好きな音楽の話

 

 どういう曲が好きかって基準はどうにも人によると思うのです。いくら「俺はこれが好き!」と言ったところで、だからといって全人類がその歌を肯定するわけではありませんし、だからつまり自分が好きな音楽を他人へ強要するのは必ずしもいいことだとは言えないでしょう。それは価値観の押し付けです。僕は楽曲に対して強いだの弱いだのといった客観的な言葉を宛がう人間のことが割と苦手ですが、これはそういう理由から来ています。一方で、自分が好きなものは広めていきたいという気持ちもないわけではなくて、いやまあほとんど無いんですけれど、でもたまにはそういう話をしてもいいかなあとは思うのです。そういう話って、上に記したような事情から誰かと共有することが滅多にありませんし、ブログで書くくらいしか発散法がないんですよね。というわけで、今日は好きな音楽の話をします。全部を挙げるのは不可能なので、適当にピックアップして話します。含蓄があるわけでも何でもなくただの趣味の話なので、興味のない人はブラウザバックしてください。

 

 

①The Endless Love - HSP

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 個人的には、こういうときに一曲目へ何を持ってくるかで人となりが分かりそうな気がするのですが、僕は172.6°くらい斜に構えているのでこれを最初に挙げます。僕はボーカロイドを用いた楽曲が割と好きで、と言っても自分から掘ることはあまりしないのですが、よく聞く曲を順に挙げていくと圧倒的にボカロ曲が多いです。どうでもいいんですけど、iPhoneに入っている曲だと再生数上位30曲中22曲がボカロを用いた曲でした。残り8曲のうち2曲はインストです。僕がボーカロイド楽曲をより好む理由はめちゃくちゃにはっきりとしていて、これは僕が散々に話していることでもあるのですが、作曲者の普段見ている世界が曲中のいたるところで垣間見られるからなのです。ボカロ曲は大体の場合、最初から最後までを一人の人間が全て創るわけで、そう思うと歌詞だけでなく、音の配置や曲の構成なんかからもその人らしさみたいなものが窺えるような気が勝手にしています。

 当楽曲『The Endless Love』は音楽ジャンル的にはTranceに分類されるかと思うのですが、世界観が厨二全開でめちゃくちゃ好きです。音もいい。ちなみに作曲者はエロマンガ先生の挿絵を描いている人です。天はこうも容易く二物を与えます。

 好きなボカロ曲はいくらでもあるのですが、何でこれが埋もれてんねんというようなものを挙げるとすると、たとえば次のようなものがあります。

・Artificial Fantasia – くろずみP

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 めちゃくちゃいい。世界観が好き。

 

②Veritas - Nhato & Taishi

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 『The Endless Love』の説明でTranceという音楽ジャンルを持ち出してきましたが、僕はTranceがめちゃくちゃに好きだったりします。大好物です。BPMは大体140前後で、綺麗な感じの音をバーッといい感じに並べて、最後の最後で激ヤバメロディを引っ下げてフロアを火の海にするというような音楽ジャンル(適当)なのですが、それが好きな理由は偏に想像力をバリバリに掻き立てられるからです。中でもこの『Veritas』はドヤバいです。機械に囲まれた都市を歩いているような気分になります。

 Tranceは特にメロディを重視するジャンル(諸説あり)なので僕好みの音楽が固まっているというだけで、独自の世界観が確立されているものであれば別にTranceでなくてもよく聴きます。たとえば『Iustitia - Yooh』辺りがオススメです。暇な人は聴いてください。別に聴かなくてもいいです。

・『Iustitia - Yooh』

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③hope - dai

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 世界観という視点から言えば、僕の主観ではこの『hope』の右に出る楽曲はありません。僕のiPhoneに入っている楽曲群で堂々の再生数1位を誇る曲(どうでもいい)で、『うみねこのなく頃に』というノベルゲームのBGMに使用されていた曲です。これほどに心を動かされる楽曲には今後一生出会わないだろうなんてことを、僕は割と本気で信じています。この曲を聴きながら知らない道を歩くのが本当に大好きで、どこか遠くの異世界にいるんじゃないかという錯覚を起こしては、そんな想像上の街をつまらない現実へ落とし込んで、周りのすべてを意識外へ追いやるということを僕はよくやります。この曲が意識を支配している間だけは、この世界の何処からも自分の存在が消えているような気がして、その感覚に溺れることが癖になってしまっているのです。

 この曲を聴いていると、自分が海辺にいるような気がしてきます。空は橙を浮かべて、日没が近いことを示している。腰くらいの高さがある堤防沿いに造られた車道の上を歩いている。堤防の向こうにはテトラポッドが無造作に積み上げられていて、底の近くでは穏やかな波が打ち付けている。そんな物寂しさが漂う場所に一人で立っている気分になります。

 完全に余談ですが、dai氏の曲だと多分『you』が一番有名だと思います。

・『you - dai』

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④Fire and Rose – The QUEEN of PURPLE

