コード進行について色々3

 

 ちょっとした前置きから入るんですが、これまで自分は感覚100%で曲を作っていて、歌モノとかだと適当に口ずさんだメロディから曲に起こすことが多くて、それをやるとどうなるかというと、まず九割九分 C メジャースケールになるんですね。それはまあいいとして、そこからコードをつけていくわけじゃないですか。そしたらダイアトニックコードばっかりになって何かつまんないんですよ。だからコードをノンダイアトニックのものに差し替えていくわけですけれど、そうすると何が起こるかといえば、既存のメロディとノンダイアトニックのコードとがぶつかるんですね。あちらを立てればこちらが立たぬ状態。そんなこんなで今朝、感覚だけじゃどうにもなんねえなあ、と思い知らされた次第です。いや、昔から楽器をやっていた人なんかは感覚で処理できるんでしょうけれど、自分には音感が微塵もないので、要するに理論を学ぶしかないんですよね。だから、今回はスケールの話です。相変わらず、あくまで自分の知識を整理することが第一の目的なので、割と適当に書いてます。

 

 

 最初にあったコードがこれです。

 

| IV – V | IIIm – VIm | IV – V | I/VI |

| IV – V | III7 – VIm7 | IV – V | VIm7 – bVIm7 – Vm7 – I7 |

| IV – V | IIIm7 – VIm7 | II7 – III7 | VIm7 – I7/V |

| #IVm7-5 – IVmM7 | IIIm7-5 – VIm7/III | IV – V | I |

 

 基本になっているのは 4536 のいわゆる王道進行で、ちょくちょく弄っています。王道進行を繰り返す曲で冒頭の IV が最後だけ #φ になってるやつ、好きすぎて一生使ってしまう。実際、「じゃあね、また明日」でも使ってたし。

 それと、VIm7 から II7 に繋ぐのが数あるドミナントモーションの中でもめちゃくちゃに好きで、これもまた一生使ってしまう。これ以外使いたくない。

 

 まあこのままでも十分よかったんですけど、というかこのままにしておけば目立った衝突はなかったんですが、「どうせならもう少し変化つけたいなあ……」なんて思ってしまった六時間ほど前の自分は、上のものをさらに弄り始めてしまったわけです。

 具体的に何をしたかって話なんですけど。

 

 十小節目の VIm7 を VI7 に変えました。

 

 はい。それをやった結果どうなったかって話です。作曲の経験がある人なら大体想像つくと思いますけど、『メロディに乗ってる I の音が何か気持ち悪い!!!!!!!!!!!!』となりました。

 VI7 の構成音は VI、#I、III、V なので、まあ I と #I が思いきりぶつかってるわけですよね。なんか、コードによっては半音で当たってても上手く馴染むんですけど、VI7 における I はどうやらそうなってはくれないようでして。というか、自分は VI7 を使ったことがこれまでに一度もないので、だからこいつの勝手が何とも分からなかったんですけど、じゃあ何でこいつを使おうと思ったんだよという話をしておくとすると、九~十小節のコード進行は

| IV – V | IIIm7 – VIm7 |

だったんですが、ここの VIm7 を VI7 にするとツーファイブ(IIm7→V7)の形になって、こう、前に進む力強さみたいなのがマシマシになるんですよね(多分)。IIIm7→VIm7 も一応ツーファイブ形なんですけど、ダイアトニックからダイアトニックへの進行(正しくは maj→maj、minor→minor への進行?)は、力強さはあるもののハッとする感じがあまりなくて、五~六小節で III7→VIm7 のツーファイブをやっていたので、今度は逆の形にしたいなあ、と思い VI7 を使ってみたわけです。

 結果、死んだ。コードがまだ VIm7 のときにメロディにIの音を乗せていて、VIm7 の構成音は VI、I、III、V なので I が入っていてぶつかることはなかったんですが、VI7 にするとぶつかってしまうのは先述の通り。どないすんねんって。既存のメロディを変更することは出来ればあまりしたくなくて、というのも、それをすると全体を組みなおさないといけないことになったりするためです。また、今回ぶつかっているIはスケールの中心ド真ん中にある音で、メロディを区切るための音として使っていたんですよね。それを変えるのはちょっと……という。実際 I→#I と変更してみたんですが、どう足掻いても「は?」の領域から出ることはついぞありませんでした。悲しい。

 

 そこからどうアレをアレしたかって話をするんですが、まず先に、上のコードを弄り回した結果の最終形を書いておこうと思います。

 

| IVadd9 – V | Iadd9 – VIm7 | II7 – III7 | VIm7 – I9 |

| IVadd9 – V | III7 – VIm7 | IV – V | VIm7 – bVIm7 – Vm7 – I7 |

| IVadd9 – V | Iadd9 - #IdimM7 | IIm7 – III7 | VIm7 – I7/V |

| #IVm7-5 – IVmM7 | IIIm7-5 – VI7(b9) | IIm7 – V7 | I |

 

 なで?

