1 点曲。すごい。すごいの一言に尽きる。A メロの夜を歩く感、からの B メロのどこかに迷い込んだ感、からのサビの前を向き直す感(でもコードとメロのアレから微妙に後ろ髪引かれるみたいな感じもする!)。一連の流れが展開として完璧すぎて、「すげえ~~~~」以上の感想が出てこないです。もちろん展開だけじゃなく各楽器のフレージングや構成音のまとまり具合(一貫性?)もいつも通りに素晴らしく、いや~、すごすぎる。
秘密。誰にだって秘密にしていることの一つや二つはあるよなと思っていて、それはそう。その秘密を共有することになった人は可能な限りその存在を秘匿すべきだろうし、それもそう。でも、これはもうどうしようもないこととして、人間はたとえば機械のように定めた通りにのみ動くような代物ではなくて、要は他人の口に戸は立てられず。いやもちろん共有者の秘匿意思が薄弱という場合だけじゃなくて、「この人には話してもいいかもしれない」みたいな、そういった前向きな判断に基づいて秘密の在処が伝播することだってあるはずで。そんなの、共有者が勝手に判断していいことではないのだけれど、とはいえ、そういうことが起こり得るのが人間関係だろうとも思うし。でも、だからそうなった場合、次のような構図が生まれ得るわけで。『 A さんの秘密を知っている B さん』と『 B さんから A さんの秘密を教えてもらった C さん』と『 B さんしか秘密を知らないと思っている A さん』。A さんと C さんが全くの無関係なら、まあ不都合らしい不都合は何も起こらないだろうと思う。けれどそうでなかった場合、なんか、なんだろうな。率直に言って、対等でない。対等じゃないじゃんか、だってあまりにも。こういった非対称に陥ることは先に言ったように、人間関係を構築していく上で珍しくもないはずと思っていて、でも、だからこうなったとき、次にどう動くかというのは選びようがあるよなと思っていて。責任の取り方っていうか、B さんにはそれを決定する義務があると思っていて。これまでに C さんの位置に立たされたことは何度かあってそのたびに、どうするんだろう、と思っていた。その秘密を自分が知っていることを元々の持ち主に教えなくていいのかな、って。というか、そのようにしてほしくて。自分が A さんと接触するときに色々考えちゃうから。「自分はこの人の秘密を知っているけれど、この人は自分が秘密を知っていることを知らないんだな」みたいな、後ろめたさにも似た何か。そういうの。あくまで自分に限った話だけれど、純粋な友達同士ではいられなくなるんよな。なんていうか、そういう非対称性があると。だから、自分が秘密を知っていることを、ちゃんと元々の持ち主に知らせていてくれていたら、自分はかなり安心できる。対等なままでいられるなーって思う。思った。いま、天を衝く勢いで自分自身を棚に上げている。
自分の中では長らく「 nion といえば『サイント』!」という気持ちだったのですが、コサメガ主催の『 172 号聴く会』へ立ち会ったときに「めちゃエエヤンケ……」となり、結果、ギリギリまで迷う羽目になりました。陰鬱な A メロからのサビの解放感!(開放感でもある!) ……と言いながら A メロが一番好きです。
いや~~~~、これマジで好きで。『On the Last Day』に端を発する光の差す感じの破壊と創造 kosamega ミュージックというよりは、ただただ静かな停滞と緩やかな破滅があるだけって感じの。なんていうか……、陰鬱? でもないんだよな。妙に気怠い午後三時、廃校になった校舎の二階をひとりであてもなく歩いてるみたいな。なんか、そんな感じの気分になる。なんていうか、風景を想起させられる(=疑似的に視覚に訴えることのできる)音楽ってほんとにすごいな~と思っていて(こっちが勝手に妄想してるだけだけど!)。やっている音楽がそもそも違うというのは勿論あると思うんですけど、それはそれとして、これもまた自分には絶対にできないことなので。
ハードめクラブミュージック枠。公開当時からめちゃくちゃに好きでした。適切な用語を扱えているかという問題はこの際置いておくことにして、なんていうか、ハード系(メタル系?)のロックサウンドからワルいシンセの犇めくドロップへ雪崩れ込む楽曲が本当に好きで。というのは単純な理由としてあるんですが、他に推したいポイントとしてはロックパートのドラムスのフレーズですね( Mint 君がドラマーであることに関係する?)。リズム隊がマジでキマりまくってるんですよ、この曲。特に 1st drop のあと。なんか、あまりに自然だからサッと聴き流しちゃうんですけど。自分で曲作るときに毎回毎回ドラムの打ち込みで悲鳴を上げている身としては、「やってんな~~~~」って感じです。なんだろ、リズムそれ一つだけでも十分成立するくらいの、それくらいの強度があるなって。そういうのも含めてお気に入りの曲でした。
穏やかインスト枠。マジで好き!!!!!!!!! マジで好きです、本当に、嘘偽りなく。初めて聴いたときからもうめちゃくちゃに好きで、何が好きかってオタク語りをするんですけどこれから。『Kamogawa Hallucination』や『Summer Cocktail』でも同じことを言っていたんですけど、情景描写としての音楽!!! 『On the Last Day』はその一点があまりにも極まっているなと思っていて。その、どんな音楽でもイヤホンをして目を閉じてって、そうしたら幾つかの景色は大なり小なりみえてくるはずと思うんですけど(嘘で、人に依るかもしれない)。なんていうか『On the Last Day』は、そう、感覚的には映画の域なんですよね。あるいは夢? いや、自分で言っといてなんですけど夢のほうが感覚的に近いです、自分的には。よく言われますけれど、夢って体感時間上は長く感じても実際にみている時間はほんの数分だとか。いや、だからそれなんですよ、『On the Last Day』って。たった七分弱の間に一時間半くらいある映画を観たみたいな、そういう気分。伝わってほしい~~~。最後の最後に満を持して展開されるピアノフレーズもかなり好みで、起承転結~~~~。起承転結。夢遊? そういうの!