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 世界観が伝わってくる曲が大好物的な話をこれまでにしてきましたが、そうでなくとも好きになりがちな曲の傾向があって、それが何かっていうと、ボーカルがハチャメチャにカッコいい曲なんですよね。ここで挙げた『Fire and Rose』とか、よく聴くやつだと『運命ジレンマ田所あずさ』とかがそれに当たります。何を以てカッコイイと言っているのかみたいなアレがありますけれど、端的に言って息遣いの入っている曲が堪らなく好きです。いま正にすぐ目の前でその誰かが主張を叫んでいるような気がしてくるので。

 ころあずの曲だとこれも好きです。

・『ストーリーテラー田所あずさ

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⑤Mighty Obstacle(「イースVI ナピシュテムの匣」より)

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 カッコいいボーカル曲の話ついでにカッコいいインスト曲についても話をします。僕はそもそもゲームミュージック(インスト)が好きで、だからってまあ深く聴いたりはしないわけですけれど、これだけは外せねえって曲がいくつかあって、『Mighty Obstacle』はそのうちの一つです。サビの解放感がヤバイです。ぶち上がります。暇な人は聴いてヤバさのあまりブレイクダンスを踊ってください。別に踊らなくてもいいです。

 これはやべーってゲームミュージックなら、次のも好きです。

・『こすいちのかくすらなきくどっとえぐぜ(「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」より)』

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 全体的に綺麗な音が並べられている一方で、ところどころにエグい音が割り込んでくるのがめちゃくちゃにいい。

 

⑥透明飛行船 – BUMP OF CHICKEN

 さてこれまでの話をまとめると、僕は「世界観が見えてくる曲」と「何かを叫んでいるような曲」を好きになりがちということになるのですが、そいつらを二つとも兼ね備えているやべーやつが『透明飛行船』です。

 マジでただのにわかなんですが、僕は最近になってBUMP OF CHICKENの楽曲にハマっています(今更かよ感がすごい)。バンド形態ゆえに作詞作曲がメンバー内で完結しているという点がボカロ曲のそれと類似していて、だから特段不思議なことでもないなあと思います。ただそれだけなら他のバンドやシンガーソングライターでもいいじゃねえかって話なんですが、理由らしいものは他にもあって、それは彼ら(作詞のクレジットは藤原基央)の綴る詞がめちゃくちゃいいからなんですよね。その話をするためだけにこの記事を書いていると言っても過言ではありません。

 僕がBUMPの曲をそれと認識して聴いたのは、たしか最初が『ラフ・メイカー』で、その次に『才悩人応援歌』、次に『セントエルモの火』という順だったと思うのですが、これやべえなと最初になったのは『才悩人応援歌』を聴いたときでした。高校三年生の時だったと思います。その衝撃と言えばもう凄まじいもので、藪から棒が出てきたかと思えば足元からは煙が立ち上がりそうして煙が青へ消えてゆく天の彼方では霹靂がこれでもかと飛び交っていたときくらいの驚きでした。これほどのリアリティを伴った人間らしさをこうも綺麗に吐き出せる人間がこの世にはいるのだなと思いました。

 そんな彼らの作る楽曲はどれもこれもリアリティが凄くて、つまりポップス特有の薄っぺらさ(雨の後には必ず虹が架かる的なやつ)が全くありません。それでいて、大衆に媚びるような感じも斜に構えるような姿勢もない。それが堪らなく好きです。中でも『透明飛行船』はヤバいです。全人類、今すぐに歌詞を読んでひっくり返ってください。

 にわかなので、これはやべーってなったBUMPの曲をいくつか挙げます。歌詞のリンクを貼っておくので、暇な人は読んでください。そして転げまわってください。

 ・『透明飛行船』

http://j-lyric.net/artist/a000673/l02397a.html

伏線回収が上手すぎる。頭おかしい。

 

・『ハンマーソングと痛みの塔』

http://j-lyric.net/artist/a000673/l00be37.html

比喩の鬼。何食ってたらこんなん思いつくねん。正気を疑う。一番と最後で「誰にも見えてないようだ」の意味が変わってるのが好き(藤原基央、やりがち)。文章上手お。

 

・『かさぶたぶたぶ

http://j-lyric.net/artist/a000673/l00be38.html

比喩の鬼。頭おかしい。歌詞を書くのが普通に上手い。

 

・『プラネタリウム

http://j-lyric.net/artist/a000673/l0046d9.html

いちいちリアリティが凄い。歌詞に具体性を持たせるのが上手すぎる。

 

・『HAPPY』

http://j-lyric.net/artist/a000673/l020153.html

ぶっちぎりで頭がおかしい。比喩や伏線回収が上手いどころじゃない。「優しい言葉の雨は乾く 他人事の様な虹が架かる」って、いやいやいや、何語だよお前。天才か?

 

・『記念撮影』

http://j-lyric.net/artist/a000673/l041279.html

馬鹿。

 

・『セントエルモの火

http://j-lyric.net/artist/a000673/l023978.html

伏線回収の鬼。具体と抽象の織り交ぜ方がめちゃくちゃ上手い。

  

 

 以上で終わりです。藤原基央の書く詞がヤバすぎるって話をしようと思ったら、自分の好きな音楽を列挙するだけの回になりました。僕はあまり本を読まないのでアレですが、今度は音楽以外でこういう話ができたらいいなあと思います。好きなものについての話題はいくら話しても話し足りないものなのです。