 泣いて

| Dm --- | Em --- | Fm --- | Gm --- | Asus4 --- | A --- || D --- | E --- | F#m --- | C#m --- |

| IIm --- | IIIm --- | IVm --- | Vm --- | VIsus4 --- | VI --- || IV --- | V --- | VIm --- | IIIm --- |

 

 六小節目から七小節目で C から A への短三度転調。転調時の VI – IV は転調先からみると I – IV 。転調前の VIsus4 – VI はピカルディ終止。

 

 

・才悩人応援歌 / BUMP OF CHICKEN(Aメロ→Bメロ)

問題無いでしょう 一人くらい 寝てたって 生活は平凡です 平凡でも困難です

| F#add9 --- | G#sus4 - G# - | A#m7 --- | ---- || Dm/G --- | Gm7 --- | Dm/G --- | Gm7 --- |

| IVadd9 --- | Vsus4 - V - | VIm7 --- | ---- || IIIm/VI --- | VIm7 --- | IIIm/VI --- | VIm7 --- |

 

 四小節目から五小節目で C# から A# への短三度転調。転調時の VIm7 – IIIm/VI は転調先からみると Im7 – IIIm/VI 。短三度の移動なので普通に馴染んで聴こえる。

 

【2019/12/18追記】

・ガールズ・イン・ザ・フロンティア / 渋谷凛、早坂美玲、木村夏樹小日向美穂塩見周子

叫ぶよ 'Cause I love you ! 自分の言葉で 拓け! バックパックに希望つめて 自分の足で歩け シンデレラ

| Eb --- | Em --- | F --- | D7 --- | D7 --- || Em --- | C --- | D --- | G --- |

| IV --- | #IVm --- | V --- | III7 --- | III7 --- || VIm --- | IV --- | V --- | I --- |

 

 五小節目から六小節目で Bb から G への短三度転調。転調時の III7 - VIm は転調先からみると V7 - VIm

 短三度下の VIm へ転調する例が挙がっていなかったので追記。

【2019/12/18追記ここまで】

 

〇完全四度転調(上)

  何も分からん。

【2019/12/18追記】いわゆる下属調転調です。【2019/12/18追記ここまで】

 

FPS / neru(Bメロ→サビ)

まるでヒトの黒い部分を象ったような この冷酷な引き金に 全てを込めて それじゃ、サヨナラバイバイだ 愛するこの街よ

| C#M7 --- | G7 --- | C7 - C7/E - | Fm --- | B/E --- | ---- | D#7(#9) --- | F7 --- || A#m7 --- | F#M7 --- | G#6(9) --- | C# --- |

| IVM7 --- | VII7 --- | III7 - III7/#V - | VIm --- | bIII/bVI --- | ---- | V7(#9) --- | VI7 --- || VIm7 --- | IVM7 --- | V6(9) --- | I --- |

 

 八小節目から九小節目で G# から C# への完全四度転調。転調時の VI7 – VIm7 は転調先からみると III7 – VIm7 。

 様々な解釈が可能だとは思うんですが、個人的には G# から同主調の B を経由して C# へ飛んでいるっぽい印象を受けました。四小節目から五小節目にかけての VIm – bIII/bVI で B へ部分転調、bIII/bVI は同主調の I/IV 。そこから G# での V7(#9)、B での III7(#9) へ進行。#9 がテンションされている(スケール内の音なので厳密にはオルタードではないっぽいけれど)ので、マイナーなのかメジャーなのかよく分からないという状態で G# での VI7 、B での #IV7 、C# での III7 へと進行。ここでボーカルラインが C に着地して、ああ C# に転調したんだな、という気持ちになって全部分かる。7(#9)のコードが鳴っている間、ボーカルは B と C# のスケールに共通の音だけ(具体的には A# と C# だけ)を唄っていて、それもそれで要素の一つっぽい。

 

 

 

〇増四度転調(上?)

  完全四度以上に何も分からん。

 

・Prencess Be Ambitious!! / PRINCESS STARS(間奏→Aメロ)

ダーリン♡ドラマの ワンシーンみたいに Fallen’ 恋して… Prencess Be Ambitious!! フェイス ネイル メールチェック 睡眠減少中

| G# --- | G#/C --- | Fm7 --- | EM7 --- B/F# - F# - | G#7sus4 --- | ---- - G#7 -- | G#7sus4 --- | - F#M7sus4(omit5) -- || B11(omit3) --- | B7 - B7sus4 - | G - A - | B --- |

| I --- | I/III --- | VIm7 --- | bVIM7 --- bIII/bVII - bVII - | I7sus4 --- | ---- - I7 -- | I7sus4 --- | - bVIIM7sus4(omit5) -- || VI11(omit3) --- | VI7 - VI7sus4 - | IV - V - | VI --- |

| I --- | I/III --- | VIm7 --- || IVM7 --- I/V - V - | VI7sus4 --- | ---- - VI7 -- | VI7sus4 --- | - VM7sus4(omit5) -- || VI11(omit3) --- | VI7 - VI7sus4 - | IV - V - | VI --- |

 

 八小節目から九小節目にかけて G# から D への増四度転調。気持ち的には三小節目から四小節目を過ぎた辺りで同主調の B へ転調しているっぽい(二つ目のdegreeがそれにあわせたもの)。転調時の bVIIM7sus4(omit5) – VI11(omit3) は転調先からみると IIIM7sus4(omit5) – VI11(omit3) 。

 なんで M7 なんだろうと思いながらピアノで鳴らしてみたんですが、普通の 7th だとなんだか進行感に欠けるということだけ分かりました(つまり何も分かっていない)(助けてくれ)。

 というか、これを耳コピした人類、普通にヤバくないか?

【2019/12/18追記ここまで】

 この曲、五度圏を参照してもらえば分かると思うんですが、今いるところから一番遠い調(対角)に向かって転調しています。

【2019/12/18追記ここまで】

 

 

 アイカツの曲(オリジナルスター☆彡がマジで良い)とかもう少し触れたかったんですが、とりあえず今日はここまでです(ゼミの予習が普通に残っている)(この世の終わり)(助けてくれ)。