 

 二小節目の IIIm7 が Iadd9 になっているのは4516進行にしたかったわけではなく、十小節目で #Idim を使いたいのでその伏線としての Iadd9 です。add9 になっているのは、I単体だと妙な終止感が出て嫌だったから。

 三小節目ががらりと変わっているのは、何でなんでしょうね……。VIm7 の直後には II7 を入れたくなる病に罹っているらしいです。

 一~四小節で V→Iadd9、VIm7→II7、III7→VIm7、あと四小節目から五小節目にかけて I9→IVadd9 の 2→5 形を作れているので、まあまあいい感じ。

 五~八小節は変更なし。

 問題は十小節目ですけれど、VIm7 を #IdimM7 に変更しました。前が Iadd9、後が IIm7 なので基本はパッシングディミニッシュで、7th の音をテンションさせてます。#I からみた 7th は I なので、これでメロディに I が入っていても問題なし。気にするべきはそのテンションが許容されるのかということですけれど、これも(多分)問題ありません。ディミニッシュコードではディミニッシュスケールを多分使うのですけれど、#I をルート音とするとスケールの構成音は、#I、#II、III、#IV、V、IV、#IV、I(全音と半音が交互に来る)で、コードの構成音である #I、III、V 以外の音がテンションとしてどうやら認められるらしいです。#Idim は VI7 の代理コードで後ろに IIm7 があるので、これは VI7→IIm7 のツーファイブ形ともみることが一応できて、だから当初の目的はある程度果たされているわけです。やったね。こんな感じでパッシングディミニッシュを使うときはそのディミニッシュスケールと、直後に来るコードのルート音に関するメジャースケールやマイナースケールとを混ぜて考えたりもするらしいんですけど、その辺りはまだよく分かってないです。まあ、うまくいっているのでよし。

 十一小節目の II7 が IIm7 になっているのは、先ほどにも少し話したように VI7→IIm7 の形にしたかったからです(そもそも、元のコードで II7 が入っていたのは直後に VIm7 があったから)。

 あとは十四小節目の VIm7 が VI7(b9) に変わっているやつですが、初めにやったのは VIm7 から VI7 への変更でした。やっぱり VI7 使いたいなあ、と思って。VI7→IIm7 のドミナントモーションをする際に VI7 で使うスケールは『ハーモニックマイナー・パーフェクト5thビロウスケール』(hmp5th)というらしく、その構成音は VI、#VI、#I、II、III、IV、V です。I がないんですよね。実はここでもメロディに I の音を使っていて、このままだとさっきみたくぶつかってしまうわけです。先ほどは VI7 を代理の #Idim をテンションした #IdimM7 にして回避したんですが、あれがうまくいったのはパッシング形になっていたことによる寄与が大きく、つまり今回同じことをやろうとすると IIIm7-5 を I の形に変えないといけないわけで、でもそれはやりたくない。なんでって、IIIm7-5 は絶対に使いたいし、何より同じことの繰り返しは絶対にしたくない(面白くないので)。そういうわけで、何とか IIIm7-5 は使ったままでコードの VI7 とメロディの I を共存させたいのです。どうにかならないのかなあ~と思いながら調べました。

 結論から言うと、どうにかなるみたいです。どうすればよいかというと、VI7 に hsp5th 上の 9th の音、つまり #VI をテンションして VI7(b9) にします。# やら b やらがついた音をテンションさせるやつ、オルタードテンションって名前があるらしいですね(普通のものはナチュラルテンション)。これで解決です。

 ネットから得た知識、つまり付け焼刃ですが、自分用ということでまとめておくと、次のことが成り立つらしいです。

 

『 VI7→IIm7 と進行する』⇒『 VI7 に b9 をテンションすると、VI7 の 3rd に関するディミニッシュスケールが使用可能』

 

 VI7 の 3rd は #I です。#I に関するディミニッシュスケールは先述の通り、#I、#II、III、#IV、V、IV、#IV、I を構成音として持ちます。なので、上の事実を認めるならば、VI7(b9) に当てるメロディとして I を用いることができるということです。やった~。

 

 一応、理由付けみたいなものも書いてありました。

www.xou.jp

 まず VI7(b9) を VI7(b9)/#I の分数コード形にします。このときベースラインは #I→II のパッシング形になります。次に VI7(b9)/#I から VI を消すんですが、すると残るのは下から順に、#I、III、V、#VI で、これは #Idim7 です。要するに、この VI7(b9) は結局パッシングディミニッシュみたいに考えることができて、だからここで #I(VI7の3rd)に関するディミニッシュスケールを使うことができる。

 そういった論法のようです。なるほど。

kaho-ss.blogspot.com

 IIIm7-5 から VI7 へとつなぐ進行は田中秀和氏がよくやっていて、上のサイトで例として挙げられている四曲(『Let`s アイカツ!』、『LUCKY DUCKY!!』、『オリジナルスター☆彡』、『Good morning my dream』)のうち、最後のものだけ IIIm7-5→VI7(b9) の形になっていたのが不思議だったんですが、もしかしたら今回のと同じ理由だったりするのかなあ、と考えてます。

 

 

 というわけで、以上、スケールの話でした。

 コード進行の勉強は一時期熱心にやっていたので「ああ、ここの進行はこういう理屈で動いてるんだな」みたいなことは何となく分かるようになり、自分の曲にもそれなりに反映させられていたのですけれど、スケールは本当に微塵も気にしたことがなかったので、ここで色々と知ることができたのはいい機会だったのかなあと思います。そう思うと、これまでの曲、めちゃくちゃ適当やってたんじゃないかな。アボイドとかも気にしたことないし。ヤバそう。とりあえず、夏休みのうちにもう少し詳しく勉強します。